- 猿島を実際に訪れて徹底検証!
- 猿島に上陸!
- 無人島・猿島「探検」ツアー
- 錆びて風化するエンジン
- 猿島発電所
- 圧巻!島を要塞へと変えた「切通し」
- 要塞跡(露天掘り幹道)
- レンガ造りのトンネル(愛のトンネル)
- ラピュタの世界は実在した!
- 砲台跡
- オイモノ鼻広場
- 唯一にして最大の難所「展望台への階段」
- 展望台
- 頂上広場
- 猿島一周完了
- ボードデッキでランチ
- 猿島ウェルカムセンター
- 猿島から三笠ターミナルへ
- 廃墟美と自然美が織りなすフォトジェニック無人島
猿島を実際に訪れて徹底検証!
猿島は、東京湾で唯一の無人島。フェリーでたったの 10 分で行けて、そこには、ジブリ映画「天空の城ラピュタ」の世界が広がっていると話題、人気の観光師ポットです。
ではそんな猿島、散策するのにどれくらいの時間が必要なのでしょうか?そしてそもそも、何があってどこにいけばラピュタの世界に出会えるのか?
今回は実際に猿島に上陸し、徹底的に検証してきました!
実際の時間軸も示しながら、散策したルートやその場所の様子をお伝えしますので、猿島観光の参考にしてください。
なお、猿島についての情報見どころ、行き方など詳細な情報は以下で知ることが出来ます
▼▼▼ 猿島について詳しく見る ▼▼▼
また、探検ツアーやフェリーの優先乗船については、以下で知ることが出来ます
▼▼▼ 探検ツアーやフェリーの優先乗船について詳しく見る ▼▼▼
猿島に上陸!
🕛 12:40
12:30 発の船で走ること約 10 分、猿島に上陸しました。
猿島桟橋を歩いていくと、ボードデッキに出ます。見晴らしがよくて、東京湾と横須賀の街が見渡せます。ランチするのがここがオススメ。
写真右手にあるのはウェルカムセンターといって、猿島の管理棟です。
無人島・猿島「探検」ツアー
猿島では、プロのガイドさんによる「無人島・猿島「探検」ツアー」に参加できます。
三笠ターミナルでガイドツアーに申し込んでおいたので、ボードデッキの隣にあるウェルカムセンターで受付をします。
参加料は 600 円。三笠ターミナルで申し込むと 500 円になり 100 円お得になりますよ。
詳しくは以下をご覧ください。
▼▼▼ 探検ツアーと割引について詳しく見る ▼▼▼
探検ツアーの開始時刻について
探検ツアーは、出航便の時刻と合わせてツアー開始時刻が組まれています。
私は 12:30 の便で猿島に到着し、ツアー出発は 12:50。30 分コースなら猿島上陸 10 分後、60 分コースなら猿島上陸 20 分後にツアーがスタートするようになっています。
出発 | 猿島到着 | ツアー開始 | 備考 |
---|---|---|---|
9:30 | 9:40 | 9:50 | |
10:30 | 10:40 | 10:50 | |
11:30 | 11:40 | 11:50 | |
12:30 | 12:40 | 12:50 | 土日祝日および繁忙期のみ |
13:30 | 13:40 | 13:50 | |
14:30 | 14:40 | 14:50 | |
15:30 | 15:40 | 15:50 | 3/31〜10/31のみ |
出発 | 猿島到着 | ツアー開始 |
---|---|---|
10:30 | 10:40 | 11:00 |
12:30 | 12:40 | 13:00 |
ツアーに参加する場合は受付が必要なので、上陸したらのんびりし過ぎず、先に受付を済ませてしまいましょう。
イヤホンガイドの貸出
受付の際に、「イヤホンガイド」が貸し出されます。これを耳に付けていれば、ガイドさんの案内を無線で受信して聞くことができます。
ガイドツアーは、ツアーに参加する人たちの人数によっていくつかのグループに分かれ、それに対して1人のガイドさんが同行する流れになっています。その関係で、人数が多い場合はガイドさんと距離が開く人も出てきて、ガイドさんの案内が聞き取りづらい状況が発生するため、用意されています。基本的には全員に配られます。このイヤホンガイドをつけていれば、ガイドさんとの距離があっても案内をきちんと聞くことができますよ。
ツアー出発前に、島を巡る際の注意点などを動画で確認します。
そしていざ、猿島探検に出発!
