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大分の絶景スポット「岡城」観光ガイド|断崖絶壁×荒城の月。難攻不落の天空の城を徹底紹介

大分の絶景スポット「岡城」観光ガイド|断崖絶壁×荒城の月。難攻不落の天空の城を徹底紹介

難攻不落にして名曲の舞台。岡城の魅力を徹底紹介

柵のない石垣の先は、断崖絶壁。その足がすくむような場所から、くじゅう連山の大パノラマが広がる。そんな城が、大分県竹田市にあります。

島津の大軍を退けた「難攻不落」の城であり、瀧廉太郎が「荒城の月」の着想を得た舞台でもある岡城。この記事では、その見どころを紹介していきます。

岡城

山肌の尾根に広がる岡城跡と石垣を空撮した全景

岡城は、大分県竹田市にある、標高325mの岩山に築かれた山城です。「難攻不落」と称された堅固な縄張りで知られ、国指定史跡や日本100名城にも選定されています。また、城の形が牛の寝姿に似ていることから、「臥牛城(がぎゅうじょう)」の別名を持っています。

岡城 基本情報
項目 内容
名称 岡城跡(おかじょうあと)
入城時間 9:00〜17:00
休城日 12月31日〜1月3日
入城料 高校生以上¥300、小中学生¥150(団体割引あり)
所在地 大分県竹田市大字竹田2889
アクセス JR豊後竹田駅からタクシーで約5分
駐車場 無料(普通車140台、バス9台)
100名城スタンプ 岡城料金所に設置
喫煙所 駐車場に喫煙所有り
公式サイト https://okajou.jp/

地上325m、柵一切無し!断崖絶壁から望む大パノラマ

岡城の一番の見どころは、遮るものが一切ない絶景と、石垣との景観です。

柵のない石垣の先に断崖と樹海が広がる岡城の眺望

多くの城では、安全のために柵や手すりが設けられていますが、岡城にはそれがありません。石垣と空と山並みが一体となったダイナミックな景観を体感できるのが、岡城の魅力です。

石垣の縁から見渡すくじゅう連山と深い谷の大パノラマ

眼下には緑の樹海が広がり、その先に山並みが幾重にも連なります。本丸からはくじゅう連山、西の丸からは阿蘇山を望むことができます。空が大きく開け、山城ならではの開放感を楽しめます。

足元に目をやれば、石垣のすぐ先は断崖。開放感の分、スリルも満点ですが、滑落しないように注意しましょう。

石垣の角から見下ろす渓谷と川沿いの道路

見どころ満載!遊歩道で巡る岡城の遺構たち

岡城には遊歩道が整備されており、順路に沿って遺構を見てまわれます。

出典元: 場内マップ - 岡城公式サイト 岡城跡の場内マップ全体図と各曲輪の位置

大手門までの石段では、巨大な石垣とその曲線美を間近に見ることができます。

大手門へ続く石段と高い石垣を間近に見る登城路

曲線を描く石垣沿いの登城路と枯れ木の枝

大手門跡は岡城の正面玄関。石垣に残る3カ所の凹みは、かつて横木を通していた跡で、他の城では見られない珍しい構造です。

大手門跡の両側に残る巨大な石垣と門跡広場

三の丸では、高石垣と大パノラマの絶景が見どころです。

三の丸の高石垣と断崖沿いの通路

二の丸には、休憩所が設けられており、一息つくことができます。

二の丸休憩所の案内看板と広場の建物

また、休憩所にはピアノ(廃校になった宮城台小学校のもの)が設置されており、誰でも自由に弾くことができます。休憩所の外には瀧廉太郎像がありますので、瀧先生にも届くかもしれません。

本丸は岡城の最高地点。くじゅう連山を一望できる絶景ポイントです。

本丸の広場から見渡す山並みと大木の木陰

本丸には天満神社もあります。この神社は1594年(文禄3年)に中川秀成が岡城に入城した際、城内東側にあった天神祠(ほこら)を移転建立したもので、歴代藩主が守り神として崇拝してきた神社です。祭神は学問、農業、財産を守る菅原道真公です。

本丸に建つ天満神社の鳥居と社殿

他にも、西の丸跡や屋敷、櫓、門の跡など、多くの遺構があります。

「荒城の月」の原風景。瀧廉太郎が少年時代を過ごした城

二の丸には、彫刻家・朝倉文夫が制作した瀧廉太郎像がありますが、名曲「荒城の月」を作曲した瀧廉太郎は、少年時代をここ竹田で過ごしました。

瀧廉太郎像が山並みを背に座る岡城の展望

1891年(明治24年)、父が直入郡長となったことをきっかけに、12歳の廉太郎は一家とともに竹田へ転居します。通っていた学校の裏にあった岡城跡は、格好の遊び場でした。石垣に座って尺八を吹いたこともあったといいます。

