週末はじめました。

日常ではない何者かになりたいわたしの旅の記録

大分の絶景スポット「岡城」観光ガイド|断崖絶壁×荒城の月。難攻不落の天空の城を徹底紹介

大分の絶景スポット「岡城」観光ガイド|断崖絶壁×荒城の月。難攻不落の天空の城を徹底紹介

難攻不落にして名曲の舞台。岡城の魅力を徹底紹介

柵のない石垣の先は、断崖絶壁。その足がすくむような場所から、くじゅう連山の大パノラマが広がる。そんな城が、大分県竹田市にあります。

島津の大軍を退けた「難攻不落」の城であり、瀧廉太郎が「荒城の月」の着想を得た舞台でもある岡城。この記事では、その見どころを紹介していきます。

岡城

山肌の尾根に広がる岡城跡と石垣を空撮した全景

岡城は、大分県竹田市にある、標高325mの岩山に築かれた山城です。「難攻不落」と称された堅固な縄張りで知られ、国指定史跡や日本100名城にも選定されています。また、城の形が牛の寝姿に似ていることから、「臥牛城(がぎゅうじょう)」の別名を持っています。

岡城 基本情報
項目 内容
名称 岡城跡(おかじょうあと)
入城時間 9:00〜17:00
休城日 12月31日〜1月3日
入城料 高校生以上¥300、小中学生¥150(団体割引あり)
所在地 大分県竹田市大字竹田2889
アクセス JR豊後竹田駅からタクシーで約5分
駐車場 無料(普通車140台、バス9台)
100名城スタンプ 岡城料金所に設置
喫煙所 駐車場に喫煙所有り
公式サイト https://okajou.jp/

地上325m、柵一切無し!断崖絶壁から望む大パノラマ

岡城の一番の見どころは、遮るものが一切ない絶景と、石垣との景観です。

柵のない石垣の先に断崖と樹海が広がる岡城の眺望

多くの城では、安全のために柵や手すりが設けられていますが、岡城にはそれがありません。石垣と空と山並みが一体となったダイナミックな景観を体感できるのが、岡城の魅力です。

石垣の縁から見渡すくじゅう連山と深い谷の大パノラマ

眼下には緑の樹海が広がり、その先に山並みが幾重にも連なります。本丸からはくじゅう連山、西の丸からは阿蘇山を望むことができます。空が大きく開け、山城ならではの開放感を楽しめます。

足元に目をやれば、石垣のすぐ先は断崖。開放感の分、スリルも満点ですが、滑落しないように注意しましょう。

石垣の角から見下ろす渓谷と川沿いの道路

見どころ満載!遊歩道で巡る岡城の遺構たち

岡城には遊歩道が整備されており、順路に沿って遺構を見てまわれます。

出典元: 場内マップ - 岡城公式サイト 岡城跡の場内マップ全体図と各曲輪の位置

大手門までの石段では、巨大な石垣とその曲線美を間近に見ることができます。

大手門へ続く石段と高い石垣を間近に見る登城路

曲線を描く石垣沿いの登城路と枯れ木の枝

大手門跡は岡城の正面玄関。石垣に残る3カ所の凹みは、かつて横木を通していた跡で、他の城では見られない珍しい構造です。

大手門跡の両側に残る巨大な石垣と門跡広場

三の丸では、高石垣と大パノラマの絶景が見どころです。

三の丸の高石垣と断崖沿いの通路

二の丸には、休憩所が設けられており、一息つくことができます。

二の丸休憩所の案内看板と広場の建物

また、休憩所にはピアノ(廃校になった宮城台小学校のもの)が設置されており、誰でも自由に弾くことができます。休憩所の外には瀧廉太郎像がありますので、瀧先生にも届くかもしれません。

本丸は岡城の最高地点。くじゅう連山を一望できる絶景ポイントです。

本丸の広場から見渡す山並みと大木の木陰

本丸には天満神社もあります。この神社は1594年(文禄3年)に中川秀成が岡城に入城した際、城内東側にあった天神祠(ほこら)を移転建立したもので、歴代藩主が守り神として崇拝してきた神社です。祭神は学問、農業、財産を守る菅原道真公です。

本丸に建つ天満神社の鳥居と社殿

他にも、西の丸跡や屋敷、櫓、門の跡など、多くの遺構があります。

「荒城の月」の原風景。瀧廉太郎が少年時代を過ごした城

二の丸には、彫刻家・朝倉文夫が制作した瀧廉太郎像がありますが、名曲「荒城の月」を作曲した瀧廉太郎は、少年時代をここ竹田で過ごしました。

瀧廉太郎像が山並みを背に座る岡城の展望

1891年(明治24年)、父が直入郡長となったことをきっかけに、12歳の廉太郎は一家とともに竹田へ転居します。通っていた学校の裏にあった岡城跡は、格好の遊び場でした。石垣に座って尺八を吹いたこともあったといいます。

1901年(明治34年)、廉太郎は中学校唱歌として「荒城の月」を発表。荒れ果てた岡城で遊んだ少年時代の記憶が、この名曲の着想源となりました。

くじゅう連山を背に、遠くを見つめる廉太郎の姿は、岡城を象徴する光景のひとつです。

なお、岡城の麓を走る国道502号には「メロディ舗装」が施されており、車で通過すると「荒城の月」のメロディが流れます。

標高325m、断崖の要塞。島津の大軍を退けた「難攻不落」の城

岡城はその地形から、難攻不落の城とされています。

標高325mの岩山に築かれた岡城は、三方を断崖絶壁に囲まれた天然の要害です。阿蘇山の火砕流が形成した台地の上に位置し、攻め手にとっては容易に近づくことすらできない堅城でした。

山中の遊歩道から見上げる岡城の石垣群

その堅固さが証明されたのが、1586年(天正14年)の「豊薩合戦」です。九州統一を目指す島津氏の大軍が岡城に押し寄せましたが、当時わずか18歳だった城主・志賀親次がこれを撃退。この戦いにより、岡城は「難攻不落の城」として全国にその名を轟かせました。

天然の地形と巧みな築城技術が生んだ防御力。それが岡城の真髄です。

新緑に囲まれた岡城の高石垣と曲輪

築城から廃城まで。岡城800年の歴史

紅葉に彩られた石垣と門跡の通路

岡城の歴史は、源平合戦の時代にまでさかのぼります。1185年(文治元年)、緒方三郎惟栄が源義経を迎え入れるために築城したと伝わっています。

その後、1334年(建武元年)に志賀貞朝がこの城を拡張し、「岡城」と名付けました。志賀氏の時代には、先述の豊薩合戦で島津氏を退け、難攻不落の名声を得ています。

1594年(文禄3年)、豊臣秀吉の命により中川秀成が入封。秀成は3年をかけて大規模な改修を行い、石垣造りの近世城郭へと姿を変えました。現在残る石垣群の多くは、この中川氏時代に築かれたものです。

中川氏は初代・秀成から14代にわたって岡藩7万石を治めましたが、1771年(明和8年)の大火で本丸・西の丸など城の大部分が焼失。その後再建されることなく、1874年(明治7年)の廃城令により全ての建造物が取り壊されました。

1936年(昭和11年)、国の史跡に指定され、現在に至ります。

岡城の歴史年表
緒方三郎惟栄が源義経を迎えるため築城(伝承)
志賀貞朝が城を拡張し「岡城」と命名
志賀親次が島津氏の大軍を撃退、「難攻不落」の名声を得る
中川秀成が入封、石垣造りの近世城郭に大改修
西の丸御殿が完成、城の中心となる
大火により本丸・西の丸など大部分が焼失
廃城令により全ての建造物が取り壊される
国の史跡に指定

岡城への行き方

車でアクセスする場合、大分自動車道・大分ICから国道442号・57号経由で約1時間、中九州横断道路・竹田ICからは約17分です。岡城料金所前に無料駐車場(普通車140台)が完備されています。

公共交通機関を利用する場合は、JR豊肥本線「豊後竹田駅」からタクシーで約5分です。駅から岡城までは急な坂道が続くため、徒歩でのアクセスはおすすめしません。

苔むした登城道と史跡岡城跡の石碑

大分市からは、JR豊肥本線で豊後竹田駅まで約1時間。熊本市からは、JR豊肥本線のほか、高速バスでもアクセスできます。

高齢者、車いすでも安心!登城バスが便利

豊後竹田駅の駅舎と背後にそびえる断崖

岡城は、入場口である料金所から大手門までの道のりで石段を上っていくため、車いすで石段を上がるのは困難、また、ご高齢者など足腰に不安がある方では登城が難しい場合があります。

しかし心配は不要です。岡城では、料金所のある駐車場から、岡城跡の中心まで、登城バスを運行しており、石垣を上ることなく岡城跡でアクセスできます。

ワンボックスカー程度の大きさで、定員は 9 名、車いすにも対応しています。10:00から40分おきに運行しており、利用もしやすいです。

運行は主に土日祝日や繁忙期となっています。最新の運行スケジュールは公式サイトをご確認ください。

[2025.9.29] 登城バスの運行(10~12月)について

大手門までの石段では、高石垣を間近で感じられたり、日本の城では珍しい石垣の曲線美も楽しめるため、できる限りご自身で登城されることをおすすめしますが、やむを得ない事情がある場合、登城バスを利用して無理なく岡城を楽しんでください。

難攻不落の城、名曲の舞台。断崖の上に広がる天空の城

断崖に築かれた石垣と通路を下から望む景色

断崖絶壁に築かれた難攻不落の城。

日本の名曲「荒城の月」の舞台となった名曲の原風景。

春には桜が咲き誇り「日本さくら名所100選」に選ばれた景色が広がり、秋には紅葉が石垣を彩ります。

青石垣の門跡を包む鮮やかな紅葉のトンネル

そして、石垣の上からくじゅう連山を望む眺めは、まさに天空の城を歩く感覚。

800年の歴史を刻んだ石垣が、今日も静かに旅人を迎えています。断崖に佇む天空の城、岡城へ、ぜひ足を運んでみてください。

空と新緑に映える大手門手前の石段


あわせて読みたい:

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

飫肥城見どころ観光ガイド|幻想的な苔の絨毯と飫肥杉に包まれた宮崎の名城

飫肥城見どころ観光ガイド|幻想的な苔の絨毯と飫肥杉に包まれた宮崎の名城

100年の争奪戦を勝ち抜いた城。飫肥城の見どころを徹底紹介

ひとつの城をめぐって、二つの大名家が約100年も争い続けた。そんな歴史を持つ城が、宮崎県日南市にあります。

飫肥杉で復元された大手門、敵を翻弄する巨大な枡形虎口、樹齢140年の杉が林立する「癒しの森」。城郭としての魅力と、心を落ち着かせる自然が共存するこの城の見どころを紹介していきます。

飫肥城

飫肥城の石碑と正門前の風景

飫肥城(おびじょう)は、宮崎県日南市にある城跡です。1588年(天正16年)から明治維新まで約280年間、伊東氏5万1千石の居城として栄えました。日本100名城にも選定されており、「九州の小京都」と呼ばれる城下町とともに多くの観光客が訪れます。

飫肥城 基本情報
項目 内容
名称 飫肥城(おびじょう)
所在地 〒889-2535 宮崎県日南市飫肥 10-1
営業時間 9:30〜16:30
定休日 飫肥城由緒施設:12月29日・30日・31日
入場料 城跡見学は無料。歴史資料館などは共通券(大人800円)で複数施設入場可
公式サイト https://obijyo.com/

大手門:飫肥杉で蘇った城の正門

飫肥杉を使って復元された大手門の正面全景

飫肥城の正門である大手門は、1978年(昭和53年)に復元されました。明治時代に取り壊された城の建物を、地元産の飫肥杉を使って蘇らせたものです。

高さ約12m、幅約7mの堂々たる櫓門で、樹齢約100年の飫肥杉が4本使われています。釘を一切使わない伝統的な「組式」工法で建てられ、屋根には平瓦と丸瓦を交互に並べる「本瓦葺き」が採用されています。

大手門の内部天井を支える太い飫肥杉の梁

大手門は、時間経過と共に風合いを増す飫肥杉の太い柱と、それを活かす伝統工法が創り出す、重厚な雰囲気が魅力です。飫肥城を訪れたら、まずこの大手門で城の風格を感じてみてください。

飫肥杉の柱と土塀に挟まれた大手門通路の様子

枡形虎口:敵を翻弄する巨大な防御空間

大手門をくぐると、広い四角形の空間が現れます。「枡形虎口」(ますがたこぐち)と呼ばれる、飫肥城が誇る防御構造です。 枡形虎口を示す高い土塀が囲む広い空間

飫肥城の枡形虎口は、四方を鉄砲狭間付きの土塀で囲まれた巨大な空間になっています。敵がこの空間に入ると、三方の城壁から一斉に攻撃を浴びせることができました。

さらに、飫肥城では直角の方向転換だけでなく、180度の折り返しを強いる箇所もあります。敵は完全に足を止めなければ先に進めず、その間も守備兵の攻撃にさらされ続けることになります。

枡形虎口内部から見た土塀と弓形の通路の奥行き

枡形虎口の仕組みや飫肥城での構造については、以下の記事で詳しく紹介しています。

▼▼▼ 枡形虎口について詳しく見る ▼▼▼

www.ritocamp.com

旧本丸跡「癒しの森」:樹齢140年の杉と苔が織りなす静寂

杉林と苔が広がる旧本丸跡の静かな森

旧本丸跡は、かつて藩主の御殿があった場所です。現在は建物はなく、樹齢140年を超える飫肥杉が天に向かってまっすぐに伸び、地面は深い緑の苔で覆われています。

杉の木立の間から差し込む木漏れ日と、足元に広がる苔の絨毯。城の中心部でありながら、静けさに包まれたこの空間は「癒しの森」と呼ばれ、飫肥城でも人気のスポットになっています。

ひとたび旧本丸跡に立ち瞳を閉じると、静けさの中から微かに聞こえてくる木々たちのささやき声。

マイナスイオン全開のこの森は、飫肥城最大の見どころです。

木漏れ日が差し込む杉の木立が並ぶ旧本丸跡の風景

2004年(平成16年)放送のNHK連続テレビ小説『わかば』では、この旧本丸跡と北門がたびたび登場しました。

しあわせ杉:4本の杉が生むパワースポット

飫肥城の一角には、相合わさって並ぶ4本の杉があります。「4本が合わさる」ことから「しあわせ杉」と呼ばれるようになりました。

4本の杉が並ぶ中心への石が置かれたしあわせ杉の場所

4本の杉を結ぶ対角線の中心には目印の石が置かれており、この場所に立つと幸せのパワーをもらえるといわれています。飫肥城を訪れたら、ぜひ中央に立って記念撮影をしてみてください。

杉木立と土塀が並ぶ静かなしあわせ杉周辺の風景

松尾の丸:江戸時代の御殿建築を体感する

松尾の丸は、1979年(昭和54年)に復元された書院造りの建物です。江戸時代初期の上級武士の屋敷を参考に再現されました。建材には飫肥の百年杉がふんだんに使われています。

松尾の丸の外観と書院造りの建物風景

建物内には御座の間、茶室、御寝所、湯殿、台所、御蔵などがあり、当時の暮らしぶりを垣間見ることができます。

甲冑が展示された松尾の丸内部の見学スペース

畳の間に飾られた雛人形と昔の暮らしを感じる茶室の風景

松尾の丸には、「湯殿」と呼ばれる、昔の蒸し風呂が展示されており必見ポイントです。京都・西本願寺にある国宝「飛雲閣」の浴室を模した造りで、大変珍しいものとなっています。

松尾の丸に復元された昔の蒸し風呂湯殿の展示

飫肥城歴史資料館:戦国から続く伊東家の歴史を知る

飫肥城歴史資料館の白い外観と正面入口の様子

飫肥城歴史資料館は、2022年(令和4年)3月にリニューアルオープンした施設です。飫肥藩ゆかりの歴史資料約220点が展示されています。

館内には、初代藩主・伊東祐兵や家臣の甲冑、名刀工・井上真改らの刀剣、武具、古文書、衣服などが並びます。プロジェクションマッピングやCG映像で飫肥城と飫肥藩の成り立ちを紹介するコーナーもあるほか、実際に日本刀や火縄銃を手にできるコーナーなどもあり、歴史に詳しくなくても楽しめる内容になっています。

歴史資料館内部に展示された甲冑と説明パネル

武士の甲冑がガラスケース越しに展示された資料館内部の展示

刀剣が並ぶ戦国時代の展示コーナー

松尾の丸や飫肥城歴史資料館内部の様子は、以下で詳しく紹介しています。

www.ritocamp.com

飫肥城の歴史:100年争奪戦と伊東家280年の治世

飫肥城は、南北朝時代(14世紀ごろ)に土持氏によって築かれました。その後、伊東氏と島津氏の間で約100年にわたる争奪戦が繰り広げられます。

当時の飫肥は、油津と外浦という二つの港を持ち、明や琉球との貿易拠点として重要な地でした。さらに良質な飫肥杉の産地でもあり、両家にとって手放せない土地でした。

1587年(天正15年)、豊臣秀吉の九州平定によって争奪戦に終止符が打たれます。翌年、秀吉に仕えていた伊東祐兵が飫肥城主となり、以後約280年間、14代にわたって伊東家がこの地を治めました。