錆びて風化するエンジン
遊歩道の脇に雑に置かれた、錆びたエンジン。目立たないところにひっそりありますが、これも旧海軍のもの。錆びて風化が進んでおり、少しずつ小さくなっていっているそう。
猿島発電所
猿島発電所は明治時代中期(1895年)に造られた発電所で、当時は石炭を燃やして蒸気でタービンを回して(いわゆる蒸気機関)発電していました。
建物はレンガ積みだけで自立した壁と、木造キングポストトラスという小屋組の屋根で構成されています。建物内部には汽罐(きかん)室と発電機室、石炭庫があり、汽罐室の下には蒸気機関で使う水を貯めていた地下水槽の存在が明らかになりました。
ここで作られた電気は、建物の裏から切り通しを伝って島の中央部高台にある照明所に送られていました。戦争中ももちろん稼働し、島の電力は全てここで賄っていました。
敵に見つからないように、煙突は低めに造られてるのだそうです。よく見ると、石炭発電のわりに煙突は短めですね。
ちなみに現在も島の電力はここで作っており、近づくと稼働している音や独特な燃料?のにおいが感じられました。
明治に作られたものが今もこうして稼働しているのはすごいですね。
ちなみに発電所は、建物の老朽化が進んでいる関係で公開はしていないとのこと。
発電所の中には発電のための機器が導入されています。
圧巻!島を要塞へと変えた「切通し」
発電所を過ぎると切通しに入っていくのですが、ここが圧巻の風景です。
切通しは、山や丘などを切りひらいて作る道のことを言いますが、猿島の切通しは、全て人の手(ツルハシで掘って)で切り開かれているのだそうでうす。
この切通しが、猿島の遊歩道でずっと続いていきます。まさに、圧巻。島そのものが要塞だったということを感じさせてくれます。
ところどころに空いている穴は、当時のツルハシで掘った跡です。
柔らかい地盤に根付く巨木
切通しのここの地盤はとても柔らかく、実際に壁を指で押してみるとヘコむくらい柔らかかったです。
そのため、時間の経過と共に木の根が切通しの壁を貫き不思議な光景を目の当たりにすることができます。
切通しの壁を貫く巨木の根、まるでラピュタの世界のようです。
要塞跡(露天掘り幹道)
露天掘り幹道には、兵舎や弾薬庫があります。これらも切通しの中に作られています。
兵舎
ドアや窓の上に、レンガを縦にアーチ状で並べてあるのですが、これは「人が住んでいる」(=兵舎)という意味だそうです。
弾薬庫とか司令部とかの施設が同じこの通りにあるため、区別するためだったと考えられます。
ちなみに猿島要塞の配置図だと各施設はこんな並びになっています。
兵舎と弾薬庫が近所で怖いですね。どうして兵舎と弾薬庫が交互になっているのか気になります。
ちなみに兵舎の脇には小窓が設置されており、ここに潜望鏡のような機械を入れて、望遠鏡みたいなのを伸ばして島の外(敵)の様子を伺っていたではないかと言われています。
そしてこちらは 2 つ目の兵舎
こっちの兵舎は結構破損していて。写真中央の壁に亀裂が入っているのがわかりますか?ここです。
この亀裂が出来た経緯をガイドさんが話してくれました。
日本が戦争に負け、連合軍に猿島を明け渡すことになったのですが、その際に、武器弾薬を全て一箇所に集めるように言われ、日本軍はこの兵舎の上の広場に全てを集めたのだそうです。
その後、日本軍は全員猿島を退去。
その直後、連合軍は集めらた武器弾薬をその場で爆破。その時の衝撃で、真下にあったこの兵舎の壁に亀裂が走ったとのことでした。
なかなか生で見ると衝撃の凄まじさが伝わってきます。
トイレ跡
こちらはトイレの跡。こちらは小便用。
こちらが大便用。
写真手間のくぼみのところで用を足すのだそうですが、軍事施設に限らず、昔の日本はこの様式だったそうです。
江戸は世界一綺麗な街だった
江戸は当時、世界一綺麗な街だと言われてたようです。