1901年(明治34年)、廉太郎は中学校唱歌として「荒城の月」を発表。荒れ果てた岡城で遊んだ少年時代の記憶が、この名曲の着想源となりました。

くじゅう連山を背に、遠くを見つめる廉太郎の姿は、岡城を象徴する光景のひとつです。

なお、岡城の麓を走る国道502号には「メロディ舗装」が施されており、車で通過すると「荒城の月」のメロディが流れます。

標高325m、断崖の要塞。島津の大軍を退けた「難攻不落」の城

岡城はその地形から、難攻不落の城とされています。

標高325mの岩山に築かれた岡城は、三方を断崖絶壁に囲まれた天然の要害です。阿蘇山の火砕流が形成した台地の上に位置し、攻め手にとっては容易に近づくことすらできない堅城でした。

山中の遊歩道から見上げる岡城の石垣群

その堅固さが証明されたのが、1586年(天正14年)の「豊薩合戦」です。九州統一を目指す島津氏の大軍が岡城に押し寄せましたが、当時わずか18歳だった城主・志賀親次がこれを撃退。この戦いにより、岡城は「難攻不落の城」として全国にその名を轟かせました。

天然の地形と巧みな築城技術が生んだ防御力。それが岡城の真髄です。

新緑に囲まれた岡城の高石垣と曲輪

築城から廃城まで。岡城800年の歴史

紅葉に彩られた石垣と門跡の通路

岡城の歴史は、源平合戦の時代にまでさかのぼります。1185年(文治元年)、緒方三郎惟栄が源義経を迎え入れるために築城したと伝わっています。

その後、1334年(建武元年)に志賀貞朝がこの城を拡張し、「岡城」と名付けました。志賀氏の時代には、先述の豊薩合戦で島津氏を退け、難攻不落の名声を得ています。

1594年(文禄3年)、豊臣秀吉の命により中川秀成が入封。秀成は3年をかけて大規模な改修を行い、石垣造りの近世城郭へと姿を変えました。現在残る石垣群の多くは、この中川氏時代に築かれたものです。

中川氏は初代・秀成から14代にわたって岡藩7万石を治めましたが、1771年(明和8年)の大火で本丸・西の丸など城の大部分が焼失。その後再建されることなく、1874年(明治7年)の廃城令により全ての建造物が取り壊されました。

1936年(昭和11年)、国の史跡に指定され、現在に至ります。

岡城の歴史年表
緒方三郎惟栄が源義経を迎えるため築城(伝承)
志賀貞朝が城を拡張し「岡城」と命名
志賀親次が島津氏の大軍を撃退、「難攻不落」の名声を得る
中川秀成が入封、石垣造りの近世城郭に大改修
西の丸御殿が完成、城の中心となる
大火により本丸・西の丸など大部分が焼失
廃城令により全ての建造物が取り壊される
国の史跡に指定

岡城への行き方

車でアクセスする場合、大分自動車道・大分ICから国道442号・57号経由で約1時間、中九州横断道路・竹田ICからは約17分です。岡城料金所前に無料駐車場(普通車140台)が完備されています。

公共交通機関を利用する場合は、JR豊肥本線「豊後竹田駅」からタクシーで約5分です。駅から岡城までは急な坂道が続くため、徒歩でのアクセスはおすすめしません。

苔むした登城道と史跡岡城跡の石碑

大分市からは、JR豊肥本線で豊後竹田駅まで約1時間。熊本市からは、JR豊肥本線のほか、高速バスでもアクセスできます。

高齢者、車いすでも安心!登城バスが便利

豊後竹田駅の駅舎と背後にそびえる断崖

岡城は、入場口である料金所から大手門までの道のりで石段を上っていくため、車いすで石段を上がるのは困難、また、ご高齢者など足腰に不安がある方では登城が難しい場合があります。

しかし心配は不要です。岡城では、料金所のある駐車場から、岡城跡の中心まで、登城バスを運行しており、石垣を上ることなく岡城跡でアクセスできます。

ワンボックスカー程度の大きさで、定員は 9 名、車いすにも対応しています。10:00から40分おきに運行しており、利用もしやすいです。

運行は主に土日祝日や繁忙期となっています。最新の運行スケジュールは公式サイトをご確認ください。

[2025.9.29] 登城バスの運行(10~12月)について

大手門までの石段では、高石垣を間近で感じられたり、日本の城では珍しい石垣の曲線美も楽しめるため、できる限りご自身で登城されることをおすすめしますが、やむを得ない事情がある場合、登城バスを利用して無理なく岡城を楽しんでください。

難攻不落の城、名曲の舞台。断崖の上に広がる天空の城

断崖に築かれた石垣と通路を下から望む景色

断崖絶壁に築かれた難攻不落の城。

日本の名曲「荒城の月」の舞台となった名曲の原風景。

春には桜が咲き誇り「日本さくら名所100選」に選ばれた景色が広がり、秋には紅葉が石垣を彩ります。

青石垣の門跡を包む鮮やかな紅葉のトンネル

そして、石垣の上からくじゅう連山を望む眺めは、まさに天空の城を歩く感覚。

800年の歴史を刻んだ石垣が、今日も静かに旅人を迎えています。断崖に佇む天空の城、岡城へ、ぜひ足を運んでみてください。

空と新緑に映える大手門手前の石段


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