江戸時代には3度の大地震に見舞われ、城は大規模な改修を余儀なくされます。このとき石垣が築かれ、飫肥城は中世の群郭式と近世城郭の両方の特徴を持つ城へと生まれ変わりました。

明治維新後、城の建物はすべて取り壊されましたが、昭和に入り大手門や松尾の丸が復元され、現在の姿となっています。

飫肥城跡に残る石垣と門跡の景色

飫肥城の歴史・沿革
土持氏により築城
伊東氏と島津氏の争奪戦が始まる
豊臣秀吉の九州平定
伊東祐兵が初代飫肥藩主となる
3度の大地震により城を大改修
廃藩置県
城の建物をすべて取り壊し
大手門を復元
松尾の丸を復元

飫肥城への行き方

車の場合、東九州自動車道 日南東郷ICより約10分、宮崎空港からは約40〜60分です。飫肥城のすぐ近くに「飫肥城観光駐車場」があり、無料で駐車できます。

飫肥城観光駐車場の広い駐車スペースと停車している車

電車の場合、JR日南線 飫肥駅より徒歩約20分です。

飫肥駅にはレンタサイクル(500円/日、6:15~18:15)があり、それを利用すれば飫肥城までは約 7 分と移動時間を短縮できます。

城郭の防御構造と飫肥杉に守られた、癒やしのパワースポット

飫肥杉に囲まれた大手門と城の入口風景

伊東氏と島津氏が100年にわたって奪い合い、その後280年間伊東家が守り続けた飫肥城。明治に建物は失われましたが、石垣や堀は当時のまま残り、大手門や松尾の丸は地元の飫肥杉を使って蘇りました。

飫肥城の苔むした土塀と杉林が並ぶ静かな通路

枡形虎口に残る防御の知恵、旧本丸跡に広がる杉と苔の静けさ、歴史資料館で出会う藩主ゆかりの品々。飫肥城には、城郭の魅力と癒しの自然が共存しています。

「九州の小京都」と呼ばれる城下町とあわせて、ゆっくりと散策してみてください。

石段の先に杉の林が広がる飫肥城の落ち着いた風景


あわせて読みたい:

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

鹿児島城跡(鶴丸城)観光ガイド|御城印・アクセス方法から御楼門・黎明館・西南戦争の史跡まで見どころ徹底紹介

鹿児島城跡(鶴丸城)観光ガイド|御城印・アクセス方法から御楼門・黎明館・西南戦争の史跡まで見どころ徹底紹介

戦火をくぐり抜けた薩摩の名城「鹿児島城」の見どころを徹底紹介

鹿児島市街地に、かつて薩摩藩の歩みを見つめ続けた「鹿児島城」があります。

関ヶ原の戦い後に築かれ、明治維新を経て西南戦争の舞台にもなったこの城は、400年の歴史を経た今も薩摩の歴史を伝える象徴として多くの人が訪れています。

本記事では、西南戦争の痕跡や、薩摩藩の精神を反映した独自の城づくりなど、鹿児島城が歩んできた歴史と見どころをわかりやすく紹介します。

鹿児島城跡

復元された御楼門を正面から望む鹿児島城跡の全景

鹿児島城跡は、鹿児島市の中心部にある島津家の居城跡です。鶴丸城とも呼ばれ、江戸時代から薩摩藩の政治と文化の拠点として栄えました。現在は復元された御楼門や石垣、西南戦争の史跡が残り、黎明館などを通して薩摩の歴史を体感できる名所として人気を集めています。

鹿児島城跡 基本情報
項目 内容
名称 鹿児島城跡(鶴丸城)
所在地 鹿児島県鹿児島市城山町7-2
営業時間 散策自由(黎明館 9:00〜18:00、月曜休館)
入場料 無料(黎明館は有料)
アクセス JR鹿児島中央駅から市電「市役所前駅」下車、徒歩約5分
駐車場 黎明館に無料駐車場あり
公式サイト 鹿児島(鶴丸)城跡 - 鹿児島県公式サイト

御楼門|140年ぶりに蘇った鶴丸城の正門

石垣の上に建つ雄大な御楼門を近くで見上げた様子

鹿児島城跡の正面にそびえる御楼門(ごろうもん)は、かつて藩主が登城する際に通った本丸御殿の正門です。1873年の火災で焼失しましたが、2020年に伝統的木造建築として約140年ぶりに復元されました。

屋根には日本最大級の青銅製の鯱が設置されている他、高さ・幅ともに約20mあり、日本最大の城門です。

御楼門の前に広がる緑と花が彩る城跡の風景

西南戦争の痕跡|弾痕が語る明治維新の終焉

鹿児島城跡の石垣には、1877年の西南戦争での激しい攻防戦を物語る弾痕が今も残っています。

西南戦争の銃痕が残る石垣と説明板のある史跡

西郷隆盛を中心とした薩軍と新政府軍との戦いの最終局面が、この城山周辺で繰り広げられました。御楼門を抜けてすぐの石垣には銃弾や砲撃の跡が点在し、当時の緊迫した情景を静かに伝えています。

無数の弾痕が刻まれた鹿児島城跡の石垣の近景

西南戦争の砲撃跡が残る石垣の表面を接写した様子

近代日本の夜明けとともに終焉を迎えたこの戦いの記憶は、訪れる人々に歴史の重みを感じさせる貴重な史跡です。

石垣と堀|往時の姿を残す鶴丸城の防御構造

石垣と堀が連なる鶴丸城跡の静かな通路風景

鹿児島城跡には、江戸時代に築かれた石垣と堀が今も良好な状態で残っています。鹿児島城の石垣の多くは、石材を方形に加工整形して積む「切込み接ぎ」という方法で積まれています。石材の表面をよく観察すると、石ノミで丁寧に整形した跡を見ることができます。

また、鬼が出入りする(=災いが入る)北東の方位は「鬼門」とされ、それを防ぐために石垣の一部には「隅欠(すみおとし)」と呼ばれる角を削った形状が見られます。

堀に映る石垣と水面の緑が調和する城跡の一角

堀には春から初夏にかけて一面に蓮の花が咲き、歴史の重厚さに彩りを添えます。往時の姿をとどめる静かな空間として、四季折々の風景が訪れる人々を魅了しています。

堀に咲く蓮と石垣越しに御楼門を望む夏の鹿児島城跡

黎明館|薩摩の歴史と文化を学ぶミュージアム

黎明館の外観と石碑を正面から望む鹿児島城跡本丸跡の風景

鹿児島城本丸跡に建つ黎明館(れいめいかん)は、鹿児島県の歴史と文化を体系的に学べる総合博物館です。館内では、旧石器時代から近現代までの資料や、島津家ゆかりの工芸品・武具・書画などを展示。薩摩藩の政治や産業、そして明治維新へとつながる歩みを紹介しています。特別展や企画展も定期的に開催され、訪れるたびに新しい発見があります。

併設のカフェやレストランでは、城跡を眺めながらゆったりと休憩でき、観覧後のひとときにも最適です。両者とも内装含めすべてのデザイン性が高く、居心地がとても良いため、特におすすめです。

カフェ:CHIN JUKAN POTTERY

レストラン:城山シーズニング

黎明館 基本情報
項目 内容
営業時間 9:00〜18:00(最終入館 17:30)
休館日 月曜日(祝日の場合は翌日)
毎月25日(土日の場合は開館)
12月31日~1月2日
入場料 一般 430円
高校生・大学生 270円
小学生・中学生 160円
小学生未満 無料
公式サイト https://www.pref.kagoshima.jp/reimeikan/

桶の間二つ家と御池|薩摩の民家建築と庭園の名残

黎明館の裏手には、薩摩の暮らしや美意識を伝える「桶の間二つ家(てのまふたつえ)」と「御池(おいけ)」が静かに佇んでいます。

緑に囲まれた茅葺き屋根の桶の間二つ家外観

桶の間二つ家は、天保年間(1830〜1840年)に建てられた旧海老ヶ迫家(えびがさこけ)住宅を移築したもので、南北棟と東西棟が「桶の間」と呼ばれる土間でつながる独特の構造をしています。川内川(せんだいがわ)流域に多く見られる典型的な薩摩の民家形式で、当時の生活様式を今に伝えています。

桶の間二つ家の内部を見上げた梁と天井の構造

桶の間二つ家の室内に広がる畳敷きの生活空間

そのそばの御池は、第18代藩主・島津家久によって築かれた庭園を昭和期に復元したものです。滝石や「大悲水」と刻まれた石を伝って水が流れ、深い沢を意味する「九皐橋(きゅうこうばし)」がかけられています。穏やかな水面と石組みが調和する空間は、城跡散策の締めくくりにふさわしい静けさに包まれています。

御池の水面と九皐橋が調和する静かな庭園風景

黎明館の裏手にひっそりと佇むこれらの史跡は、現地では大々的に案内されていないため見逃されがちですが、当時を伝える貴重な文化遺構としてぜひ立ち寄りたいスポットです。

御楼門と石垣のライトアップ|光に浮かぶ鶴丸城の幻想的な夜

夜の鹿児島城跡では、御楼門と石垣が日没から22:00までライトアップされ、夜の城跡を幻想的に照らし出します。

夜にライトアップされた御楼門と石垣の幻想的な光景

ライトアップ中の1時間には約10分間、色の変化やフラッシュを用いた演出も行われ、季節やイベントに応じたカラー照明が楽しめます。

鹿児島城跡(御楼門,石垣)のライトアップについて - 鹿児島県公式サイト

鹿児島城の歴史|薩摩の歩みを見つめてきた城

鹿児島城跡の歴史年表展示資料を写した図版

鹿児島城は、1601年に島津家第18代当主・島津家久(忠恒)が築いた薩摩藩の本城です。関ヶ原の戦いで西軍に属して敗れたのち、藩領防衛を意識して城山を背にした構えを採用しました。以後、約270年にわたり薩摩藩の政治・軍事の中心として機能し、藩校「造士館」や「演武館」など教育・文化の拠点もこの地に整えられていきます。

幕末になると島津斉彬や島津久光のもとで改革が進み、西郷隆盛・大久保利通らが活躍して近代国家への歩みを後押ししました。明治6年(1873年)の火災で本丸と御楼門が焼失し、明治10年(1877年)の西南戦争では二之丸一帯が戦火に巻き込まれます。明治以降は学校や県の施設として利用され、1983年には本丸跡に黎明館が開館、2020年には御楼門が木造で復元されました。

鹿児島城の歴史年表
島津家久(忠恒)が築城を開始。城山を背にした平山城として整備を進める。
本丸御殿や大手口が整い、藩の政庁としての体制がほぼ完成する。
造士館・演武館などを整備し、政治・教育・文化の中心として発展。
明治維新で薩摩出身者が中央で活躍し、城下は近代化の拠点となる。
廃藩置県により薩摩藩が廃止され、城内には鎮西鎮台第二分営など軍の施設が置かれる。
火災により本丸御殿と御楼門が焼失。
西南戦争で二之丸などが戦火に遭う。
「鹿児島城跡」として国の史跡に指定。
本丸跡に鹿児島県歴史資料センター「黎明館」が開館。
御楼門が木造で復元され、日本最大級の城門としてよみがえる。
城山などを含む範囲拡大が行われ、「鹿児島城跡」として国史跡名称が整理される。

天守閣を持たない屋形づくり|薩摩が貫いた「人こそ城」の信念

鹿児島城には、築城当初から天守閣が存在しません。これが鹿児島城の最大の特徴であり、本丸や二之丸、下屋敷が横に連なる「屋形づくり」と呼ばれる構造になっていました。

天守を持たない屋形づくりの鹿児島城を描いた古地図の資料

この独特の築城様式は、「城をもって守りと成さず、人をもって城と成す」という薩摩藩の理念を体現したもの。堅固な石垣や高層の天守ではなく、藩士一人ひとりの忠義と結束こそが国を守る力であると考えられていました。

そのため、城の防衛は藩全域に設けられた「外城(とじょう)」と呼ばれる郷土防衛組織によって支えられていました。これにより、城下だけでなく領内全体が一体となって薩摩の国を守る体制が築かれていました。

城下町には武家屋敷が立ち並び、その外側に上町・下町・西田町が形成され5,000人を超える町人が暮らしていたものの、人口の大半は武士で占められ、藩の軍事都市としての性格が色濃く表れていました。

鹿児島城の御城印と日本100名城スタンプ

鹿児島城の御城印と、日本100名城スタンプは、いずれも鹿児島市内で入手できます。

鹿児島城の御城印は、「鹿児島まち歩き観光ステーション」で購入可能です。価格は300円で、現地のほか公式オンラインストアでも取り扱いがあります。

鹿児島まち歩き観光ステーションの入口と御城印販売コーナー

また、日本100名城スタンプは「鹿児島まち歩き観光ステーション」と「黎明館」の2か所に設置されています。いずれも無料で押印できます。

鹿児島城への行き方|市電・バス・車でのアクセス

鹿児島城跡は、鹿児島市の中心部・城山町に位置し、市電(路面電車)やバスでアクセスしやすい場所にあります。最寄りの市電停留所は「市役所前」で、下車後徒歩約5分ほどで御楼門前に到着します。

市役所前電停に停車する鹿児島市電と沿線の街並み

JR「鹿児島中央駅」からアクセスする場合は、桜島口(東口)を出て、市電「鹿児島中央駅前」駅から2系統(鹿児島駅前行き)に乗車し、「市役所前」で下車するのが便利です。所要時間は約15分です。

バスを利用する場合は、「県民交流センター前」バス停が最寄りで、下車してすぐ目の前が御楼門です。その他、「市役所前」や「金生町」バス停からも徒歩圏内(約5〜10分)でアクセスできます。

鹿児島城跡は市街地にあるため、市電・バス・タクシーなどアクセス方法は多いですが、おすすめは市電です。バスは複数の系統が運行しているため慣れていないと迷いやすいですが、市電なら2系統の路面電車に乗れば良いだけなのでわかりやすいです。

車の場合は、黎明館の無料駐車場(普通車125台)が利用可能です。

黎明館前に設置された鹿児島城跡の案内図と周辺地図

戦火を越えて今に息づく薩摩の誇り

復元された御楼門を見上げる鹿児島城跡の石垣と青空の風景

鹿児島城跡は、御楼門や石垣、西南戦争の痕跡、黎明館など、薩摩の歴史を多面的に伝える貴重な史跡です。

石垣の銃痕は西南戦争のときのものですが、一部、第二次世界大戦での銃痕があることもわかっています。こうした幾度もの変遷と試練を経ても、城は消えることなくその精神を残しました。

復元された御楼門は、そうした歴史を静かに見守りながら、今も薩摩の誇りを未来へと語り継いでいます。

鹿児島の中心で400年。今も生き続けるこの城跡に、ぜひ足を運んでみてください。

夕暮れの空を背景にした御楼門と桜島を望む鹿児島城跡の全景


あわせて読みたい:

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

松本城観光ガイド2025|国宝天守・公園・チケット・行き方まで見どころ徹底紹介

松本城観光ガイド2025|国宝天守・公園・チケット・行き方まで見どころ徹底紹介

人気ランキング常に上位!松本城観光の見どころを徹底紹介

国宝・松本城は、戦国末期の姿を今に伝える現存天守を備え、日本三大平城のひとつとして名高い名城です。

堀に映える天守、歴史を感じる門や御殿跡、そして無料で散策できる公園エリアなど、見どころは多岐にわたります。

この記事では、松本城観光で押さえておきたい見どころや楽しみ方、チケット購入方法や行き方など、訪れる前に知っておくと便利な情報をまとめました。訪れる際のご参考になれば嬉しいです。

松本城

青空の下にそびえる松本城天守の全景

松本城は、長野県松本市の中心にある日本を代表する名城です。戦国末期に築かれた五重六階の天守は現存する最古級で、国宝に指定されています。漆黒の外観と水堀に映る姿の美しさが特徴で、日本三大平城、そして日本100名城のひとつとして、国内外から多くの観光客が訪れています。

松本城 基本情報
項目 内容
所在地 長野県松本市丸の内4-1
アクセス JR松本駅から徒歩約15分
公式サイト https://www.matsumoto-castle.jp/

松本駅から松本城の行き方

JR松本駅お城口の外観

松本城は、JR松本駅から北へ約1.5kmの場所にあります。最も一般的なのは徒歩でのアクセスで、駅から城までの道のりは約15分。市街地を抜けながら向かう途中には飲食店や土産物店も多く、観光気分を味わいながら歩けます。