開国して世界中から外国人が日本に来るようになってきたわけですが、江戸の街には必ず街や通りの端とかに公衆便所が設置されていて、そこらで用を足すような人はいなかったのだそうです。
当時欧米に公衆トイレが無かったのかは定かでは有りませんが、とにかくそこらで用を足す人も結構いたみたいで、江戸ではそういう光景がなかった事から、外国人が感動したんだとガイドさんが話されていました。
弾薬庫
こちらは弾薬庫。アーチ状の入口はこの先のトンネルと同じフランス積みのレンガ構造物です。
中には入れなかったですが、弾薬庫の中は漆喰で塗られた壁で囲まれたかまぼこ型の部屋になっていました。
2 つ目の弾薬庫は内部の損傷が激しかった。
神秘!自然に飲み込まれた要塞
切通しは側面がコンクリートで固められているのですが、自然が侵食していく光景が神秘的で美しいです。
人工物の上に自然が鎮座し側面も苔に覆われていたりして、史跡と自然が一体となっている状態です。不思議な雰囲気を感じます。
レンガ造りのトンネル(愛のトンネル)
弾薬庫などを抜けると、トンネルが見えてきます。
レンガ造りのトンネルとして日本で最も古い建造物の1つだそうです。
このトンネルの中には旧軍の司令部跡や弾薬庫も設置されています。
一方で、「愛のトンネル」とも呼ばれているらしく。
このトンネル、実際けっこう暗いのですが、カップルで歩くとその暗さから知らず知らずのうちに身を寄せ合ってしまう。ということから「愛のトンネル」と呼ばれているのだそうです。
トンネルの中はたしかに暗いです。
トンネルの内部は不思議な世界観を感じます。
ただ、暗いながらも雰囲気はとても良いです。
トンネルの暗さと、レンガの色合いがノスタルジックな感じを生み出しており、どこか中世の時代にでもタイムスリップしたような感覚を感じます。
トンネルには、連絡通路として使われた、外に通じる階段がありました。
ここはもう老朽化が進んでしまい危険ということで入れなかったのですが、ここはなんだか異様な雰囲気を出していて、正直怖かったです。
ここを通じて外に出たら、戦時中にタイムスリップしてしまうみたいな、、、そんなことを想像させる雰囲気でした。
そんなこんなで、約 90 m ほどのトンネルは終わりを迎えます。
ラピュタの世界は実在した!
トンネルを抜けると、要塞と自然が一体となった光景が広がります。ここがラピュタの世界を最も感じるエリアです。神秘的な光景が広がります。
そしてその先のトンネルは、短いですがギミックのあるトンネルです。
ここには、弾薬を運ぶスペースがあったりしました。
トンネルの先が少し広がっており、ここから弾薬を運んでいたとのこと。
そしてこのスペースの脇には細い部屋があって、指揮官はそっちに退避しつつ、小窓から弾薬配送の指示を出していたんだとか。
こういった光景を間に当たりにすると、猿島が軍事要塞だったんだと感じます。
砲台跡
🕛 13:25
猿島の見どころの一つとなっている砲台跡です。
ここに実際に砲台(40 口径三年式 8 センチ高角砲)が設置されていました。ちなみに、高角砲と高射砲と対空砲は同じものです。
ガイドさんが当時の砲台の写真を見せてくれました。
当時、誤って真上に打ってしまった砲弾がそのまま落ちてきて事故になった事もあったと言っていました。
実際の戦闘の成果としては、結局 8 センチ高射砲では敵機の高度に届かなかったため、戦争末期に 12.7 センチ砲に付け替えられたとのことでした。
ガイドさんとお別れ
30 分コースの場合、ガイドさんの案内はここの砲台跡で終わり、ツアーは解散となりました。
解散時点での時刻は 13:30, 猿島上陸から 50 分経過です。
ここからは自由行動になります。猿島の遊歩道を往復すると考えると、往路はもう終わったので、復路は自分で自由に歩きながら散策していきます。
