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新発田城~桜、紅葉、海鼠壁。美しすぎる新潟の宝石。時が止まった戦国自衛隊の世界へ。

新発田城~桜、紅葉、海鼠壁。美しすぎる新潟の宝石。時が止まった戦国自衛隊の世界へ。

新発田城

新発田城

新発田城(しばたじょう)は、新潟県新発田市にある城です。1598年(慶長3年)に初代新発田藩主の溝口秀勝によって築城されました。

城の北部を流れる加治川を外堀に利用した平城で、本丸を中心に北の古丸と南の二の丸で囲い、その南側に三の丸を配する構造でした。

新発田城は、戦闘や防御といった事よりも、地域経済の発展に重きを置き平地に造られたと言われています。江戸時代には新発田藩の藩庁が置かれていました。

築城年
1598年
築城主
溝口秀勝
別名
菖蒲城
舟形城
文化財等指定
天守閣
存在するが入場不可
料金
無料
開門時間
4月~10月: 9:00 ~ 17:00
11月: 9:00 ~ 16:30
閉鎖期間
冬季閉鎖: 12月~3月
最寄り駅
JR白新線・羽越本線 新発田駅(徒歩約 25 分)
新発田駅にはタクシー乗り場があるため、駅からタクシー移動も可能(距離: 約 2.9 km, 所要時間: 約 8 分, 料金目安: 1,200 円前後)
駐車場
無料駐車場があります
(記事の最後に無料駐車場について案内しています)
所在地
〒957-0052 新潟県新発田市大手町 6-4-80

理にかなった美しき海鼠壁

新発田城の最も特徴的な点は、櫓と表門に施された海鼠壁(なまこかべ)です。

海鼠壁

海鼠壁とは、平瓦を張り合わせて、その隙間を漆喰で蒲鉾型(かまぼこがた)に固める工法のことです。目地の盛り上がった形が海鼠に似ていることから、その名が付けられました。一般的には土蔵などに用いられており、日本伝統の壁塗りの様式の一つです。また、城の装飾としては、主に北陸地方の城で採用されています。

隅櫓

新発田城の表門と櫓に施されている海鼠壁の、白と黒のコントラストは非常に美しいです。平瓦の正方形の形と、漆喰の蒲鉾型の形が組み合わさることで、まるで幾何学模様のような美しい風情を醸し出します。

表門

城の門や櫓に海鼠壁を採用しているのは、銃弾の貫通を防ぐためでもあります。一方で、防水性や耐火性に優れているという特徴もあります。風雨や火災に強いという点で、装飾としての美しさを演出しながらも機能面も担保した、非常に合理的かつ秀逸な工法です。

海鼠壁

新発田城の表門や櫓に施された海鼠壁は、壁全体ではなく、およそ人の背丈くらいの高さに留まっていることから、特に新潟県が位置する北陸地方では積雪も多いため、海鼠壁を採用することで耐水性を強化したと考えられます。

新発田城以外で海鼠壁が施されている城を見てみても、石川県金沢市の金沢城、長野県松本市の松本城、そして、北海道函館市の五稜郭と、積雪の多い地域で見られます。

新発田城の海鼠壁は、特に美しいことで知られており、旧二の丸隅櫓は国の登録有形文化財に指定されています。

新発田城を訪問した際は、必ずチェックしてください。一番のオススメポイントです。

春は華やぎ、夏は力強く、秋は静寂。

新発田城は、12 月 から 3 月は城内へ入ることができません。積雪と除雪の関係で安全面を考慮し冬季閉鎖となります。

冬季以外の訪問可能期間では、春、夏、秋と、全ての季節で違う表情があり、どの季節に行っても新発田城の美しさを堪能できます。

春は、桜と新発田城の白壁とのコントラストが美しく、温かな気候も手伝って華やいだ雰囲気を楽しめます。桜の見頃は 4 月上旬~ 4 月中旬です。

桜と新発田城

夏は、新緑が力強く、青々とした木々の緑と空、そして新発田城の白壁のコントラストが美しいです。

夏の新発田城

秋は、紅葉です。紅葉の彩りと新発田城が作り出す静寂の雰囲気は、その場にいるだけで心が洗われるようです。

紅葉と新発田城

戦国自衛隊の世界観

新発田城は現在、その敷地を陸上自衛隊 新発田駐屯地と共有しています。そのため、櫓からは新発田駐屯地を眺めることができます。

自衛隊駐屯地

このように、城と自衛隊駐屯地が同時に眺められるという、非常に珍しい風景を目にすることができます。

自衛隊駐屯地

日本には、戦国自衛隊という有名な SF 小説があります。自衛隊が演習中に戦国時代にタイムスリップしてしまい、近代兵器と共に戦国時代を生き抜くストーリーです。

ここ新発田城は、そんな戦国自衛隊の世界観が垣間見える場所としても有名です。

自衛隊駐屯地

表門

表門は、本丸の南側に位置する櫓門です。国の重要文化財に指定されています。

表門

表門は、新発田城の玄関口であり、正門として城主や重要な来客を迎え入れてきました。その堂々とした姿勢で訪れる者を迎える、歴史と格式が漂う美しい門です。

表門

冒頭でも紹介した海鼠壁が施されており、白と黒の石を組み合わせた模様は、まるで幾何学模様のような美しさです。

表門

表門は 1732 年に再建されて以降、現存しているものです。歴史を歩み続けているからこそ見られる木材の風合は重厚感があり、非常に美しいです。木の質感や彫り物など、ディテールにまでこだわりが感じられ、時代を超えた美しさが存分に表現されています。