荷物が多い場合や天候が悪いときは、松本駅から松本城周辺まで路線バスやタクシーを利用することも可能です。路線バスはアルピコ交通の「タウンスニーカー北コース」が便利で、駅から約10分で「松本城・市役所前」バス停に到着します。松本城の正門である「太鼓門桝形」の前で下車できるので、その点も便利です。

タクシーで行く場合、松本駅お城口にタクシー乗り場がありますので、そこから乗車します。所要時間は10分以内程度で、料金は 800〜1,000円程度です。

松本駅から松本城までの徒歩アクセスマップ

松本駅から松本城までのアクセス比較
手段 所要時間 料金 特徴
徒歩 約15分 無料 市街地を散策しながら移動できる
バス 約10分 大人 ¥200 太鼓門桝形前で下車でき便利
タクシー 約10分以内 ¥800〜1,000 荷物が多い時や雨の日におすすめ

駅からの移動時間はいずれも短いため、天気や荷物の状況に合わせて移動手段を選ぶのがおすすめです。

松本城には無料エリアと有料エリアがある

松本城は、敷地全体が「松本城公園」として整備されています。大きく分けると、誰でも自由に散策できる無料エリアと、チケットを購入して入場する有料エリアがあります。

松本城公園の無料エリアと有料エリアを示した園内マップ

内堀の外側は無料エリアにあたり公園になっています。遊歩道や広場から天守を望むことができ、四季折々の景観を楽しめるため、観光客だけでなく市民の憩いの場としても親しまれています。

松本城公園の内堀と天守を望む景観

芝生広場から眺める松本城天守

一方で、内堀の内側が有料エリアです。ここには国宝の天守をはじめ、本丸庭園や売店などがあります。

庭園越しに見える松本城天守と本丸エリア

無料エリアだけでも天守の外観を楽しめますが、松本城の魅力をしっかり味わうなら有料エリアへの入場がおすすめです。

松本城チケット購入方法

松本城高麗門前にあるチケット売り場の入口

松本城の有料エリアに入場するにはチケットが必要です。購入方法は大きく分けて、電子チケット(Web事前購入) と 紙チケット(当日券) の2種類があります。

電子チケットは事前にWebから決済でき、あわせて入場時刻を指定する形式です。当日は受付でQRコードを提示するだけでスムーズに入場できます。

一方、紙チケットは現地で購入します。有料エリア入口にあたる黒門の手前にある高麗門にチケット売り場が設置されており、そこで当日券を購入できます。

松本城チケット購入の列に並ぶ観光客と案内表示

電子チケットは当日券よりも 100 円安くなるため、入場のスムーズさを考えると電子チケットの方がおすすめです。日時指定は3か月先まで可能ですが、購入後の変更・キャンセルができないため、入場日と入場時間を決めてから購入しましょう。

松本城天守 観覧料
チケット種別 一般 小・中学生 未就学児
電子チケット ¥1,200 ¥400 無料
紙チケット ¥1,300 ¥400 無料

また、松本城の入場券は周辺施設とのセット券も販売されています。旧開智学校、松本美術館、松本市立博物館との共通券が用意されており、通常より 200 円お得に購入できます。松本観光を一日かけて楽しむ予定なら、セット券を検討するのもおすすめです。

松本城天守 電子チケット

松本城観光で訪れるべき見どころ

松本城には、国宝の天守をはじめとして見逃せないスポットが数多く点在しています。実際に歩いて巡ると、歴史的な建造物からフォトジェニックな景観まで、多彩な魅力にあふれています。ここからは、松本城を訪れたときにぜひ注目してほしいポイントを順に見ていきましょう。

日本最古級の五重六階!国宝・松本城天守

松本城有料エリアを示した園内マップ

松本城観光のハイライトとなるのが、国宝に指定されている五重六階の天守です。日本国内に12しか現存しない「現存十二天守」の一つで、急で狭い階段を上り下りしながら巡るスリルも体験の一つです。最上階からは松本市街や北アルプスを望む眺望が広がり、登った人だけが味わえる特別な景色が待っています。

青空を背景にした松本城天守の正面全景

松本城天守の内部や見どころについては、以下で詳しく紹介しています。

▼▼▼ 松本城天守の内部について詳しく見る ▼▼▼

www.ritocamp.com

▼▼▼ 松本城天守の見どころについて詳しく見る ▼▼▼

www.ritocamp.com

水面に映える雄大な姿!内堀から望む天守

内堀越しに松本城天守を望む園内マップの位置表示

松本城を象徴する景観といえば、やはり内堀越しに眺める天守です。松本城公園として整備された無料エリアからは、天守と堀が一体となった美しい風景を気軽に楽しむことができます。

水面に映る松本城天守の姿

お堀の水面に天守が映り込む姿は「逆さ松本城」とも呼ばれ、絶好のフォトスポットです。

天守を真正面から撮影するのはもちろん、赤く映える埋橋を構図に入れるのもおすすめです。この場合は午前中だと逆光になるため、正午以降の撮影が狙い目です。

赤い埋橋と天守を一緒に収めた松本城の景観

澄んだ青空や雲とともに映る天守は、実際にその場に立つと写真以上の迫力を感じられます。

夕日と雲に照らされ水面に映る松本城天守

かつての城主の居館、本丸庭園

松本城本丸庭園の位置を示した園内マップ

本丸庭園越しに眺める松本城天守

天守の目前に広がるのが本丸庭園です。ここはかつて本丸御殿が建ち、城主が政務を執り日常を過ごした居館の跡地にあたります。現在は有料エリア内の庭園として整備されており、見学者が散策できる広場となっています。

敷地内には御殿の建物配置を示す区画が表示されており、往時の規模をイメージしながら歩くことができます。気づかず通り過ぎてしまう人も多いので、ぜひ立ち止まって確認してみてください。

本丸御殿跡の区画と松本城天守

さらに松本城の天守は複数の櫓が連結した複合式で、庭園内を歩きながら見る角度によって姿が大きく変わります。正面からの迫力はもちろん、斜めに構える優雅さや横からの重厚さなど、多彩な表情を楽しめます。

本丸庭園の広場と松本城天守の景観

庭園内には休憩スペースや売店、コインロッカー、記念撮影用のフォトフレーム、トイレも備わっており、観光の拠点としても便利です。天守へ登る前に立ち寄り、ひと息つきながら景観をじっくり楽しむのに最適な場所です。

本丸庭園にある売店と休憩スペース

御殿焼失の連鎖…数奇な運命を辿った二の丸御殿

二の丸御殿跡の位置を示した園内マップ

二の丸御殿跡入口の黒門

松本城の二の丸御殿跡は、かつて城主が暮らし、政務を執った建物があった場所です。現在は広場として整備されており、礎石によって当時の間取りが示されています。

礎石が残る二の丸御殿跡の敷地

二の丸御殿は本丸御殿と同じ時期に建てられた建物です。元々は本丸御殿が政庁。城主は本丸御殿に暮らし、政務を執り行っていました。二の丸御殿はその当時、副政庁という役割でした。

しかし 1727 年に本丸御殿が焼失、二の丸御殿が政庁となり、城主居館と政務の機能がここで二の丸御殿に移りました。

廃藩後は筑摩県庁舎となり、1876年、ついに二の丸御殿も焼失しました。

当時の間取りが示された礎石を見ながら広々とした空間を歩いていると、御殿の規模の大きさを肌で感じ取ることができます。二の丸御殿の敷地の広さは 6270㎡、建物の広さは 1980㎡、部屋数は約 50 ととても広い敷地・建物であったことも想像できます。

入口に二の丸御殿の絵図が紹介されていますので、これを写真に撮って当時の建物と照らし合わせながら各間取りを巡るとよりイメージが湧いて楽しめます。

二の丸御殿の絵図を説明する案内板

正門に残る堅固な防御構造!太鼓門枡形

松本城太鼓門枡形の位置を示した園内マップ

太鼓門枡形の外観と石垣

太鼓門枡形は、松本城の正門「太鼓門」を中心に築かれた堅固な防御構造です。

二重の門と石垣に囲まれた「枡形」と呼ばれる仕組みは、侵入してきた敵の進軍を封じる工夫がそのまま残されており、当時の防御戦術を体感できます。

太鼓門枡形の構造を説明する案内板

太鼓門枡形一の門の石垣と玄蕃石

太鼓門枡形内部の通路と二の門

松本城へ足を踏み入れるその一歩目から歴史の仕掛けを味わえるのは、この場所ならではの楽しみです。ぜひ意識して通ってみてください。

なお「太鼓門」という名は、北側に設けられた「太鼓楼」に由来します。ここに置かれた太鼓や鐘は時を告げ、藩士を呼び集める合図として使われていました。

松本城を快適に楽しむコツ

松本城を訪れる際に、ちょっとした工夫を知っておくと観光がぐっと快適になります。チケットの買い方や混雑期の注意点、荷物の扱い、季節ごとのちょっとした準備など、事前に押さえておきたいポイントをまとめました。ぜひ参考にして、松本城の魅力を存分に楽しんでください。

有料エリア入場には電子チケットがおすすめ

松本城有料エリア入場のため列に並ぶ観光客

松本城は人気の観光スポットのため、休日や連休は特に混雑します。

黒門手前の高麗門でチケット購入(当日券)、または入場手続き(電子チケット)を行いますが、当日券の場合は支払いなどの時間がかかるため入場までに行列ができることも珍しくありません。

高麗門前で入場待ちをする人々

webで電子チケットを事前購入すると入場時刻が指定できるため、入場までの待ちも同時刻に入場する人の列のみ、且つ、入場手続きも QR コードを提示するだけなのでスムーズに有料エリアへ入場できます。

松本城チケット売り場で当日券を購入する観光客

特に混雑する日はこの差が顕著に現れますので、待ち時間を削減したい場合はwebで電子チケットを事前購入するのがおすすめです。

混雑期は時間に余裕を持って

電子チケットでスムーズに有料エリアに入れたとしても、混雑期は天守の入口で入場制限がかかり、そこで待つことになります。

最も混雑するゴールデンウィークやお盆の時期は、2時間以上の待ち時間になることも。混雑期に行く際は時間に余裕をもって行きましょう。

荷物はコインロッカーに預けよう

松本城天守の内部は木造で急な階段が続き、通路も狭いため、大きな荷物を持ったままの見学は不向きです。リュックやキャリーケースがあると動きづらく、他の見学者にも迷惑になってしまいます。現実問題、キャリーケースを持ったままでの天守見学は不可能です。

有料エリアに入るとすぐの本丸庭園にはコインロッカーが設置されており、リュックや手荷物を安心して預けられます(ロッカーの大きさに関わらず、一律100円)。

松本城本丸庭園に並ぶコインロッカー

小さいサイズのロッカーは、通常のリックサックが問題なく入る広さです。

松本城のコインロッカー内部の様子

大きいサイズのロッカーは、長期旅行用の大きめのバックパックや、小さいサイズのスーツケースならもしかしたら入るかもしれません。

松本城の大型荷物対応コインロッカー内部

スーツケースなどコインロッカーに入らない大きな荷物については、管理事務所や売店で預かってもらえるのでそちらへ依頼しましょう。

見学の前に荷物を預けて身軽になれば、急な階段の上り下りもスムーズで、写真撮影や景色も楽しめますね。

コインロッカーの位置をピン留めした松本城エリアマップ

冬の天守見学時は足元対策を

松本城天守の見学は靴を脱いで上がる決まりになっています。入口で袋を受け取り、その中に靴を入れて持ち歩きながら各階を巡ります。

急な階段を上る松本城天守内の見学者

ただしスリッパなどの貸出はないため、冬場は床の冷えが直接足に伝わります。寒さが気になる方は厚手の靴下を履く、もしくは靴下を重ねて履くと安心です。室内履きを持参するのも良いでしょう。

ただし、室内履きを持参する場合は注意が必要です。天守内は急勾配の階段が多く、混雑することもあるため、スリッパのように脱げやすいものは危険です。かかとのあるルームシューズなど、靴底が柔らかく脱げにくいものを選ぶと安全に見学できます。

喫煙所は一か所有り

松本城公園内は全面禁煙となっており、指定場所以外での喫煙はできません。喫煙できるのは、公園北西隅に設けられた喫煙所のみです。

松本城公園内にある喫煙所の位置を示すマップ

観光の中心エリアからはやや離れていますので、喫煙者の方は少し時間に余裕を持って利用しましょう。

もうプラスワン!松本城を楽しもう

松本城は天守や庭園だけでなく、意外と知られていない小さな見どころや楽しみ方がまだまだあります。記念撮影やお土産探し、イベント体験まで、プラスアルファの過ごし方を知っておくと旅の満足度がぐっと高まります。ここからは、訪れた際にぜひチェックしてほしい追加の楽しみポイントをご紹介します。

正門・太鼓門から始める松本城散策

松本駅から松本城へ向かうと、多くの人は南側の入口から入城します。アクセスしやすいルートではありますが、せっかくなら正門である東側の太鼓門から入ってみるのがおすすめです。

石碑と太鼓門を望む松本城正門前の風景

太鼓門は松本城の防御構造「枡形」を体感できる重要なスポットで、城内に足を踏み入れる最初の見どころでもあります。南の入口からでも徒歩2〜3分程度で回り込めるので、少し足を延ばして正門から入城すれば、当時の城の雰囲気をよりリアルに感じられますよ。

松本城正門の太鼓門と南入口の位置を示すマップ

フォトフレームで松本城天守と記念撮影

本丸庭園には、松本城天守を背景に写真が撮れる大型のフォトフレームが設置されています。フレーム越しに天守を入れて撮影すれば、旅の記念にぴったりの一枚に仕上がります。

松本城本丸庭園に設置されたフォトフレーム

家族や友人と並んで撮るのはもちろん、天守のみをフレームに入れる一枚もフォトジェニックでおすすめです。天守見学の前後で、ぜひ天守と一緒に思い出を形にしてみてください。

松本城天守を背景に撮影できる大型フォトフレーム

売店で松本城オリジナルグッズやお土産をゲット

松本城本丸庭園にある売店の外観

本丸庭園には売店があり、松本城ならではのオリジナルグッズや信州のお土産を購入できます。キーホルダーやクリアファイル、ポストカードといった定番の記念品はもちろん、日本刀(模造刀)や兜なんてのもあります。他にも、地元の名産品やドリンクなども揃っており、ラインナップは豊富です。

松本城オリジナルキーホルダーやクリアファイルなどの土産物

松本城売店で販売される模造刀の土産

松本城売店で並ぶ信州の銘菓やお土産品

売店は休憩スペースやコインロッカーと同じ場所にあるため、天守見学の後、休憩がてら立ち寄るのにも便利です。ここでしか手に入らないグッズも多いので、ぜひチェックしてみてください。

松本城本丸庭園にある売店入口

日本の名城が一同に集結!

松本城本丸庭園南側の展示エリアに向かう園路

本丸庭園の南側には、全国城郭管理者協議会に加盟している城の写真がずらりと展示されています。全国各地のお城が一堂に会した光景は、50枚近いパネルが並ぶ圧巻のボリュームです。

全国の名城の写真パネル展示 松本城本丸庭園南側

展示は天守見学を終えて庭園に戻る導線上にあるため、自然と立ち寄りやすいのも魅力。天守見学後にぜひチェックしてみてください。

侍や忍者と一緒に記念撮影しよう

松本城正門を通過する観光客とおもてなし隊の侍や忍者

松本城では、侍や忍者の衣装をまとった「おもてなし隊」が観光客を迎えてくれます。甲冑姿の侍や黒装束の忍者は、城の雰囲気をぐっと盛り上げてくれる存在です。

彼らに会えるのは、8:30〜16:00 の時間帯。園内を歩いていると突然現れることもあり、出会えたらラッキー。快く一緒に写真を撮ってもらえるので、思い出に残る一枚になること間違いなしです。

家族連れや海外からの旅行者にも人気の体験なので、松本城を訪れた際はぜひ探してみてください。

ボランティアガイドによる無料案内

松本城には、常駐するボランティアガイドによる無料の案内サービスがあります。城内の歴史や見どころを分かりやすく解説してくれるので、自分だけでは気づけないポイントも楽しめます。

案内は日本語のほか外国語にも対応しており、グループはもちろん一人旅でも利用可能です。事前予約が推奨されていますが、ガイドが空いていれば当日の参加も受け付けてもらえます。

受付は松本城南にある事務所にて行われています。詳細や予約については公式サイトを確認してみてください。

ボランティアガイドのご案内 - 松本城

松本城南側にあるボランティアガイド受付事務所

四季折々のイベントをチェック!