オイモノ鼻広場
オイモノ鼻広場は、猿島から東京湾を見渡せる絶景スポットです。
これまでずっと、切通の中を歩いてきたので、開けた場所に出ると開放感が違います。
海岸に降りられる
オイモノ鼻広場には階段があって、海岸まで下りることができます。
シンプルな自然の雄大さも感じられる。猿島は遺跡だけでなく自然も楽しめる場所ですね。
唯一にして最大の難所「展望台への階段」
猿島の散策路には唯一、階段のあるところがあります。展望台へ行くための遊歩道です。
猿島はここだけ頑張りポイントなので、ゆっくり登りましょう。ポイントポイントで休みつつ後ろを振り返ると、木々の間から海が見えて気持ちいいです。
ちなみにベビーカーでこの階段を上るのはあまりおすすめしません。力と体力に自信がなければ、結構大変だと思います。
展望台
階段を登りきると、展望台があります。
展望台は、昔、放送されていたヒーロードラマ「仮面ライダー」の宿敵、ショッカーの元アジトとしても使われました。
ちなみに展望台は老朽化のため立ち入りは禁止になっているので、階段を上がったりはできません。
けっこう老朽化しています。
展望台自体はシンプルな造りをしていて、入れはしませんが中を除くことはできます。
展望台には上がれませんが、展望台の前には頂上広場があり、そこからでも十分に美しい景色を楽しめます。
頂上広場
展望台の先は広場になっています。
頂上広場だけあって、絶景!オーシャンビューを臨めます。
正面あるのは米海軍横須賀基地。
猿島一周完了
🕛 13:52
ツアーを開始したボードデッキまで戻ってきました。
この時点で、猿島上陸から約 1 時間 10 分です。ツアーを解散した後も色々巡りましたが、ガイドツアー含めても 1 時間くらいで戻ってきました。
ボードデッキでランチ
🕛 14:05
猿島を堪能したので、ボードデッキでランチいただきましょう。
オススメはなんといってもこれ!よこすか海軍カレー(1,200円 牛乳付き)です。
眺めの良いところで食べるカレーライスの味は格別です。牛乳もついているのが良いですね。
猿島ウェルカムセンター
🕛 14:30
最初に 1 階でツアーの受付をやりましたが、2 階は休憩スペース兼資料展示になっています。
休憩スペースはとても広いです。2 階なので、東京湾を眺めながら休憩できます。
資料展示も豊富にあり、当時の様子、施設の解説から当時使われていたものの展示まで、豊富にありました。
猿島から三笠ターミナルへ
🕛 14:45
帰りの船に乗って三笠ターミナルに戻ります。
フェリーは、2 階デッキからの眺めが良いのでおすすめです。
フェリーが出発し、離れていく猿島。ラピュタの世界は本当にありましたね。自然に飲み込まれていく造形物の姿は、独特の神秘を感じました。
廃墟美と自然美が織りなすフォトジェニック無人島
12:30 に猿島へフェリーで出発し、14:55 に三笠ターミナルに帰ってきました。
猿島の観光にかかった時間は、2 時間 25 分でした。
結論、猿島観光には 2 時間半〜 3 時間かかる。ということがわかりました。
無人島と聞くと「サバイバル」みたいなキーワードを一番に連想しますが、猿島はどちらかというと真逆で、しっかり管理・整備されている無人島でした。
また、旧日本軍の要塞跡ということで、「戦争」というとネガティブなキーワードを連想しがちですが、猿島は実際に戦闘が繰り広げられた場所ではないため、そういった「悲惨さ」を感じるような雰囲気の場所では無かったです。
島の地形を利用した洞窟チックな要塞が、時間の経過と共に自然と一体になっていき、その光景がとにかく神秘的な雰囲気を生み出している。
つまりめちゃめちゃフォトジェニックな無人島でした。
現場からは以上です。是非猿島に行ってみてください!
あわせて読みたい: