週末はじめました。

日常ではない何者かになりたいわたしの旅の記録

日本酒ラベルの読み方|味の違いがわかる!純米大吟醸・本醸造から甘口辛口・精米歩合・日本酒度まで

日本酒ラベルの読み方|味の違いがわかる!純米大吟醸・本醸造から甘口辛口・精米歩合・日本酒度まで

ラベルから始まる、日本酒の奥深い世界

酒屋の冷蔵ショーケースに並ぶ日本酒の瓶とラベル

日本酒を買おうとして、棚に並ぶボトルを前にどれを選べばいいかわからない。そんな経験はないでしょうか。

実は、ラベルに書かれた言葉や数字には味わいの傾向を示す意味があり、読み方がわかれば飲む前から味の方向性を予測できます。

この記事では、日本酒の分類の全体像から、ラベルに記載された数値の意味、製法、酒器、料理との相性まで解説します。

日本酒の大分類:特定名称酒と普通酒

酒瓶から桝の上のガラス杯へ注がれる日本酒

まずは、ラベルを読み解くにあたり、前提となる大本の分類について知っておきましょう。

日本酒は大きく「特定名称酒(とくていめいしょうしゅ)」と「普通酒(ふつうしゅ)」の2つに分けられます。

普通酒は、日本で消費される日本酒の約6割を占めます。居酒屋の飲み放題やコンビニのパック酒など、日常的に飲まれている日本酒の多くがこれにあたります。

一方の特定名称酒は、国が定めた基準(原料、精米歩合、製法など)を満たした日本酒です。原料と製法の違いにより、さらに3つのグループに分かれます。

特定名称酒の3グループ
グループ 原材料 特徴
純米酒 米・米麹・水のみ 米本来のコクと旨味が感じられる
吟醸酒 米・米麹・水(+醸造アルコール) 低温でゆっくり発酵させる「吟醸造り」によるフルーティーな香り
本醸造酒 米・米麹・水・醸造アルコール 少量の醸造アルコールを添加し、キレのある味わいに仕上げる

この3グループが、精米歩合(せいまいぶあい=お米の磨き具合)や吟醸造りの有無によってさらに細分化され、合計8種類の特定名称が存在します。

ラベルのどこを見ればいい? 3つのチェックポイント

日本酒のボトルには「表ラベル」「肩ラベル」「裏ラベル」の3つのラベルが貼られているのが一般的です。それぞれ役割が異なります。

表ラベルは瓶の正面に貼られたメインのラベルです。最も大きな文字で書かれているのが銘柄名(獺祭、八海山など蔵元のブランド名)。その近くに「純米大吟醸」「吟醸」といった特定名称が記載されています。

日本酒の表ラベルに書かれた銘柄名と純米大吟醸の表記

肩ラベルは瓶の首から肩にかけて巻かれた小さなラベルです。「大吟醸」「金賞受賞」など、販売元がアピールしたい情報が載っています。すべてのボトルにあるわけではありません。

日本酒ボトルの肩に貼られた金賞受賞の肩ラベル

裏ラベルは瓶の背面に貼られたラベルです。ここに精米歩合、日本酒度、酸度、原材料名、アルコール度数など、味わいを数値で読み解くためのスペック情報が記載されています。

日本酒ボトルの裏ラベルにある精米歩合や原材料などの記載

ラベルから読み取るべき情報は、大きく以下の3つです。

  1. 特定名称(純米大吟醸、吟醸など)→ 味わいの方向性がわかる
  2. 精米歩合(%の数値)→ 繊細さと価格帯の目安がわかる
  3. 日本酒度・酸度(数値)→ 甘辛やボディ感がわかる

これらの読み方を順に解説します。

フルーティーが好き?キリッと日本酒感が好き?特定名称で味わいの傾向を掴もう

日本酒を選ぶ際に、最も参考にできるのが特定名称です。

ラベルの至る所に記載されている特定名称を見るだけで、おおよその味わいの傾向を掴むことができます。

純米大吟醸と純米吟醸の表記がある日本酒ラベルの比較

特定名称酒の分類と味わいの特徴
特定名称 グループ 精米歩合 味わいの特徴
純米大吟醸 純米酒 50%以下 最上級。華やかでフルーティー、繊細な味わい
純米吟醸 純米酒 60%以下 華やかな香りとスッキリした飲み口
特別純米 純米酒 60%以下、または特別な製造方法 蔵元ごとの個性が光る
純米酒 純米酒 規定なし 米の旨味がしっかり。食事に合わせやすい
大吟醸 吟醸酒 50%以下 非常に華やか。技術の粋を集めた酒
吟醸 吟醸酒 60%以下 フルーティーでキレが良い
特別本醸造 本醸造酒 60%以下、または特別な製造方法 スッキリした飲み口
本醸造 本醸造酒 70%以下 香り控えめで飲み飽きない

フルーティーな味わいを求めるなら、純米大吟醸・純米吟醸・大吟醸・吟醸といった吟醸系がおすすめです。お米を多く磨き、低温でゆっくり発酵させることで生まれる華やかな香りが特徴で、日本酒を飲み慣れていない方でも親しみやすい味わいです。

一方、米の旨味やコクをしっかり味わいたいなら、純米酒や特別純米が向いています。食事との相性が良く、飲み飽きないのが魅力です。

キレのある軽快な飲み口が好みなら、本醸造や特別本醸造を試してみてください。香りは控えめですが、スッキリとした後味で幅広い料理に合わせやすい万能タイプです。

精米歩合:数字が小さいほどよりフルーティ・軽やかに

精米歩合(せいまいぶあい)は、お米(玄米)をどれだけ磨いた(削った)かを示す数値です。

裏ラベルに記載された精米歩合の数値

精米歩合60%は「60%分のお米が残っている」、つまり40%を削り取ったという意味です。数値が小さいほど多く磨いていることになります。

玄米の外側にはタンパク質や脂質が多く含まれており、これらは雑味の原因になります。外側を多く削るほど雑味が減り、クリアで華やかな味わいになります。

精米歩合と味わいの傾向
精米歩合 分類の目安 味わいの傾向
50%以下 大吟醸クラス フルーティーで華やか。より軽やかな口当たり
60%以下 吟醸クラス 程よい華やかさ。フルーティーと日本酒感とのバランスが良い
70%以下 本醸造クラス 米の旨味がしっかり。コクがある
70%超 普通酒クラス 力強い米の味わい

精米歩合が低い(よく磨いた)日本酒ほど、精米に時間がかかり、使用する米の量も多くなるため、価格は高くなります。

辛口? 甘口?:日本酒度と酸度で味を読む

裏ラベルには、味わいを数値で示す指標が記載されていることがあります。それが、日本酒度酸度の2つです。この2つを組み合わせて読むことで、甘辛と濃淡の全体像をイメージできます。

裏ラベルの日本酒度と酸度の数値が並ぶ表示

日本酒度

日本酒の甘さ・辛さの目安となる数値です。プラスに大きいほど辛口、マイナスに大きいほど甘口になります。

日本酒度の目安
日本酒度 味わいの傾向
+6以上 超辛口
+3.5〜+5.9 辛口
+1.5〜+3.4 やや辛口
-1.4〜+1.4 中間
-1.5〜-3.4 やや甘口
-3.5〜-5.9 甘口
-6以下 超甘口

この数値は、日本酒に含まれる糖分の量を反映しています。糖分が多い酒は水より重くなりマイナスに、糖分が少ない酒は水より軽くなりプラスに振れます。「辛口」といっても唐辛子のような辛さではなく、甘味が少なくキレがある味わいを指します。反対に「甘口」は、口に含んだときにふわっとした甘味があり、まろやかでやわらかい口当たりの味わいです。

酸度

日本酒の味の濃さ・軽さを左右する数値です。高いほど濃醇で飲みごたえがあり、低いほど軽やかでスッキリした味わいになります。

酸度の目安
酸度 味わいの傾向
1.8以上 かなり濃醇。しっかりした飲みごたえ
1.5〜1.7 やや濃醇。コクと厚みがある
1.3〜1.4 標準的。多くの日本酒がこの範囲
1.3未満 軽やか。スッキリと飲みやすい

酸度は甘辛の感じ方にも影響します。同じ日本酒度でも、酸度が高いと辛く感じやすく、低いと甘く感じやすくなります。日本酒度と酸度を組み合わせると、味わいの全体像が見えてきます。

日本酒度×酸度の味わいマトリクス
酸度 高(1.5以上) 酸度 低(1.0未満)
日本酒度 プラス(辛口) 濃醇辛口(力強く、鋭いキレ) 淡麗辛口(スッと入り、スッと消える)
日本酒度 マイナス(甘口) 濃醇甘口(まったりと広がり、余韻が長い) 淡麗甘口(ふわっと甘く、さらりと抜ける)

日本酒度と酸度で淡麗甘口から濃醇辛口まで示す味わいマトリクス図

数値の先にある味わい:製法でわかる日本酒の個性

ここまで紹介した特定名称・精米歩合・日本酒度・酸度は、いわば日本酒の基本スペックです。しかしラベルには、もう一つ注目すべき情報があります。「山廃」「生酒」「無濾」「ひやおろし」といった製法です。これらは数値では読み取れない、造り手のこだわりや季節感を伝えてくれます。