表門

表門

表門は 2 階建てとなっており、中に入ることができます。

表門

表門の 2 階では、三階櫓と辰巳櫓の復元に関する資料が展示されています。

表門内部

表門

表門はまさに城への玄関口として、訪れる者に歴史や物語を感じさせます。新発田城へ到着したら、まず表門をくぐり、気持ちを江戸時代へタイムスリップさせてください。

表門を通過すると、新発田藩初代藩主である溝口秀勝の像が迎えてくれます。

溝口秀勝像

旧二ノ丸隅櫓

旧二ノ丸隅櫓は、二の丸の南西隅に位置する二重二階櫓です。1598 年(慶長3年)に築城された当時の姿を残しており、国の重要文化財に指定されています。

旧二ノ丸隅櫓

胴回りには、海鼠壁を見ることができます。海鼠壁は、石を正確に組み合わせて積む必要があるため、非常に難易度の高い工事であったといわれています。

海鼠壁

隅櫓の内部にも入ることができます。建ててから 400 年以上経過しているとは思えないほど内部は堅牢であり、当時の雰囲気を感じることができます。

旧二ノ丸隅櫓内部

旧二ノ丸隅櫓内部では、資料展示は最小限となっていますが、代わりに 400 年という歴史を感じることができるはずです。

旧二ノ丸隅櫓内部

旧二ノ丸隅櫓内部

旧二ノ丸隅櫓内部

旧二ノ丸隅櫓内部

辰巳櫓

辰巳櫓は、本丸の南東隅に位置する二重櫓です。2004 年(平成16年)に復元されたもので、国の重要文化財に指定されています。

辰巳櫓

辰巳櫓は、木造・本瓦葺き・漆喰による伝統工法により史実に復元されており、現代建築技術の高さと共に、内部の美しさも含め、400 年以上生き続ける旧二ノ丸隅櫓とのギャップを楽しめます。

辰巳櫓内部

内部には様々な資料展示があり、新発田城の当時の様子を知ることが出来ます。

辰巳櫓内部

三階櫓

三階櫓は、本丸の中央に位置する櫓です。2004年(平成16年)に復元されたもので、国の重要文化財に指定されています。

三階櫓

三階櫓は「櫓」と銘打っているものの、新発田城の実施的な天守閣であったとされています。

しかし、三階櫓は自衛隊駐屯地の敷地内にあるため、一般には足を踏み入れることができません。

三階櫓

三階櫓を近くで見たい場合は、新発田城址公園駐車場から延びる遊歩道を進むと最も三階櫓に近づけます。

無料駐車場

新発田城へ車で行く場合は、「新発田城址公園駐車場」または「アイネス新発田駐車場」に無料で駐車可能です。

先程紹介した三階櫓を近くで見たい場合は、新発田城址公園駐車場に駐車すると、見学の効率が良くオススメです。

新発田城址公園駐車場
〒957-0052 新潟県新発田市大手町 3-2-19

アイネス新発田駐車場
〒957-0052 新潟県新発田市大手町4-5

なお、表門の東側にも小さな駐車場のようなスペースがありますが、そこは「新潟県思いやり駐車場」という、体の不自由な訪問者専用の駐車場になるため、駐車しないでください。

400 年。時を超えた歴史の証人。

新発田城、その堂々たる姿勢はまさに時を超えた歴史の証人。その美しさは、訪れた者を心から魅了します。

城の石垣は、穏やかな風雨に耐え、時の流れとともに歴史の深みを増しています。太陽の光が優雅に差し込み、影と光が城壁を彩る様は、まるで昔の物語がそのまま石に刻まれたかのようです。

新発田城

城内は季節ごとに美しい花々が咲き誇り、訪れる人々に四季折々の彩りを贈ります。桜の花が舞い散る春、青葉が風に揺れる夏、紅葉が城を彩る秋、そして雪に覆われた冬。その美しい風景は、まさに心に残る瞬間となることでしょう。

新発田城

城内の櫓や門は、緻密な細工と伝統的な和の美を感じさせます。歴史の中で培われた職人の技が、今もなおその美しさを輝かせています。城の中に足を踏み入れると、まるで時空を超えて当時の物語が見えてくるかのようです。

新発田城

新発田城は、ただの建造物ではなく、日本の歴史と文化が息づく場所。その情緒的な雰囲気は、訪れる者の心を引き込み、新潟の地に刻まれた重要な歴史の一部として誇り高く立ち続けています。

新発田城