天然の乳酸菌で醸す伝統製法
用語 特徴
山廃(やまはい) 天然の乳酸菌を活用した伝統的な製法。複雑で力強く、酸味のある味わい
生酛(きもと) 山廃の元になった、さらに古い伝統製法。野性的でコクのある味わい
搾りたての風味をそのまま残す製法
用語 特徴
生酒(なまざけ) 火入れ(加熱殺菌)をしていない。フレッシュで活き活きとした味わい。要冷蔵
原酒(げんしゅ) 加水せず、搾ったままの度数(18〜20%)で出荷。味が濃く力強い
無濾過(むろか) 活性炭濾過を行わない。本来の風味がそのまま残り、力強い味わい
濁りや搾りたてを活かす製法
用語 特徴
にごり酒(にごりざけ) 粗い目の布で濾した白く濁った酒。クリーミーでやや甘い味わい
あらばしり 醪(もろみ)から自然に流れ出る最初の酒。フレッシュで若々しい
季節と熟成が育てる製法
用語 特徴
ひやおろし 春に火入れし夏を越して熟成した秋の酒(9〜11月頃)。まろやかで丸みのある味わい

酒器が変える、日本酒の楽しみ方

ラベルを読んで好みの一本を見つけたら、次は酒器にも目を向けてみてください。ビールをジョッキで飲むように、ワインをワイングラスで飲むように。日本酒にも雰囲気づくりを含め、最適な酒器があります。

涼しげなガラスのお猪口で冷酒を味わう

冷酒はガラスのお猪口でいただくのが一般的です。

青いガラスのお猪口に冷酒を注ぐ様子

江戸切子に代表される日本の伝統工芸品の日本酒グラスでいただくと、より高級感や雰囲気が出ます。

江戸切子の青いぐい呑みと敷きすだれの上の青もみじ

徳利とお猪口で燗酒を味わう

燗酒の魅力を最大限に引き出すのが、徳利(とっくり)とお猪口(おちょこ)の組み合わせです。徳利でゆっくりと温めた酒を、小さなお猪口で少しずつ味わう。温度が少しずつ変化していく中で、味わいの移り変わりを楽しめます。

徳利から陶器のお猪口に燗酒を注ぐ様子と湯気

ワイングラスで冷酒を楽しむ

近年、吟醸酒や大吟醸をワイングラスで提供するスタイルが広まっています。グラスのボウル部分に香りが集まるため、吟醸系の華やかな香りをより豊かに感じることができます。フォーマルな場や特別なディナーでは、こうしたスタイルで日本酒を楽しむのも一つの選択肢です。

微発泡タイプの日本酒(スパークリング日本酒)をシャンパングラスで楽しむスタイルも定着しており、乾杯の一杯として選ばれることも増えています。

実際に、ノーベル賞の公式行事では日本酒がワイングラスで提供されたことがあります。

料理と日本酒:ラベルの知識を食卓で活かす

冷酒と冷奴を並べた日本酒の食卓風景

ラベルが読めるようになると、料理に合わせて日本酒を選ぶ楽しみも生まれます。

日本酒は和食との相性がもともと優れています。日本酒も醤油も味噌も、麹の働きから生まれる旨味成分(グルタミン酸)を共有しているためです。

料理と特定名称の相性ガイド
料理 おすすめの特定名称 ポイント
白身魚の刺身・寿司 吟醸、大吟醸 華やかな香りが素材の繊細さを引き立てる
赤身魚の刺身 純米酒 香り控えめな純米酒が魚の旨味と調和する
焼き魚 純米酒、本醸造 米の旨味や軽やかなキレが、焼き魚の香ばしさに合う
チーズ 純米酒、山廃 乳製品のコクと米の旨味が互いを引き立てる。白ワインの代わりに
生牡蠣 吟醸、本醸造 辛口のキレが牡蠣の旨味を引き立てる。白ワインやシャンパンと同じ感覚で
キャビア 純米大吟醸、大吟醸 クリアで華やかな味わいが、キャビアの塩味と上品に調和する

また、ペアリングの知識が深まれば、ギフト選びにも活かせます。

日本では、日本酒を贈る際に、そのお酒に合うおつまみを添えて贈ることもポピュラーです。

純米大吟醸とキャビアや、吟醸とチーズなど、日本酒だけでなく、そこにプラス一品添えるだけで、贈り物の価値と相手の満足度は、ペアリングと共に一気に高まります。

ラベルが読めれば、日本酒はもっと楽しい

酒屋の冷蔵ショーケースに並ぶ多くの日本酒の瓶

日本酒のラベルには、味わいを知るための情報が詰まっています。

特定名称を見れば味わいの方向性がわかり、精米歩合を見ればその華やかさや軽やかさがわかり、日本酒度・酸度を見れば甘辛やボディ感がわかります。

冷蔵ケースに並ぶ純米大吟醸などの日本酒ボトル

さらに「山廃」「生酒」「ひやおろし」といった製法を知ることで、その一本がどのような個性を持っているかをイメージできるようになります。

個性的なラベルが並ぶ日本酒のボトル棚

ぜひラベルを見ながら、どんな味だろうと想像してみてください。

桝の上のガラス杯に日本酒を注ぐ様子


あわせて読みたい:

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com