松本城では、一年を通して多彩なイベントが開催されており、訪れる季節ごとに違った魅力を体感できます。

春は満開の桜に合わせて天守や堀がライトアップされ、幻想的な夜桜を楽しめます。夏には盆踊りが開かれ、城下町らしい賑やかな雰囲気に包まれます。秋には歴史を感じる火縄銃の演武「松本藩古流砲術演武」が行われ、迫力ある実演を間近で見られるのも見どころです。そして冬には「国宝松本城氷彫フェスティバル」が開催され、氷の芸術作品と天守のコラボレーションが訪れる人を魅了します。

冬のイルミネーション 夜間ライトアップで水面に映る松本城天守

夜桜とライトアップで彩られた松本城天守

プロジェクションマッピングで光に包まれる松本城天守

氷彫フェスティバル 松本城氷彫フェスティバルの氷像と天守 写真提供:松本城管理課

他にも様々なイベントを開催しているため、訪問前に公式サイトでイベント情報をチェックしてみてください。あなたが訪問するときに、何かのイベントが開催されているかもしれません。

イベント情報 - 松本城

特別な日にだけ輝く、松本城の夜間ライトアップ

松本城では、春の桜シーズンなど定番イベント以外にも、不定期で夜間ライトアップが行われることがあります。社会的な記念日や啓発活動に合わせて実施されることが多く、特別な日の象徴として天守が光に包まれる光景はまさに一期一会です。

いつ開催されるかは事前に決まっていないため、出会えたら本当に幸運です。最新のライトアップ情報は公式サイトのお知らせに掲載されるので、訪問前にぜひチェックしてみてください。

お知らせ - 松本城

楽しみポイント満載!日本を代表する人気の名城、松本城へ

青空と堀に囲まれた松本城天守の外観

松本城は、国宝の天守をはじめ、堅固な防御構造や御殿跡の歴史、四季を彩るイベントや風景など、多彩な魅力にあふれています。歩くたびに新しい発見があり、どの季節に訪れても違った表情を見せてくれるのが大きな魅力です。

水面に映る天守や日本らしい庭園といったフォトジェニックな景観は、歴史好きでなくても松本城を楽しめる大きなポイントです。

ぜひあなたも、松本城でしか味わえない歴史と文化の物語に触れてみてください。

水堀に映る松本城天守と雲のコントラスト


あわせて読みたい:

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

松本城を歩く|国宝天守と公園に広がる絶景を現地レポート

松本城を歩く|国宝天守と公園に広がる絶景を現地レポート

国宝松本城をめぐる城内散策レポート

長野県松本市の中心に位置する国宝・松本城。漆黒の天守と静かに広がるお堀の景観は、日本有数の名城にふさわしい風格を備えています。

城内を歩くと、場所ごとに異なる景観や趣きがあり、多彩な表情を楽しめます。

この記事では、松本城の門や庭園、そして天守など、城郭全体の雰囲気をお伝えします。位置関係や雰囲気など、訪問時の参考になれば幸いです。

松本城の表玄関・太鼓門からスタート

松本城全体の航空写真 大手口太鼓門枡形の位置を示した地図

松本城の散策は、西側にある大手口の太鼓門枡形から始まります。太鼓門は 2 つの門から成っており、枡形という防御構造を形成しています。

松本城の石碑と太鼓門枡形の外観

最初に現れるのは二の門(高麗門)。

松本城二の門 高麗門の正面写真

この門をくぐると、四方を石垣と櫓に囲まれた枡形の空間に入ります。

石垣と櫓に囲まれた太鼓門枡形の内部空間

その正面に構えているのが一の門(櫓門)です。

松本城太鼓門枡形一の門 櫓門の正面

一の門の石垣には、玄蕃石という人の背丈よりも大きな巨石が使われています。なんと 22.5t もあります。

松本城太鼓門枡形一の門の玄蕃石を示す写真

玄蕃石を近くから写した松本城一の門の石垣

重厚な櫓門を抜けると二の丸御殿跡へ続き、ここから本格的に松本城の内部へと入っていきます。

松本城太鼓門枡形櫓門を通り抜けた先の景色

藩主の居館跡「二の丸御殿」

太鼓門枡形を抜けた先にあるのが二の丸御殿跡です。

松本城二の丸御殿跡の航空写真 敷地の位置を示した図

二の丸御殿跡の入口に立つ黒塀の門

青空の下に広がる松本城二の丸御殿跡の敷地全景

本丸御殿焼失後、藩主が暮らし、政務を執った中心的な建物がここにありました。

松本城二の丸御殿の当時の間取りを示す案内板

現在は建物こそ残っていませんが、敷地内には間取りに沿って区分けされた礎石や表示板が整備されており、どこに部屋があったのかを想像しながら歩くことができます。広々とした空間を散策していると、かつての御殿の規模の大きさが実感できます。

礎石が並ぶ二の丸御殿跡の区画整備された敷地

区分けされた礎石が点在する松本城二の丸御殿跡の風景

二の丸御殿跡からは松本城天守が見えます。藩主や家臣たちが日常的に眺めていたであろう景色を、現代の私たちも同じ位置から眺め、当時の暮らしや営みに思いを馳せることができます。

二の丸御殿跡から眺める松本城天守の景観

絶景スポット!内堀から望む天守

松本城は、松本城公園として整備されています。内堀の外側は無料で入ることができ、気軽に散策を楽しむことができます。

松本城公園の航空写真 内堀沿いの散策ルートを示した地図

松本城公園内に並ぶ国宝松本城の記念碑

松本城内堀沿いの遊歩道と木々の景色

松本城天守を内堀越しに眺める景観

そして、この公園から眺める天守こそが、松本城を象徴する景観です。漆黒の天守が堀の水面に映り込み、青空や雲と重なり合う姿は、写真で何度も目にしたことのある「松本城らしい風景」。実際にその場に立つと、堂々とした存在感に思わず見入ってしまいます。

青空の下 内堀に映る松本城天守の全景

松本城天守を水面越しに斜めから撮影した景観

松本城天守を内堀と水面に映る姿で捉えた風景

遊歩道を歩きながら角度を変えて眺めると、天守の表情も少しずつ変わっていきます。真正面から堂々とした姿を楽しむもよし、堀越しに水面へ映る姿を重ねて見るもよし。いずれも「松本城といえばこの風景」と言える定番の眺めです。

有料エリアへ

松本城天守と高麗門へ続く道 正面に行列が見える風景

ではここから、有料エリアに入っていきます。松本城天守のある有料エリアへ進むには、高麗門(こうらいもん)をくぐります。

松本城高麗門周辺の位置を示す航空写真

松本城高麗門の入口 案内看板と石垣のある風景

高麗門前で入場待ちの列を作る観光客の様子

web事前予約を行い、電子チケットを持っているひとは右側、当日券を購入するひとは左側の列へ分かれ、それぞれ受付を行い入場します。

電子チケット受付端末に表示されたQRコード読み取り画面

高麗門前で列に並ぶ多くの観光客の様子

当日券はチケットを購入するため時間がかかりますが、電子チケットなら、購入時の QR コードを提示するだけなので入場がスムーズです。

当日券購入のため窓口に並ぶ観光客の列

チケット窓口で入場券を購入する観光客の様子

受付を通過するとすぐに、黒門があります。黒門は本丸への玄関口であり、正門としての役割を担っています。

石垣に囲まれた黒門 正門らしい風格ある構え

黒門を外側から見た風景 木造の門と石垣が特徴

黒門の内部 木組みや装飾が残る天井部分の様子

黒門を通過して本丸方向へ進む観光客の様子

忍者が私達を出迎えてくれていますね。彼らは「おもてなし隊」といって、忍者や侍の衣装を纏った役者です。8:30〜16:00 の時間帯で松本城内に出現します。運良く出会えたら一緒に写真を撮ってもらいましょう。

本丸庭園で登城準備

黒門を抜けた先に広がる本丸庭園 観光客が天守に向かう様子

黒門を抜けると、目の前広がるのが本丸庭園です。ここはかつて本丸御殿が建っていた場所で、藩主が政務を執り、日常を過ごしていた中心的な空間でした。現在は庭園として整備され、訪れる人が自由に散策できる広場となっています。

松本城本丸庭園の位置を示す航空写真

芝生越しに眺める松本城天守と本丸庭園の風景

青空の下 本丸庭園から天守を望む広々とした景観

また、庭園の一角にはコインロッカーが設置されています(100円)。松本城天守は階段が急で狭いため、大きな荷物を持っての見学は不向きです。リュックなどはここで預けて、身軽に天守へ向かうのがおすすめです。スーツケースなど、コインロッカーに入らないものも、売店や事務所に行けば預かってもらえます。

本丸庭園に設置された紫色の大型コインロッカー

私も荷物をコインロッカーに収納しました。

コインロッカーの鍵と番号札を置いた様子

ではいよいよ、天守へ向かいましょう。

正面の小道から松本城天守へ向かう景観

松本城のハイライト!国宝の天守へ

松本城天守の位置を示す航空写真 本丸中央に赤枠がある

本丸庭園を進むと、ついに国宝・松本城天守が目の前に現れます。

青空を背景に堂々と建つ松本城天守 正面全景

間近に見る漆黒の天守。その姿は圧巻で、その存在感が一層際立ちます。

松本城天守を真下から見上げた迫力あるアングル

ここから先はいよいよ、最古級の現存天守内部を巡る登城体験が待っています。

松本城天守の入口付近 観光客が出入りする様子

松本城天守の内部や見どころについては、以下で紹介しています。

▼▼▼ 松本城天守の内部について詳しく見る ▼▼▼

www.ritocamp.com

▼▼▼ 松本城天守の見どころについて詳しく見る ▼▼▼

www.ritocamp.com

圧倒的な存在感、威厳と美しさを備えた国宝松本城

藤棚の下から眺める松本城天守 庭園越しの景観

松本城は、天守だけでなく、門や御殿跡、公園からの景観など、歩くごとに多彩な姿を見せてくれました。堀に映る漆黒の天守、歴史を物語る石垣、広々とした庭園など、その一つひとつが名城と呼ばれるにふさわしい重みを感じさせます。

堀に映る松本城天守 青空と水面に映える姿

実際に訪れてみると、写真や映像では伝わらない圧倒的な存在感に心を奪われます。人々で賑わう中でも、天守が放つ威厳と、漆黒と白の美しいコントラストは揺るぎなく際立っています。松本城は、まさに「威厳と美しさを備えた国宝の城」と呼ぶにふさわしい場所でした。

松本市の中心にありながら、悠然とその姿を保ち続ける松本城。長野を訪れる際には、ぜひ自分の足でこの空間を体感してみてください。

松本城天守を下から仰ぎ見た景観 石垣と白漆喰が際立つ姿


あわせて読みたい:

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

松本城天守の内部を徹底紹介!現存最古級の国宝を現地レポート

松本城天守の内部を徹底紹介!現存最古級の国宝を現地レポート

美しさに秘められた防御要塞!松本城を現地レポート

青空の下にそびえる松本城天守 外観全景

松本城は、現存十二天守のひとつに数えられ、戦国末期に築かれた最古級の五重六階天守です。国宝にも指定され、黒と白の鮮やかなコントラストと雄大な姿は、今も多くの人を魅了しています。

本記事では、その天守内部を実際に巡った体験をもとに、現地で感じた空気や印象をお伝えします。写真や展示の情報とともに、歩いてこそ伝わる松本城の魅力を体感していただければ幸いです。

なお、松本城天守の見どころについては以下で紹介しています。

▼▼▼ 松本城天守の見どころについて詳しく見る ▼▼▼

www.ritocamp.com

松本城天守内へ

松本城天守の入口に向かう石垣と櫓門の風景

では、いよいよ天守に入っていきましょう。

天守では靴を脱いで上がります。入口で袋を受け取り、その中に靴を入れて持ち歩きます。

スリッパなどの貸出はありませんので、固い床が苦手な方、冬場で足元が冷えるのを避けたい方は厚手の靴下を履く、もしくは靴下を重ね履きすることをおすすめします。

室内履きを持参する場合は、階段が急勾配で混み合うため、スリッパなど脱げやすいものは避けてください。万が一脱げてしまった場合、自分の下にいる人に当たってしまうおそれがあります。かかとのあるルームシューズなど、靴底が柔らかく脱げにくいものを持参します。

天守入口で靴を脱ぐ観光客と木製の階段

天守に入るとすぐに乾小天守の内部を目にすることができます。

乾小天守の内部 木造の梁と柱の構造

さて、ここから始まるのは、松本城天守内部をめぐる小さなタイムトラベルです。これからどんな何が待ち受けているのか。期待と緊張を胸に、最初の階へと進みます。

天守内部に続く急な木製階段を上る様子

一階:武者走りと石落としが残る防御の要

一階に足を踏み入れると、まず目に入るのは規則正しく並んだ柱の列です。

松本城天守一階 規則的に並ぶ木の柱と広い床

およそ 2m ごとに立ち並ぶ柱は、天守全体の重みを支える役割を担っています。中央に通路を設け、周囲を部屋に分ける間取りの痕跡から、この階は食糧や弾薬を備えた倉庫として使われていたと考えられています。

松本城天守一階 柱が並ぶ通路と床面の様子

通路の外側には「武者走り」と呼ばれる細長いスペースがめぐり、防御や移動のために兵が行き来した場所であることがうかがえます。

松本城天守一階 武者走りと説明板を歩く来館者

壁際に残る「石落とし」からは真下をのぞき込み、矢狭間や鉄砲狭間からは外を射抜く視点を体感できます。攻め寄せる敵に備えた防御の工夫がそのまま残されており、現存天守ならではの「当時の臨場感」を楽しめます。

松本城天守一階 石落としから外を見下ろす視点

二階:貴重な鉄砲や鎧の展示

松本城天守二階 鉄砲蔵の説明板と展示室入口

二階に上がると、雰囲気は一変して展示スペースが広がります。ここでは戦国時代に実際に使われていた鉄砲や鎧が並び、城を守った武士たちの姿を想像させてくれます。

松本城天守二階 鉄砲や鎧が並ぶ展示室の通路

鉄砲は火縄銃を中心に、口径や形の異なるものが揃い、当時の火器の発達を物語ります。

松本城天守二階 赤い台に並べられた火縄銃の展示

武具も展示されており、実戦で用いられた迫力を今に伝えています。

松本城天守二階 黒い甲冑の展示と周囲の解説パネル

歴史的な資料を目にしながら、ここに立っていた人々の気配を肌で感じられるのが二階の大きな魅力です。

松本城天守二階 火縄銃展示を見学する来館者の様子

三階:窓のない静寂、闇に包まれる「暗闇重」

三階は「暗闇重(くらやみのしげ)」と呼ばれ、外から見ても存在が分からない隠し階のような空間です。窓が一切なく、昼間でも薄暗さが漂い、静かな緊張感に包まれています。

松本城天守三階 暗闇に包まれた内部空間と説明板

かつては兵を潜ませたり、戦闘時の備えに使われたとも考えられており、防御と奇襲の工夫が感じられます。展示物もなく、あるのは暗がりと木の匂いだけ。

光のない階を歩いていると、時代を超えて戦国の空気に触れているような感覚を覚える、不思議な場所です。

四階:城主の座所と五階へ続く最難関の階段

三階の暗闇から一転して、四階は光に満ちた空間が広がります。天井は高く、柱も少ないため、他の階と比べて開放感が際立っています。

松本城天守四階 光が差し込む広い板間の内部

柱や鴨居には鉋仕上げが施され、小壁や長押の造りも居室らしい趣を漂わせています。幕や屏風で仕切れば二つの部屋に分けられる造りで、有事の際には城主が過ごす場とされていました。

松本城天守四階 床に置かれた城主御座所の展示物

そして、次の五階へ向かう階段は松本城天守でも最難関。蹴上げ約 40 cmという急勾配で、上を見上げるだけで緊張が走ります。戦国の時代に築かれた木造の階段を、一段一段登る体験はまさに松本城ならでは。城の守りと威厳を体感できる瞬間です。

松本城天守四階 五階へ続く急な木製階段入口

階段は狭く、上がる人と下がる人がいるため、誘導員の指示に従い気を付けて上がってください。

五階:四方の武者窓と作戦会議の間

松本城天守五階 木組みの広間と見学する来館者

四階の明るい居室風の空間から上がると、五階はまた雰囲気が変わります。ここは四方に武者窓が設けられ、城の周囲を一望できる造りになっています。

松本城天守五階 外の景色を望める木枠の武者窓

この階は、有事の際に重臣たちが集まり、状況を確認しながら作戦を練る場として用いられたと考えられています。外の光に照らされる静かな空間に立つと、戦国時代の緊張感を想像せずにはいられません。

松本城天守五階 木造の広間と梁組の内部

展示はなく、あるのは窓と木組みの空間だけ。しかしそれこそが、この城が「戦うための建物」であったことを静かに物語っています。

六階:最上階!北アルプスを望む絶景

松本城天守六階 最上階の広間と来館者の様子

六階は松本城天守の最上階。ここに立つと、四方に開けた窓から松本の城下町や遠く北アルプスまでを一望できます。晴れた日には山並みがくっきりと姿を見せ、戦国の世に築かれた城と自然の雄大さが重なり合う、まさに絶景の舞台です。

松本城天守六階 西側の眺望と堀の景色

松本城天守六階 北側の眺望と北アルプスの山並み

松本城天守六階 東側の眺望と市街地の広がり

松本城天守六階 南側の眺望と堀と市街地

他の天守に見られるような最上階の廻縁(外にせり出したバルコニー状の回廊)は松本城天守にはなく、窓から景色を眺めるのみとなっています。こういった実用的な造りも、現存天守ならではの姿です。

松本城天守六階 格子窓から外を見下ろす様子

広がる眺望とともに、ここに座して城下を見渡したであろう城主の姿を想像すると、時を超えた臨場感が湧いてきます。

松本城天守六階 最上階広間と見学する来館者の様子

辰巳附櫓:時代を映す建築の境と貴重な展示

天守六階から一階へと降りると、辰巳附櫓へ進めます。

松本城辰巳附櫓 内部展示室と花頭窓

ここには、雜兵笠(兵士用のヘルメット)や遠眼鏡(望遠鏡)などの兵装品が展示されています。

松本城辰巳附櫓 雑兵笠や火打石などが並ぶ展示

松本城辰巳附櫓 赤い台に並べられた木札と武具の展示

また、戦国時代に築かれた天守に対して、辰巳附櫓は江戸時代に増築されたものです。ここには石落としなど防御の機能は設けられていません。江戸時代になり泰平の世を迎え、防御よりも利便性が重視されたことを物語っています。

松本城辰巳附櫓 境界を示す床の案内表示と廊下

松本城辰巳附櫓 戦国期天守と江戸期増築部の境を示す解説表示

窓の形にも時代の違いが表れています。辰巳附櫓には寺院建築などで見られる優美な「花頭窓」(かとうまど)が用いられており、実用性よりも格式や美観を重んじる江戸時代らしい意匠となっています。戦国期の実戦的な天守と、泰平の世を映す附櫓の対比は、松本城が歩んだ時代の移り変わりを今に伝えています。

松本城辰巳附櫓 花頭窓から城外を望む景色

階段を降りたら、最後の月見櫓です。

松本城辰巳附櫓 内部の木製階段と通路

月見櫓:月を愛でる戦の無い櫓

辰巳附櫓を抜けると、優雅な趣をたたえる月見櫓へとつながります。

松本城月見櫓 内部と朱塗りの回縁を歩く来館者

月見櫓(つきみやぐら)は、寛永10(1633)年、三代将軍徳川家光を迎えるため、当時の城主・松平直政が急遽増築したと伝えられる櫓です。結局家光の来訪は実現しませんでしたが、泰平の世を象徴する建築として今に残っています。

松本城月見櫓 三方に開けた舞良戸と開放的な室内空間

北・東・南の三方は舞良戸を外すと吹き抜けとなり、朱塗りの回縁や船底型の天井と相まって、天守とは対照的に開放感あふれる造りになっています。ここから月の出を眺め、風を感じながら宴を楽しむ空間は、戦国の要塞とはまったく異なる用途を物語っています。

松本城月見櫓から堀と市街地を望む景色

松本城月見櫓から堀に映る空と庭園を望む眺望

現存する城郭建築の中で、月見櫓を残す城としては松本城と岡山城が知られています。なかでも天守と一体化した月見櫓を持つのは松本城だけであり、この希少性が大きな見どころとなっています。

戦国から江戸、そして現代へ。見学終了

松本城天守出口に続く木製階段を降りる来館者

月見櫓から階段を降りれば出口です。ここで松本城天守の見学は終了になります。

松本城天守出口で靴袋を返却する来館者の様子

入口でもらった、靴を入れていた袋は、出口に回収箱がありますので、そこに入れましょう。

500年の時を刻む、松本城天守

松本城天守 西側から見上げる威容と青空

6 階建ての天守と、2 つの櫓。ここまでゆっくり巡って所要時間は約 45 分です。

外観の美しさが評判の松本城天守ですが、戦国時代から現存する天守として、実際に内部を歩いてみれば、数百年前に考えられた防御の仕組みや建築の工夫を間近に感じることができます。急な階段や暗闇に包まれた階、武具や火縄銃の展示、そして最上階から望む北アルプスの景色。これら一つ一つのが、現存天守ならではの体験です。

さらに江戸時代に増築された辰巳附櫓や月見櫓では、泰平の世を象徴する優雅な造りに触れることができ、戦国の要塞から文化の拠点へと役割を変えた松本城の歩みを実感できます。

築かれてからおよそ 500 年。幾多の時代を経て今もなお残る松本城天守は、日本の城郭建築の貴重な生き証人です。ぜひ足を運んでみてください。

松本城天守 南側から見上げる全景と青空


あわせて読みたい:

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

高松城観光ガイド2025|美しき日本三大水城の見どころ楽しみ方を徹底解説

高松城観光ガイド2025|美しき日本三大水城の見どころ楽しみ方を徹底解説

美しき水の城!高松城の見どころと楽しみ方を徹底紹介

海に囲まれた美しき城郭、高松城。高松市の中心部という抜群の立地にありながら、日本三大水城の筆頭として圧倒的な存在感を放つこの城には、他では絶対に味わえない特別な体験が待っています。

天守台から望む水城ならではの絶景、城のお堀で泳ぐ鯛への餌やり体験、和船で巡る内堀クルーズ。350年前から現存する重要文化財の月見櫓や、美しく復元された桜御門、格調高い大正建築の披雲閣まで、歴史散策とユニークな体験がこれほど充実した城は他にありません。

本記事では、そんな高松城の見どころを余すところなく紹介します。海水に囲まれた城という珍しい立地だからこそ楽しめる魅力から、重要文化財の建築美まで、高松城が持つ多彩な魅力をお伝えできたら幸いです。

高松城

上空から見た高松城の全景 石垣に囲まれた内堀と天守台が美しく配置されている

高松城は、香川県高松市の中心部にある日本三大水城の筆頭格として知られる海城です。別名「玉藻城」とも呼ばれ、瀬戸内海の海水を直接お堀に引き込んだ美しい城郭として全国から観光客が訪れます。日本100名城にも選定されている香川県を代表する観光スポットです。

史跡高松城跡 玉藻公園 基本情報
正式名称 史跡高松城跡 玉藻公園
所在地 〒760-0030 香川県高松市玉藻町2-1
定休日 12月29日〜12月31日
入園料 大人:200円、小人(6〜15歳):100円、6歳未満:無料
※2026年4月1日より料金改定予定(大人400円、小人200円)
所要時間 1 時間 〜 1 時間 30 分程度
アクセス JR高松駅から徒歩約3分
高松琴平電気鉄道 高松築港駅から徒歩約1分
駐車場 玉藻公園専用無料駐車場(57台)
電話番号 087-851-1521
公式サイト http://www.takamatsujyo.com/
史跡高松城跡 玉藻公園 開園時間
西門(日の出~日没) 東門
4月~5月 5:30 ~ 18:30 7:00 ~ 18:00
6月~8月 5:30 ~ 19:00
9月 5:30 ~ 18:30
10月 6:00 ~ 17:30 8:30 ~ 17:00
11月 6:30 ~ 17:00
12月~1月 7:00 ~ 17:00
2月 7:00 ~ 17:30
3月 6:30 ~ 18:00

これぞ日本三大水城!天守台跡からの絶景

高松城最大の魅力は、なんといっても天守台から望む圧倒的な絶景です。現在は天守は失われていますが、石垣で築かれた天守台に登ると、瀬戸内海と一体化した美しい水城の全貌を一望できます。海水を直接お堀に引き込んだ独特の景観は、まさに「海に浮かぶ城」の名にふさわしく、訪れる人々を魅了し続けています。

天守台から見下ろす高松城の内堀と海につながる水路 木々と石垣に囲まれた美しい景観

高松城は今治城(愛媛県)、中津城(大分県)と並ぶ「日本三大水城」の筆頭格として知られています。水城とは、海や湖に面して築かれ、水を防御に活用した城郭のことで、特に高松城は瀬戸内海の海水を三重のお堀すべてに引き込んだ、日本最大規模の海城として高く評価されています。天守台からは、この壮大なスケールの水城構造を実際に目で確かめることができます。

澄んだ青空と水面に反射する松林が美しい高松城の内堀

現在の天守台は、2006年から2013年(平成25年)にかけて大規模な石垣修復工事が行われ、安全に登れるよう整備されています。かつて三層三階の天守が建っていた石垣は、今も当時の威厳を保ち続けており、天守復元への期待も高まっています。

天守台跡の石垣と登城口 周囲の緑に包まれた高松城の歴史的構造

水面越しに見える高松城の天守台跡と石垣 穏やかな堀の風景

桜御門|江戸時代の匠の技が蘇る!美しく復元された高松城の正門

高松城の桜御門は、2013年(平成25年)に約130年ぶりに復元された高松城の正門です。明治時代の廃城令により失われていましたが、発掘調査や古写真、文献資料を基に、江戸時代の姿を忠実に再現して蘇りました。

復元された高松城の桜御門 正面から見た立派な櫓門の全景

復元工事では、伝統的な木組み技法や当時と同じ材料を使用し、釘を使わない継手・仕口による組み立てなど、江戸時代の匠の技術が現代に受け継がれています。特に、重厚な木造の櫓門としての威厳ある佇まいは、城の正門にふさわしい格式の高さを感じさせます。

漆喰壁と木組みが美しい桜御門の上部 ディテールまで再現された櫓構造

復元されたばかりの美しい門構えは、訪れる人々を江戸時代の城郭世界へといざなう、まさに時空の入り口のような存在です。

石垣に囲まれた参道から見た桜御門 櫓門越しに広がる松の緑と青空

月見櫓|海上防衛の要!350年現存する重要文化財の美しき櫓建築

高松城の月見櫓は、1676年(延宝4年)に築造された三重三階の現存櫓で、国の重要文化財に指定されている貴重な建造物です。約350年という長い歳月を経ても美しい姿を保ち続けており、天守が失われた現在では高松城のシンボル的存在として多くの人に愛されています。

高松城の内堀沿いに建つ月見櫓 松と青空に囲まれた三重三階の現存櫓

月見櫓はもともと北の丸の最北端に位置し、瀬戸内海からの敵船を監視する海上防衛の要としての役割を担っていました。その名の通り月見を楽しむための風雅な建物としても使われていたとされ、実用性と美しさを兼ね備えた江戸時代の建築技術の粋を感じることができます。

月見櫓の側面越しに広がる瀬戸内海の景色 櫓と海の防備構造が分かる構図

現在は毎週日曜日の 9:00~12:00・13:00~15:00 に内部が一般公開されており、木造建築の構造や当時の建築技法を間近で見学できます。

松の木陰にたたずむ月見櫓 白壁と黒瓦が青空に映える高松城の象徴的建築

水手御門|門の先は大海原!参勤交代を船出で始める城主専用桟橋

白壁と石垣に囲まれた水手御門の正面開口部 高松城特有の海に面した城門

高松城の水手御門は、月見櫓の南側に位置する全国でも類を見ない珍しい門です。この門の最大の特徴は、海に向かって直接開かれていることで、文字通り「水の手」つまり海への出入り口として機能していた海城特有の城門です。現存する海の大手門としては日本で唯一の貴重な遺構となっています。

堀越しに見た水手御門と月見櫓 海とつながる高松城の城門構造

江戸時代、この水手御門は高松藩主専用の船着き場として重要な役割を果たしていました。藩主が参勤交代で江戸へ向かう際や、江戸から帰国する際には、この門から小舟に乗船し、沖に停泊した大きな御座船へと向かいました。まさに海城ならではの格式ある「海の玄関口」でした。

現在も毎週日曜日の 9:00 ~ 15:00 に門が開扉され、当時の藩主と同じように海に向かって開かれた門を体験できます。門をくぐって海側を眺めると、400年前の城主たちが見ていた光景に思いを馳せることができる、高松城でも特に感動的なスポットの一つです。

石垣の上に建つ水手御門の全景 白壁と瓦屋根が青空に映える高松城の海の門

披雲閣|殿様の別邸が迎賓館に!格調高い大正建築と麗しき日本庭園

正門から見た披雲閣の玄関 建物正面には高松松平家の家紋入り幕が掲げられている

披雲閣は、1917年(大正6年)に松平家の別邸として建てられた格調高い建造物で、現在は迎賓館として利用されています。木造平屋建ての本格的な和風建築でありながら、大正時代らしいモダンな要素も取り入れられた貴重な近代和風建築として、多くの建築愛好家からも注目を集めています。

縁側から眺める披雲閣の庭園風景 木造建築と緑豊かな和風庭園の調和

披雲閣の広間に広がる畳敷きの大広間 柱と障子が織りなす落ち着いた和の空間

建物の周囲に広がる日本庭園は、黒松を中心とした緑豊かな和の風景が美しく広がっています。色とりどりの花々が咲き誇る季節には、特にツツジなどの花木が庭園を華やかに彩り、日本の伝統的な庭園美を存分に楽しむことができます。枯山水の手法を用いた枯川や、庵治石で作られた石橋などの石造物が配置され、歩くたびに異なる景色を楽しめる回遊式庭園として設計されています。

満開のツツジが彩る披雲閣の日本庭園 季節の花々と手入れされた植栽

石畳が巡る披雲閣の回遊式日本庭園 松と花木に囲まれた遊歩道

披雲閣は現在も結婚式や茶会などの会合に利用されており、格式ある和の空間での特別な体験が可能です。建物内部は通常非公開ですが、年始と5月5日の開園記念日には一般公開され、釘を使わない伝統的な建築技法や、繊細な装飾が施された襖絵なども間近で鑑賞できます。高松城の武骨な石垣や櫓とは対照的な、優雅で洗練された文化的側面を感じられる貴重なスポットです。

青空の下に広がる披雲閣の庭園 緑豊かな松と彩り鮮やかな植栽が並ぶ

披雲閣 一般公開日程
日程 公開内容
1月1日~3日 年始無料開放期間
5月5日 玉藻公園一般開放記念無料開放日

鯛のエサやり体験|高松城ならでは!城のお堀で海の魚と遊ぶ

石垣に囲まれた高松城のお堀入口 鯛のエサやり体験が行われる場所の導入部

高松城の最大の魅力の一つが、城のお堀で楽しめる鯛のエサやり体験「鯛願城就(たいがんじょうじゅ)」です。瀬戸内海の海水を直接引き込んだお堀には、真鯛をはじめとする海の魚たちが悠々と泳いでおり、全国でも珍しい「城で海の魚にエサをやる」という貴重な体験ができます。

透き通った青緑色の堀の水面に集まる魚たちと停泊する和船 エサやりが行われる高松城内堀

エサやり体験は1回100円で、専用のガチャガチャでエサを購入してお堀の魚たちに与えることができます。エサを水面に投げ入れると、大小さまざまな鯛が水面近くまで集まってきて、その迫力ある光景に子どもから大人まで歓声が上がります。特に家族連れには大人気で、お子様にとっては生きた海の魚と触れ合える貴重な自然体験となっています。

この体験は海城という高松城の特性を活かした、まさに「高松城ならでは」のアクティビティです。海外からの観光客にとっても、日本の城で海の魚と触れ合うという驚きの体験として非常に人気が高く、SNSでも頻繁に投稿される高松城の代表的な魅力となっています。

エサを待つように水面に集まる真鯛の群れと石垣に囲まれた高松城の堀の風景

城舟体験|和船で巡る内堀遊覧!水城ならではの特別クルーズ

乗船受付所と城舟体験の案内板が並ぶ高松城の堀沿いの遊歩道

高松城では、木造船「玉藻丸」に乗って内堀を巡る城舟体験が提供されています。陸上からでは見ることのできない水上からの城郭美を堪能できる、日本三大水城ならではの特別なクルーズです。

内堀を進む和船と石垣に囲まれた高松城の水辺の景色 船頭による案内付きの遊覧風景

運航期間は 3 月から 11 月まで(12月~2月は休止)で、乗船記念品や貸出衣装、鯛のエサも付いてくるお得なセットです。事前予約は不要で、当日受付で申し込むことができます。

船上からは陸上では体験できない独特の視点で高松城を楽しむことができます。水面から見上げる石垣の迫力や、海城として設計された城の構造美を実感できるのは、まさに船旅ならではの魅力です。特に船頭さんによる城の歴史や見どころの解説も聞けるため、高松城への理解がより深まる充実した体験となっています。

内堀をゆっくりと進む和船と緑に囲まれた高松城の水辺の回遊ルート

運行時間(乗船時間: 約30分)
1便 2便 3便 4便 5便 6便 7便 8便 9便
10:00 10:30 11:00 11:30 13:30 14:00 14:30 15:00 15:30
城舟体験 料金表
区分 料金
大人(高校生以上) ¥500
子ども(5歳以上) ¥300

桜の馬場|春限定!城内を彩るお花見広場

お堀越しに咲き誇る高松城のソメイヨシノ 春の青空と水面に映る桜のコントラスト

桜の馬場は高松城内で最も美しい桜のお花見スポットです。城内には約 76 本の桜(主にソメイヨシノ)が植えられており、例年 3 月下旬から 4 月上旬にかけて満開を迎えます。天守台を背景に咲き誇る桜の風景は、高松城の春を代表する絶景として多くの花見客に愛されています。

満開の桜とぼんぼりが飾られた桜の馬場の風景 昼間の花見風景に穏やかな春の陽気

桜の見頃時期には、毎年桜見物夜間無料開放が実施されます。期間中(例年3月28日〜4月6日)は 17:30 〜 20:00まで桜の馬場が無料で開放され、約150個のぼんぼりが桜並木を幻想的に照らし出します。昼間とは全く異なる夜桜の美しさを楽しむことができ、春の宵をゆったりと過ごせる特別な時間となります。

灯籠とぼんぼりが夜の桜並木を照らす幻想的な高松城の夜桜イベント風景

ライトアップされた桜と提灯が彩る夜の桜の馬場 幻想的な雰囲気の花見

桜の馬場という名前の通り、かつては馬場として使われていた広い空間で、現在は多くの人がレジャーシートを敷いてお花見を楽しんでいます。高松市中心部にありながら、城内という静かで落ち着いた環境でのお花見は格別で、家族連れやグループでの花見には最適なスポットです。

天守台の石垣と桜が並ぶ春の高松城園内 濃淡の桜が織りなす春景色

仮想天守閣ライトアップ|最新技術で幻の天守が夜空に蘇る!高松城まつり

毎年5月頃に開催される高松城まつりの目玉イベントとして、最新のプロジェクションマッピング技術を使った仮想天守閣ライトアップが行われます。1884年(明治17年)に解体された幻の天守閣が、現代の技術によって夜空に美しく蘇ります。

天守台上にプロジェクションマッピングで映し出された幻想的な仮想天守と堀の全景

天守台に設置された特殊な機材から放たれる光が、かつてそこに建っていた天守の姿を立体的に映し出し、まるで本物の天守が存在するかのような幻想的な演出を楽しむことができます。イベント期間中は屋台なども出店され、地元グルメと共に特別な夜を過ごせます。

現代ビル群を背景にライトアップされた仮想天守の演出 高松城の天守台から夜空へ浮かび上がる天守の光

このイベントは、失われた文化遺産を現代技術で復活させる新しい試みとして注目を集めています。江戸時代の高松城の威容を現代に蘇らせる感動的な演出として、歴史ロマンと最新技術が融合した高松城ならではの特別な体験を提供しており、多くの人々に感動を与え続けています。

堀に映る青い光と夜の静寂に浮かぶ仮想天守のライトアップ 舟とともに幻想的な水辺の風景

高松城祭り 2025 開催概要
項目 詳細
開催日時 5月9日(金)17:00~21:00
5月10日(土)・11日(日)10:00~21:00
場所 玉藻公園(入場無料)
公式サイト https://takamatsujyo.net/

高松城の歴史|生駒家から松平家へ続く400年の歩み

高松城の内堀と月見櫓の外観 青空の下に堂々と建つ歴史的建築

高松城の歴史は、1588年(天正16年)に豊臣秀吉の家臣である生駒親正によって築城が始まったことから始まります。瀬戸内海の海水を直接お堀に引き込む画期的な海城として設計され、当時としては非常に先進的な城郭でした。生駒氏は 4 代 54 年間にわたってこの城を居城としましたが、1640年(寛永17年)に生駒騒動と呼ばれる家臣団の内紛により改易となり、出羽国矢島(現在の秋田県)へ転封されました。

1642年(寛永19年)、水戸黄門として知られる徳川光圀の兄である松平頼重が東讃岐12万石の領主として高松城に入城しました。松平頼重は城の大規模な改修を行い、1670年(寛文10年)には小倉城を模した三重五階の天守を完成させました。その後、松平氏は11代228年間にわたって高松城を居城とし、この間に現在も残る月見櫓や水手御門などの重要文化財が建造されました。

興味深いことに、高松城は築城から廃城まで一度も戦火を経験していない平和な城です。1868年(慶応4年)の鳥羽・伏見の戦いの際も、松平家が新政府に恭順したため戦うことなく開城し、明治維新を迎えました。その後、多くの建造物が取り壊されましたが、現在も重要文化財として残る建造物や石垣が、400年以上にわたる高松城の歴史を静かに物語っています。

高松城の歴史年表
高松城築城開始
生駒騒動、生駒氏改易
松平頼重入城
三重五階天守完成
明治維新、開城

歴史散策とユニークな体験が楽しめる日本屈指の水城、高松城

高松城の天守台と石垣の上に建つ月見櫓 内堀越しに望む水城の全景

高松城は、瀬戸内海の海水を直接お堀に引き込んだ日本三大水城の筆頭として、歴史ロマンと革新的な体験が見事に融合した唯一無二の城郭です。

350年現存する月見櫓の重厚な建築美から、美しく復元された桜御門、全国唯一の海の大手門である水手御門まで、異なる時代の魅力を一度に楽しめます。天守台からの絶景では、かつての三重五階天守の威容を想像しながら、水城特有の壮大なスケールを実感できます。

高松城の内堀と石橋 水手御門と月見櫓が並ぶ城郭景観の象徴的風景

城のお堀で海の魚にエサをやる「鯛願城就」、和船で巡る内堀クルーズ、最新技術による仮想天守閣ライトアップなど、伝統と革新が調和した高松城ならではの体験も充実。単なる歴史見学を超えた「参加型の城郭体験」が、訪れる人々を魅了し続けています。

緑に囲まれた高松城の内堀と和船が浮かぶ春の水面 穏やかで風情ある水城の風景

高松駅から徒歩3分という抜群のアクセスで、400年の歴史が息づく海城文化を心ゆくまで堪能できる高松城。瀬戸内海と一体化した美しい水城の風景と、他では味わえない海城体験が待つ、まさに「美しき水の城」です。

歴史散策とユニークな体験が楽しめる日本屈指の水城、高松城へ。ぜひ足を運んでみてください。

桜の枝越しに見上げる月見櫓と青空 高松城の春を象徴する風景


もっと詳細に高松城の雰囲気を知りたいときは、以下がおすすめです。

www.ritocamp.com


あわせて読みたい:

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

丸亀城観光ガイド2025|日本一の石垣・現存天守・絶景・文化体験。丸亀城の見どころを徹底解説

丸亀城観光ガイド2025|日本一の石垣・現存天守・絶景・文化体験。丸亀城の見どころを徹底解説

石垣の名城「丸亀城」の見どころを徹底紹介!

丸亀城といえば、日本一高い石垣とその美しさが広く知られ、さらに、江戸時代に築かれた天守が今も残る貴重な城です。現地を歩くと、石垣の迫力と天守の存在感、そして街を一望できる眺望に圧倒されます。

また、丸亀城はこういった歴史の保存以外にも、現代の観光要素としての新しい取り組みも継続しており、そういった面でも訪問が楽しい城です。

本記事では、そんな丸亀城の見どころを紹介していきます。

丸亀城

石垣と水堀に囲まれた丸亀城の遠景。青空の下に天守が佇む情景

丸亀城(まるがめじょう)は、香川県丸亀市にある平山城で、江戸時代初期に築かれた城郭です。現存十二天守の一つであり、日本一の高さを誇る美しい石垣が人気の観光名所です。日本100名城にも選出されています。

営業時間
[天守] 9:00 〜 16:30(入城は16:00まで)
[大手一の門内部] 9:00 〜 16:30
定休日
年中無休
電話番号
0877-85-5852
公式サイト
https://www.city.marugame.lg.jp/site/castle/
駐車場
敷地内に無料駐車場有り
アクセス
JR予讃線 丸亀駅より徒歩 15 分
所在地
〒763-0025 香川県丸亀市一番丁

日本一!総高60m超え圧巻の石垣と造形美

緑の木々に囲まれた丸亀城と石垣。本丸まで続く高低差がよく見える全景

丸亀城といえば、山麓の大手門付近から本丸まで積み重なる石垣の総高が約60mを超え、現存する城の中で日本一の高さを誇ります。

石垣は最も高い部分で約 20 mあり、外側から仰ぎ見るだけで圧倒される存在感があります。

下から見上げた丸亀城の石垣。加工された石が規則的に積まれた様子

石垣は石の加工度合いによって使い分けられ、打ち込みハギや切り込みハギを主体に、野面積みや算木積みなど複数の技法が一箇所で見られるのが特徴です。

刻印のある石や、石をきれいに整える算木積み、そして上部にいくにつれて緩やかな反りを描く「扇の勾配」など、職人の技と意匠性を感じるディテールも豊富です。

直線的に立ち上がる丸亀城の石垣。算木積みの美しさが際立つ構造

下から見上げると、石のリズムと曲線が視界を覆い、ただの防壁ではなく、一つの造形美として息を呑む迫力があります。

木漏れ日の中にそびえる丸亀城の石垣。自然と調和した景観

現存十二天守!江戸時代の姿を今に伝える貴重な天守

緑に囲まれた丸亀城の天守。青空に映える三層の構造

丸亀城の天守は、江戸時代に建てられたままの姿を今に残す「現存十二天守」のひとつです。

三層三階の小ぶりな造りながら、石垣の上に建つことで視覚的な高さと存在感を放っています。

青空と雲を背景に立つ丸亀城天守。石垣上にそびえる現存天守

内部は木造建築の構造がそのまま残されており、柱や梁には当時の技術と工夫を感じることができます。

丸亀城天守の内部にある木造の階段と梁。江戸時代の建築構造が残る空間

天守入城料金

天守入城料金
区分 料金
大人 400円
小人(中学生以下) 無料

丸亀城天守観覧券と中津万象園入園券がセットになった共通券も販売(900円)されており、300 円 お得(通常:天守観覧券400円+中津万象園入園券800円=1,200円)に購入できます。

天守のみの入場券は、丸亀城の天守で購入可能。共通券は、丸亀城天守または中津万象園でも購入可能です。

支払いには、現金・クレジットカード・交通系電子マネー・QR コード決済が利用可能です。

絶景パノラマ!瀬戸内海や讃岐富士を望む本丸からの眺望

丸亀城の本丸には、かつて 3 つの櫓が設けられており、櫓同士と天守が渡櫓で接続され、行き来できるようになっていました(連結式天守)。

丸亀城本丸の構造を示すイメージマップ。天守と三つの櫓の配置がわかる図解

現在は櫓そのものは失われていますが、それぞれの跡地は展望台として整備され、丸亀市街や瀬戸内海、讃岐富士の愛称で親しまれる飯野山まで見渡すことができます。視界の広がりは想像以上で、まさに山上に築かれた城の醍醐味を実感できるスポットです。

丸亀城本丸から望む丸亀市街と瀬戸内海のパノラマ風景

市街地と瀬戸内海を見渡す丸亀城の展望スポットからの眺望

なお、三の丸広場にも、東張出石垣が展望台として整備されており、ここからの眺めもおすすめです。

展望台として整備された丸亀城三の丸広場の石垣上の遊歩道。遠くに海と街並みを望む

讃岐富士と丸亀市内を一望できる丸亀城本丸からの広がる風景

丸亀城では、このように複数の地点から異なる眺望を楽しめるため、ぜひ各所を巡ってみてください。

丸亀城の玄関口!太鼓の音が時を告げる「大手一の門」

木々に囲まれた丸亀城大手一の門と石垣。江戸時代の風格を残す櫓門

丸亀城の正門にあたる「大手一の門」は、1670年(寛文10年)頃に建てられた木造の櫓門で、現存する数少ない江戸時代の城門建築です。国の重要文化財に指定されています。

正面から見た丸亀城大手一の門。石垣の上に構える木造の城門建築

この門は、三の丸の入口に位置し、分厚い石垣に囲まれた堅牢な構造が特徴です。門の上部は二階建ての櫓となっており、侵入者を上から攻撃できる防御機能を備えていました。

また、藩士が正午に太鼓を打って時刻を知らせていたことから「太鼓門」とも呼ばれています。現在でも、当日11時50分までに観光案内所で申し込むと、正午に太鼓を打つ体験(無料)に参加できます。

丸亀城太鼓門での時太鼓体験 - 丸亀市の観光情報サイト | 丸亀市観光協会

門の内部は一般公開されており、石落としなどの防御構造や江戸時代の建築技術を間近で見ることができます。

丸亀城大手一の門の内部に設置された太鼓と木造構造。時太鼓体験の舞台

丸亀城名物!目を疑うような急坂「見返り坂」

丸亀城の登城ルートで最も印象的な存在が「見返り坂」です。全長約150m・勾配10度以上の急な上り坂は、文字通り振り返りながら登る人が多いことからこの名が付きました。

丸亀城の登城道見返り坂の起点。緩やかに始まる石畳の坂道

実際に歩いてみるとなかなかに辛い。ゆっくり、休憩しながら歩いていくことをおすすめします。振り返るとこの通り、どれだけ急坂かがよくわかります。

木々のトンネルに覆われた丸亀城見返り坂の中腹。穏やかに続く上り坂の風景

石畳と案内柱がある丸亀城見返り坂の途中。二段構造の坂の分岐点付近

そしてここまで上ってくるともう一つの急坂が待ち構えます。

見返り坂の後半にあたる急勾配の石畳道。正面に三の丸が見える登り口

見返り坂は二つに分かれていることを事前に知っておいてください。現地で絶望せずに済みます。それを知れただけでも、この記事を読んだ価値があったかもしれません。

しかし、登り切った先には三の丸があり一気に景色が開けます。絶景と現存天守を楽しみに、ぜひこの見返り坂を踏破してみてください。

高品質で最上級のおもてなし!文化財に泊まる特別体験「延寿閣別館」

延寿閣別館の外観。黒瓦の屋根と白壁が印象的な伝統的和風建築 出典元: マップ・スポット紹介 - 丸亀城 - 丸亀市公式ホームページ

丸亀城三の丸に位置する延寿閣別館は、1933年(昭和8年)に建造された木造平屋建築で、京極家の江戸藩邸から移築された天井や欄間が使用されています。延べ床面積は約120㎡あり、伝統的な和風意匠を随所に感じられる空間です。

延寿閣別館は、2024年7月より「城泊」として城内で宿泊できる施設として再整備されました。1日1組限定で、丸亀藩主の邸宅に泊まるような特別な体験が可能です。

延寿閣別館の室内。畳の間に布団が並ぶ落ち着いた和風空間と障子越しの光 出典元: マップ・スポット紹介 - 丸亀城 - 丸亀市公式ホームページ

館内では、京極家ゆかりの建具や欄間、飾り金具などの意匠がそのまま残され、歴史文化を肌で感じられる滞在空間です。また、庭園との一体感ある景色も魅力で、城下町の借景としての眺望が心安らぐ空間を演出しています。

宿泊者向けには、人力車での送迎や城体験が組み込まれる「丸亀城キャッスルエクスペリエンス」が提供され、夕食・朝食を含む京極家御膳による食事や伝統体験を通じて、歴史と文化への理解を深めるプログラムが用意されています。

【公式】丸亀城キャッスルエクスペリエンス | 城泊 | 400年の歴史を持つ丸亀城を独占する旅

季節ごとのイベント|丸亀城を彩る花や光の祭典

丸亀城では、季節ごとに異なる魅力を楽しめるイベントが開催されています。春には桜、秋から冬にかけては幻想的なライトアップなど、歴史ある石垣や天守と調和した演出が訪れる人々を魅了します。ここでは、丸亀城を彩る代表的な季節イベントをご紹介します。

丸亀城桜まつり

満開の桜と丸亀城の天守。石垣と春の彩りが重なる風景

丸亀城の城内には約 650 〜 700 本の桜(主にソメイヨシノ等)が植えられており、例年 3 月下旬〜 4 月上旬に満開を迎えます。特に、石垣を背景に咲き誇る桜の風景は圧巻で、「扇の勾配」と称される曲線を帯びた石垣の美しさと桜の融合が感動的です。

丸亀城の石垣と桜を見上げる構図。青空に映える春の景色

天守を背景に咲き誇る桜。夕刻の淡く幻想的な色合い

桜まつり期間中(例年3月25日〜4月10日)には夜間ライトアップも実施されており、ぼんぼりや提灯で石垣や並木を照らし出します。特に二の丸エリアのライトアップ「桜の海」は、眼下に広がる花と灯りの景色が幻想的なため人気が高いです。

丸亀城キャッスルロード

秋〜冬の期間には、毎年開催される「丸亀城キャッスルロード」というライトアップイベントがあります。大手門から天守へと続く登城道や石垣が明かりで彩られ、枡形石垣や大手一の門にはプロジェクションマッピングが施され、見返り坂が光のトンネルになるなど、昼間とは異なる幻想的な城景風景を楽しめます。

ライトアップされた丸亀城の石垣。色とりどりの光が城の夜を彩る

石垣のライトアップ。登城道が光で包まれる夜の風景

木々と遊歩道が紫色にライトアップされた丸亀城の夜の演出

これらの季節演出は、丸亀城の持つ歴史的景観に彩りを添え、一度訪れた人にとってもまた違った印象を与えてくれます。春の桜、夏の新緑、秋のライトアップと、いつ来ても楽しめる要素が揃っています。

また、三の丸東石垣の展望台に上れば、丸亀市の素敵な夜景を楽しめることもできます。意外と知られていない穴場夜景スポットです。

展望台から見下ろす丸亀市の夜景。城内から望む光に包まれた街並み

丸亀城の歴史|藩政時代から現代までの歩み

丸亀城の歴史は、1597年(慶長2年)に豊臣秀吉の家臣である生駒親正と一正の父子によって亀山(丸亀)に築城されたことに始まります。城と城下町を土塁や堀で囲む「総構え」の形式が採られ、当時の権威と防御力を示す構造でした。

その後、1615年(元和元年)の一国一城令により一度廃城となりましたが、1641年(寛永18年)に山崎家治が丸亀藩主として転封後、再築を開始。1658年(万治元年)には京極家が入封し、1660年(万治3年)に三層三階構造の現存天守が完成し、1670年(寛文10年)頃に現在の大手門位置などの建築が行われました。

明治維新後、1872年(明治5年)に城の大部分が解体予定となりましたが、天守と門は取り壊されず保存されました。その後1919年(大正8年)に亀山公園として開放され、1950年に天守が、1957年に大手門がそれぞれ重要文化財に指定されました。

丸亀城の主な出来事年表
生駒親正・一正父子により亀山に築城開始
一国一城令により廃城
山崎家治が丸亀藩主として入封、再築開始
京極家が入封
現存天守(三層三階)完成
大手門の整備
廃城令により大部分が解体予定となるが、天守と門は保存
亀山公園として一般開放
天守が重要文化財に指定される
大手門が重要文化財に指定される

丸亀城へのアクセス|駅から徒歩圏内の好立地

丸亀城は、JR丸亀駅から徒歩約10分と、鉄道利用の旅行者にも非常にアクセスしやすい場所に位置しています。

主要駅からの電車移動や、車でのアクセス方法、駐車場の場所や混雑状況などについては、以下の記事で詳しく解説しています。

▼▼▼ 丸亀城へのアクセスについて詳しく見る ▼▼▼

www.ritocamp.com

歴史を重んじ、継承する一方で、新たな試みを続ける攻めの城、丸亀城

日中に撮影された丸亀城の大手門と石垣。天守が奥に見える正面風景

丸亀城は、江戸時代の天守が現存する貴重な史跡であり、日本一の高さを誇る石垣や、急坂、そして瀬戸内海や讃岐富士を望む眺望、さらに文化体験や四季のライトアップまで楽しめる、まさに「歩いて味わう」魅力に満ちた城です。

本記事では、実際に現地を歩いた視点から、石垣の造形美や本丸からの景色、歴史建築としての価値を紹介しました。短時間でも多くの魅力を体感できるコンパクトな構成のため、香川観光や四国旅行の合間にも立ち寄りやすいスポットです。

また、日本文化、城文化にどっぷり浸りたいひとは、「丸亀城キャッスルエクスペリエンス」はとてもおすすめです。丸亀市や日本の文化を存分に味わえる上、現存天守の隣に宿泊できるため、これまでにない貴重な体験ができます。城に宿泊できるところ自体が貴重ですが、それだけに留まらず、様々な文化体験、食事に至るまで手厚くサービス提供されている点は、日本のおもてなしの心を感じます。特に夕食の後、現存天守をバーとして利用できるなんて、夢のような体験だと日本人としても思います。贅沢な時間を過ごせることは間違いありません。

他にも丸亀城では、期間限定で鬼滅の刃(無限城編)とのコラボを実施していたり、QR コードを読み込むだけでタクシーが呼べる便利なサービスの実証実験(2025年8月1日〜2025年12月31日)をしていたりと、頻繁に新しい試みが実施されていることも見逃せません。

ぜひ、積極的に現代の楽しみ方を提案し続ける丸亀城へ、そして石垣を見上げ、天守に登り、風景を味わいながら、丸亀城の持つ奥深い歴史の魅力に触れてみてください。

石垣の上に建つ丸亀城の天守。青空と緑に囲まれた威風堂々とした外観

もっと詳細に丸亀城の雰囲気を見てみたい場合は以下をどうぞ

www.ritocamp.com


あわせて読みたい:

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

高知城の見どころまとめ|昼も夜も楽しめる!絶景&歴史スポットを徹底解説

高知城の見どころまとめ|昼も夜も楽しめる絶景&歴史スポット

高知城の見どころを一気にチェック。訪れる前に知っておきたいポイントを紹介

高知城は、現存12天守のひとつとして知られ、江戸時代の天守や本丸御殿、追手門が当時の姿をとどめたまま残されています。

これらがすべてそろって現存する城は全国でも高知城だけであり、その歴史的価値は非常に高いものです。

本記事では、高知城の代表的な建造物から、季節限定のイベント、夜間ライトアップまで、観光で訪れる際に注目したい見どころを整理してご紹介します。

高知城

高知城を遠景から望む天守の全景

高知城は、江戸時代初期の1601年に土佐藩初代藩主・山内一豊が築城を開始し、1611年に完成しました。

1727年の大火により大部分を焼失しましたが、その後18世紀中頃に再建され、現在の姿へと整えられました。

最大の特徴は、天守・本丸御殿・追手門といった主要な建造物がすべて現存していることです。

これらがそろって残る城は全国でも高知城だけであり、建築的・歴史的に非常に貴重な存在です。

1959年には城跡が国の史跡に指定され、天守や御殿、門など15棟が重要文化財に指定されています。

営業時間
9:00 ~ 17:00(入館は16:30まで)
定休日
12 月 26 日 ~ 1 月 1 日
電話番号
088-824-5701
公式サイト
https://kochipark.jp/kochijyo/
料金
500円(18歳未満無料、学生証等の提示あり)
駐車場
敷地内に駐車場あり(7:30~18:30 / 最初の1時間370円、以降30分毎に110円)
アクセス
JR高知駅から徒歩約25分、とさでん交通「高知城前」電停から徒歩5分
所在地
〒780-0850 高知県高知市丸ノ内 1-2-1

天守:現存する江戸後期の天守。美しさと格式が際立つシンボル

石垣の上にそびえる高知城天守の外観(下から見上げた構図)

高知城の天守は、全国に12しか残っていない「現存十二天守」のひとつ。

江戸後期に建てられた天守らしく、戦のための防御性よりも、藩主の権威を示す美しさや格式を重んじた構造になっています。

白漆喰の壁と黒い瓦が織りなすコントラスト、堂々とした姿と石垣の調和は、まさに高知の象徴。

その姿は、遠くから見ても間近で見上げても絵になり、訪れる人々を惹きつけてやみません。

内部は公開されており、最上階からは高知市街を一望できる絶景も楽しめます。

高知城天守外観

▼▼▼ 高知城天守について詳しく見る ▼▼▼

www.ritocamp.com

本丸御殿(懐徳館):現存は全国でわずか2例、書院造の格式を伝える貴重な御殿

懐徳館の和室内部(畳敷き・障子・縁側付き)

高知城の本丸御殿「懐徳館」は、書院造の様式を今に伝える貴重な建物です。

全国でも現存している本丸御殿は高知城と川越城の 2 例のみであり、その希少性は際立っています。

内部は書院、玄関、茶室、離れなどから構成され、障子や襖、縁側といった細部の意匠にも当時の格式が表れています。

藩主の政務や儀礼、賓客の接待に用いられた空間を、当時の雰囲気のまま見学することができます。

懐徳館の縁側から庭園を望む木造回廊

▼▼▼ 本丸御殿(懐徳館)について詳しく見る ▼▼▼

www.ritocamp.com

追手門:町と城をつなぐ、堂々たる表門

追手門の正面からの外観(門の左右に石垣と木々)

追手門は、高知城の正門として1650年代に建てられた櫓門で、現在は重要文化財に指定されています。その堅牢な構造と落ち着いた佇まいは、城下から本丸へと続く城の正面玄関にふさわしい風格を備えています。

追手門を裏側から撮影(門を抜けた先に広がる景色)

特に、追手門越しに天守を望む構図は高知城を代表するビュースポットとして人気です。

追手門越しに天守を望む構図

周囲は市街地と隣接しており、歴史的建造物が日常の風景に溶け込む姿もこの門ならではの魅力といえるでしょう。

忍者好き必見!唯一高知城にだけ現存する「忍び返し」

高知城の天守をぐるりと囲むように設けられた「忍び返し」は、外壁の下部に設置された突起構造で、壁をよじ登る侵入者を防ぐための防御装置です。

石垣の上部に取り付けられた「忍び返し」(鉄製の防御柵)を見上げる構図

江戸時代の城郭建築においてこのような装備は数例確認されているものの、現存しているのは高知城だけという非常に貴重な存在です。

忍び返しの接写(白壁と黒い鉄製の逆棘柵)

その構造は、見た目にはさりげないながらも、実際に近づいてみるとその厳重な造りに驚かされます。

まさに、忍者や間者の侵入を防ぐための知恵と工夫が凝縮されたディテールであり、築城当時のリアルな防御意識を感じられるポイントです。

石垣上に設置された忍び返しの全体像(天守と共に写る)

忍者好きや城郭マニアにとっては見逃せない見どころのひとつであり、天守の防衛ラインを体感できる重要な遺構です。

天守までの道のりも見どころが充実!

高知城への石畳の登城道を歩く観光客の後ろ姿

高知城の天守へ向かう道のりには、詰門や黒鉄門をはじめとした歴史的な建造物や、石垣の迫力ある風景が続きます。

緩やかな坂や石段、折れ曲がった通路が巧みに配置されており、防御の工夫とともに、歩くたびに風景が切り替わるのも魅力です。

登るほどに視界が開け、天守が徐々に近づいてくる構造は、高知城ならではの見どころのひとつといえるでしょう。

登城道の途中に広がる緑豊かな石垣と木々

▼▼▼ 天守までの道のりと見どころについて詳しく見る ▼▼▼

www.ritocamp.com

日本三大夜城:ライトアップで輝く夜の高知城

高知城は、大阪城・高田城とともに「日本三大夜城」に選ばれています。日没後は天守や追手門などがライトアップされ、昼間とは異なる表情を見せてくれます。

ライトアップされた高知城天守

なかでも追手門越しに浮かび上がる天守は、夜の高知城を象徴する絶好の撮影スポット。穏やかな灯りに照らされた石垣や木立が、歴史ある城郭に静かな美しさを添えます。

夜にライトアップされた追手門の石垣と城壁

高知城花回廊:桜と灯りが彩る、春夜限定の幻想空間

「高知城花回廊」は、毎年春に開催される期間限定のライトアップイベントです。天守や追手門周辺が桜と和傘、灯籠などで美しく彩られ、夜の城内が幻想的な雰囲気に包まれます。

紅葉に包まれた夜の高知城天守のライトアップ

ライトアップされた高知城天守と観覧客の様子

紅葉とライトアップに彩られた夜の高知城

舞や雅楽の上演が行われることもあり、歴史ある空間に華やかな演出が加わるこの時期は、特別な高知城を楽しめる絶好の機会です。

高知城歴史博物館:展示も眺望も楽しめる、城下町の文化拠点

ガラス張りの高知城歴史博物館の外観

高知城のすぐ東隣にある「高知城歴史博物館」は、土佐藩の歴史や高知の文化を体系的に学べる博物館です。

館内では、藩主の書状や古地図、武具、調度品など貴重な史料を展示しており、常設展示に加えて企画展も定期的に開催されています。

木とガラスが融合した高知城歴史博物館の館内通路

また、3階にはガラス張りの展望ロビーがあり、高知城天守を望む開放的な空間でひと休みすることもできます。

館内のカフェでは地元食材を使った軽食も楽しめ、歴史を学ぶだけでなく、観光の合間の休憩スポットとしても活用できます。

上空から見た高知城歴史博物館

▼▼▼ 高知城歴史博物館について詳しく見る ▼▼▼

www.ritocamp.com

昼も夜も見どころ尽くし!歴史と景観を楽しめる高知城

木々の間から見える高知城天守

高知城は、現存する天守・本丸御殿・追手門が揃って残る全国唯一の城として、極めて高い歴史的価値を持っています。

城郭全体には、江戸時代の築城技術や防御の工夫が随所に見られ、建築・構造ともに見ごたえのある要素が数多く残されています。

満開の桜と赤い提灯、その背後に高知城の石垣が見える春の風景のクローズアップ。

また、ライトアップや桜の名所としても知られ、四季や時間帯によって異なる景観を楽しめるのも特長のひとつです。

木々と山々に囲まれた、雪化粧をまとった高知城天守の冬景色。

見どころの多い高知城へ、ぜひ足を運んでみてください。

石畳の坂道の先に見える高知城天守。春の新緑に包まれた風景。


あわせて読みたい:

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

高知城天守を徹底紹介!現存十二天守の構造・見学ルート・所要時間を詳しく解説

高知城天守の歩き方ガイド|押さえておきたい見学ルート・所要時間・見どころまとめ

有料で入れる高知城天守の中は?見どころと歩き方を詳しく解説

高知城を訪れたら、ぜひ入ってみたいのが天守閣。

江戸時代から残るこの天守には、外観だけではわからない展示や構造の面白さが詰まっています。

この記事では、実際の見学ルートに沿って、各階の見どころや見える景色を写真付きで紹介していきます。

初めて訪れる方でも迷わないよう、順路や所要時間の目安も含めて解説していますので、観光前の予習にもおすすめです。

高知城天守

高知城天守

高知城天守は、高知県高知市にある木造の現存天守で、全国でも数少ない「現存十二天守」のひとつです。望楼型の構造を持ち、天守・本丸御殿・追手門がすべて当時のまま残る唯一の城として知られています。

営業時間
9:00 ~ 17:00(入館は16:30まで)
定休日
12 月 26 日 ~ 1 月 1 日
電話番号
088-824-5701
公式サイト
https://kochipark.jp/kochijyo/
料金
500円(18歳未満無料、学生証等の提示あり)
駐車場
敷地内に駐車場あり(7:30~18:30 / 最初の1時間370円、以降30分毎に110円)
アクセス
JR高知駅から徒歩約25分、とさでん交通「高知城前」電停から徒歩5分
所在地
〒780-0850 高知県高知市丸ノ内 1-2-1

関ヶ原の戦い後に築かれ、江戸時代の姿を今に残す城

高知公園内に設置されている山内一豊像。馬に乗る凛々しい姿

高知城の築城が始まったのは1601年。関ヶ原の戦いで徳川方に功績を挙げた山内一豊が、土佐一国を与えられたことに始まります。それまで土佐を治めていた長宗我部氏の旧城「浦戸城」は海に近く、水害の多い土地でした。一豊はそれを嫌い、防御に適した現在の高台に新たな城を築くことを決断します。

その後、1603年には天守を含む本丸がほぼ完成。1727年の火災で一度焼失しますが、1749年に再建された天守が現在まで残り、江戸時代の姿を今に伝えています。

高知城が現存天守として残った背景には、戦火や大規模な再開発を逃れた幸運に加え、早くから文化財としての価値が認められ、丁寧に修復と保存が続けられてきたという事実があります。天守・本丸御殿・追手門が一体で現存しているのは、全国でも高知城だけです。

天守・本丸御殿が揃って残る唯一の現存天守

青空に映える高知城天守閣の外観

日本には江戸時代以前に建てられた天守がそのまま現存しているお城が12あります。これが「現存十二天守」と呼ばれるもので、高知城もそのひとつです。

高知城の天守は、1749年(寛延2年)に再建されたもので、現在まで大きな損傷を受けることなく残っています。しかも、高知城は天守と本丸御殿が現存している全国唯一の城でもあります。

その保存状態の良さと、歴史的価値の高さから、多くの城ファンが訪れるスポットとなっています。

見学の前に知っておきたい、天守の構造と階層の仕組み

高知城は 4 重 5 階の構造です。見学では、階段を上りながら 1 階から 5 階までを見学していきます。

高知城の構造的には、厳密には 4 重 6 階なのですが、重要文化財指定としては 4 重 5 階となっており、公式サイトでも 5 階建てであるとしています。

天守閣の階層と構造がわかるイラスト

5 階部分は窓も狭間もなく「小屋の段」と呼ばれ、実際に見学通路もなくそのまま 6 階へ上がることから、本記事でも 5 階建てとして紹介しています。

歴史と景色をたどる約30分の高知城観光クライマックス

高知城天守全体

高知城観光におけるクライマックスは、有料区間である天守の見学です(500円)。

高知城の天守見学は、本丸御殿(懐徳館)・天守閣・隣接する櫓と 3 つがセットになっています。

本丸御殿の見学から始まり、御殿と接続されている天守閣へ入ります。天守閣内では 1 階から 5 階へと順に上り、1 階へ戻った後で最後に隣接する櫓を見学する流れになっています。

天守自体はコンパクトですが、懐徳館など全てを含め、所要時間はおおよそ 30 〜 40 分を見ておくと安心です。

本丸御殿については、以下で詳しく紹介しています。

▼▼▼ 本丸御殿(懐徳館)について詳しく見る ▼▼▼

www.ritocamp.com

展示、眺望、防御構造!各階に見る、高知城天守の楽しみ

高知城天守の内部は、展示や眺望、防御構造といった多彩な見どころが各階ごとに展開されています。

ここでは 1 階から 5 階まで、見学順路に沿ってそれぞれの特徴や見どころをご紹介します。

1階:城下町にタイムスリップ!精巧なジオラマと防御構造

1 階では、高知城城下町の様子を再現したジオラマや、高知城の歴史などの展示が行われています。

江戸時代の高知城下町を再現した大型ジオラマ展示(1階)

人々の暮らしを精密に再現した高知城のジオラマ展示(1階)

また、狭間や石落としといった防御構造も見ることができます。

敵の侵入を防ぐための防御設備『石落とし』を上から見た様子(1階)

2階:構造美と模型で学ぶ高知城の全貌

2 階では、高知城模型の展示をはじめ、高知城建築の歴史や修理に関する展示が行われています。

木造の梁と柱が美しい高知城天守の2階内部の全景

特に高知城の模型は精巧に作られており、明治期に取り壊された二の丸御殿や三の丸御殿なども含め、当時の様子を知ることができます。

高知城の全体像を立体的に把握できる精巧な城郭模型(2階展示)

3階:戦いの工夫が詰まった「破風の間」と眺望

3 階では、修復工事のパネル展示が行われているほか、破風の間とそこからの風景を楽しむことができます。

高知城天守3階内部と修復工事のパネル展示の様子

破風の間とは、城の屋根の内部に設けられた小部屋で、かつては敵を見張ったり狙撃したりするための重要な場所でした。この破風の間には、2つの窓が設置されており、窓からは、高知市街地を一望できます。

破風の間に設けられた隠し部屋(3階)

高知城天守3階、破風の間から外を望む2つの窓の風景(やや暗い室内)

天気など条件が良ければ、まるで額縁に飾られた絵のような光景を見られます。3 階に行ったらぜひチェックしてみてください。

窓からは、高知市内を一望できる

4階:全国の名城写真がずらり!城好き必見の展示空間

4 階では、日本各地の城の写真が展示されています。

高知城天守4階に展示された日本の名城の写真ギャラリー全景

国宝や、四国の城、高知城に縁のある城など。自分の視界一杯に展開される、一つ一つ全く違う天守の表情は、お城好きなら眺めていて楽しいはず。過去に自身が行ったことのある城や、これから行ってみたい城など探してみてください。写真自体が少し昔の写真なのも、時代を感じられて楽しいポイントです。

『日本100名城』の一部として展示された城の写真(高知城天守4階)

なお、窓からは、高知市街と天守の瓦屋根が一体となった美しい景色を楽しめます。この窓から入る心地よい自然の風もぜひ感じてみてください。

高知城天守4階の窓から見える高知市街の景色と瓦屋根

5階:最上階から一望!高知市街と山並みの絶景

5 階は最上階です。展望デッキとして整備されています。物見が主な役割のため、5 階はコンパクトです。

高知城天守5階内部の全景。木造の床と梁が印象的な展望スペース

この階でユニークなのが木造の案内板です。そこには

「落書き・喫煙・飲食・昼寝を禁ず」

と書かれており、"昼寝"まで記載されているのがユーモアがあります。

高知城天守5階の別角度から見た内部構造と案内パネル

5 階からは、方角ごとに異なる景色を楽しめます。北側には城下の緑が広がり、北東方向には市街と山々の連なりが続きます。南東にはテレビ塔が見え、南方向には遥か四国山地の稜線まで望める絶景が待っています。眼下にはしゃちほこ付きの瓦屋根や本丸の様子も確認できます。

高知城天守5階から北方向を望む。瓦屋根越しに広がる緑豊かな本丸と高知市街の景観

高知城天守5階から北東方向を望む。緑に囲まれた城郭とその先に広がる市街地の眺望

高知城天守5階から南東方向を望む。テレビ塔や現代建築が立ち並ぶ市街地の景色

高知城天守5階から南方向を望む。瓦屋根とともに遠くの山々まで見渡せる展望

高知城天守5階から見下ろすしゃちほこ付きの瓦屋根と、眼下の青々とした木々の風景

高知城天守5階から本丸を真上から見下ろした様子。重厚な瓦屋根と中庭の様子がよくわかる俯瞰ビュー

高知城天守とつながる東西の多聞櫓と廊下門

高知城天守から繋がる廊下門と西多聞の外観。木造の通路と石垣が印象的な景観

天守からは東多聞・廊下門・西多聞とも繋がっており、それぞれで展示を楽しむことができます。順路としては、5階まで上がり、1階まで降りてきてからこれらの櫓を見学する流れになっています。

槍を構えて戦う姿を再現した長宗我部軍の兵士像(高知城西多聞の展示)

山内一豊が高知に入る際におきた瀧山一揆の様子を再現した展示物

御馭初の儀という正月儀礼の様子を再現した展示物

クジラを取り囲む船団と海の様子を再現した迫力ある捕鯨ジオラマ(左側からの視点)

高知の伝統的な捕鯨の様子を精緻に表現したジオラマ展示(正面から)

高知城西多聞内部の展示スペース。歴史的な建築様式が残る木造の空間

高知公園から天守までの行き方

高知城の天守は、正面入口である追手門から 5 〜 10 分程度歩きます。往路は上り坂のため、時間に余裕を持っておくと安心です。

追手門から天守までの徒歩経路マップ

  1. 追手門から入る
  2. 階段を上っていく
  3. 二の丸広場に到着
  4. 高知城懐徳館入口から進む
  5. 天守へ到着

▼▼▼ 追手門から天守への行き方について詳しく見る ▼▼▼

www.ritocamp.com

見学の注意点とおすすめの時間帯

  • 天守内は靴を脱いでの見学になります。脱ぎ履きしやすい靴がおすすめです。
  • 昔ながらの城のため、階段が非常に急です。注意しながら上がりましょう。
  • 見晴らしを楽しむなら、天気の良い午前中〜昼頃の時間帯がベスト。
  • 天守の壁は白いため、壁の白さを際立たせて撮影するなら午前から正午頃がおすすめです。
  • 天守内にエレベーターや空調設備はありません。夏場はこまめに水分補給を行いましょう。

日本で唯一、現存する御殿と天守を体感できる高知城

青空と高知城天守閣

本記事では、高知城天守の概要、歴史的背景、構造の仕組み、各階の展示内容や眺望のポイントまで、見学前に押さえておきたい情報を紹介しました。

天守は4層5階建てで構成されており、1階から最上階まで、ジオラマ、防御構造、模型展示、眺望スペースと階ごとに趣が異なります。全体を通して、高知城の築城技術や当時の生活・戦略を立体的に理解できる構成です。

さらに、高知城は天守だけでなく、本丸御殿や追手門までもが一体で現存する全国唯一の城。江戸時代の城郭がそのままの姿で残る、貴重な文化財です。

見学時間はおよそ30分。日本で唯一、江戸時代の御殿と天守建築を歩きながら体感できる高知城天守に、ぜひ足を運んでみてください。

石垣と天守のある高知公園の風景


あわせて読みたい:

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

川越城本丸御殿|東日本で唯一現存!歴史・建築・内部を完全解説

川越城本丸御殿|東日本で唯一現存!歴史・建築・内部を完全解説

川越城本丸御殿を細部まで!より深く知るための完全ガイド

川越城本丸御殿外観

川越城本丸御殿は、東日本で唯一現存する本丸御殿建築として、全国でも特別な存在感を放っています。将軍の宿泊所としての格式を備え、藩主の政務・居住の場として機能したこの御殿は、江戸時代の武家文化と建築技術を今に伝える貴重な遺構です。

本記事では、川越城本丸御殿の歴史的背景から、玄関や大広間に込められた建築美、家老たちが政務を行った詰所の構造に至るまで、川越城本丸御殿の魅力を、深く掘り下げてご紹介します。

なお、簡潔に見どころだけを知りたい場合は以下の記事がおすすめです。

▼▼▼ 川越城本丸御殿の見どころについて詳しく見る ▼▼▼

www.ritocamp.com

戦国から幕末へ、川越城と本丸御殿の歴史

本城住居絵図

川越城は、1457年に扇谷上杉家の家臣、太田道真・道灌父子によって築城されました。当時、関東の要衝として設計され、戦国時代には北条氏、豊臣氏による支配を経て、江戸時代には徳川幕府の重臣が城主を務める「江戸の北の守り」として重要視されました。

特に「知恵伊豆」の異名を持つ松平信綱が城主を務めた時代には、城下町の整備が進み、川越は江戸文化の影響を色濃く受ける町として発展します。

本丸御殿は、江戸時代初期に将軍の宿泊所として建てられたものの、三代将軍家光以降将軍の来訪が途絶えたことで解体。長く空き地のままでしたが、1846年、二の丸御殿が火災で焼失したため、本丸跡に新たに建設されたのが現存する本丸御殿です。嘉永元年(1848年)に完成したこの御殿は、藩主の居住と政務の場として使用され、幕末の激動期を経て今日までその姿を留めています。

川越城本丸御殿 年表
太田道真・道灌父子が川越城を築城
豊臣秀吉の小田原征伐により北条氏が滅亡、徳川家の支配下に入る
松平信綱が川越藩主となり、城下町の整備を推進
江戸時代初期 将軍宿泊用の本丸御殿が建設される
1640年代以降 将軍の宿泊が途絶え、宿泊用御殿は解体
二の丸御殿が火災で焼失
現存する本丸御殿が再建される
明治維新、川越城は県庁・公会所・学校などに転用
埼玉県指定有形文化財に指定
家老詰所が追加で埼玉県指定有形文化財に指定
2008–2011年 保存修理工事が実施され、屋根・土壁などが修復

唐破風玄関と櫛形塀に見る、格式高き武家建築の美

唐破風玄関

現存する川越城本丸御殿の玄関は、大唐破風を備えた壮麗な造りが特徴です。銅板葺の大屋根に、間口三間の広い開口部、堂々たる八寸角の柱が並び、17万石の大名にふさわしい威厳を湛えています。

開口部

玄関左右には「櫛形塀」が連なり、元々は片側のみが残っていましたが、1968年(昭和43年)に左右両方が復元。櫛形塀の流れるような曲線美は、御殿の格式を象徴するとともに、建物全体の意匠に調和を与えています。

櫛形塀

この玄関は、藩主や来訪者に対する威厳の演出だけでなく、武家社会における地位の象徴でもありました。かつてこの正面玄関を使用できたのは、将軍のみ。藩主であっても、脇玄関の中ノ口から出入りしていたといわれています。

玄関

城の中枢を支えた、各部屋の役割と特徴

川越城本丸御殿は、藩主の政務と生活を支えるため、各部屋が明確な役割を持って配置されています。建築当時の機能と意匠を残す空間は、江戸時代の武家社会の秩序と緊張感を今に伝えています。ここでは、それぞれの部屋が果たした役割と特徴をご紹介します。

本丸御殿館内案内図

使者の間|使者のための控え室

使者の間

藩主との謁見を待つ使者が控える空間。室内は簡素ながらも、襖絵や欄間などに精緻な装飾が施され、格式ある迎賓の場としての雰囲気を醸し出しています。

使者の間の欄間

使者の間の襖絵

使番詰所|伝令・監察役人の待機所

藩政を支えた使番たちの詰所は、職務の厳粛さを反映して簡素な造りになっています。質素な空間ながら、効率的な動線設計がなされており、迅速な伝達と監察業務が行えるよう工夫されています。

使番詰所

老体・番抜詰所|高齢役人のための控え室

現役を引退した高齢の役人たちが詰めた部屋で、装飾を排した落ち着いた空間が特徴です。表舞台からは退きつつも、彼らの経験が藩政の安定を支え続けたことが偲ばれます。

老体・番抜詰所

物頭詰所|足軽頭の控え室

足軽を指揮する物頭たちの控え室。シンプルな設えでありながら、戦時には迅速な対応が求められるため、実用性が重視された構造となっています。

物頭詰所

明治棟|近代化の歴史を伝える増築部分

第 1 展示室

明治時代に増築された明治棟では、第 1 展示室として、保存修理工事に関する展示が行われています。歴史的遺構と近代化の接点として、御殿の新たな役割を今に伝えています。

保存修理工事に関する展示1

保存修理工事に関する展示2

交換した南側鬼瓦

坊主当番詰所|僧侶の宿直室

第 1 展示室

僧侶が宿直し、儀式や藩主の精神的支えを担った部屋。現在は第 2 展示室として、年表や城絵図の展示が行われ、川越城の歴史を視覚的に学ぶことができます。

坊主当番詰所

川越城本丸御殿の年表展示

家老詰所|藩政の中枢を担った空間

家老詰所案内図

藩政の中枢となった家老詰所では、重要な政務が日々取り行われていました。黒船来航時には防衛対策が協議されるなど、藩政運営の緊張感が漂う空間であり、現在は人形展示によりその様子が再現されています。

家老詰所 家老詰所

年寄詰所 年寄詰所

記録方詰所 記録方詰所

中ノ口|将軍以外のための出入り口

中ノ口は、正面玄関に比べて間口2間半の一回り小さな規模の玄関です。正面玄関は将軍専用とされていたため、藩主をはじめとする関係者はこの中ノ口を使って出入りしていました。格式を守るための動線設計の一端を示しています。

中ノ口(御殿内)

中ノ口(御殿外)

徒詰所|護衛武士の詰所

御殿の警護を担った徒士たちの控え室。護衛の前線拠点として機能しており、藩主の安全確保のための重要な役割を果たしていました。

徒詰所

広間|格式高き迎賓空間

広間(全体)

36畳もの広さを持つ広間は、来客の待機場として使われました。格天井の意匠、豪華な襖絵、そして空間全体に漂う静謐な空気が、御殿の格式を際立たせています。

広間の襖

この広間には、紫裾濃威胴丸具足(むらさきすそごおどしどうまるぐそく)という甲冑が展示されています。

紫裾濃威胴丸具足

紫色の威し紐で飾られたこの胴丸具足は、江戸時代に作られたもので、藩主の威信を示す儀礼用の甲冑と考えられています。裾に向かって色を濃くする「裾濃(すそご)」の技法と、細部に施された精緻な装飾が見どころであり、広間の格式高い空間と美しく調和しています。

紫裾濃威胴丸具足(兜)

紫裾濃威胴丸具足(胸部)

紫裾濃威胴丸具足(胴部)

豪華な襖絵とともに、この甲冑もまた、当時の武家文化の美意識を今に伝えています。ここから藩主との対面へと至る道筋が、厳かな儀礼の一環として機能していました。

御殿に潤いを与える中庭|石庭と飛び石が彩る静謐の空間

川越城本丸御殿には、御殿建築に寄り添うように整備された美しい中庭が広がっています。

石庭(南側)

石庭(中庭)

この庭は、江戸時代に存在した大書院跡地の一部とされ、現在は飛び石が配された庭園と、白砂を敷き詰めた石庭(枯山水)が整備されています。

庭園

飛び石が連なる開放的な庭園空間は、自然の景観を取り込みながら、歩くたびに景色が移ろう趣を持たせています。御殿の木造建築と調和し、控えめでありながらも品格を感じさせる空間に仕上がっています。

また、石庭では白砂に施された砂紋と植栽が織りなす静謐な世界が広がり、まるで絵画のような美しさを御殿内から眺めることができます。

白砂に施された砂紋

かつて藩主や家臣たちが行き交ったこの地に、今は静かな庭の景色が広がり、御殿内部の厳粛な空気を和らげています。

歴史を感じさせる建物と自然が融合したこの中庭は、川越城本丸御殿の魅力をより一層引き立てています。

中庭

明治から現代へ、川越城本丸御殿の保存と修理の歩み

廊下

明治維新後、全国の城郭建築は廃城令により次々と姿を消していきましたが、川越城本丸御殿は奇跡的に解体を免れました。これは、時代の要請に応じて県庁、公会所、煙草専売工場、武道場、学校など、公共施設として次々と転用されたことが大きな要因です。用途を変えながら活用され続けたことで、建物は存続への道を歩みました。

屋内運動場として使われていた頃の名残。広間の天井には、くっきりとバレーボールの跡がついている 天井に付いたバレーボールの跡

1967 年には玄関と大広間が埼玉県指定有形文化財に、1991 年には家老詰所も追加指定され、文化財としての地位が確立されました。保存すべき遺構として、歴史的価値が公式に認められた形です。

さらに、2008 年から 2011 年にかけては、約 2 年半にわたる大規模な保存修理工事が実施されました。屋根の葺き替え、木材の補修、耐震補強、土壁の復元など、歴史的な建築技法を尊重しつつ、現代の安全基準を満たすための改修が進められました。この工事によって、御殿の真正性を維持しながら、次世代に継承する基盤が整えられました。

川越城本丸御殿は、こうして歴史の荒波を越え、現代にその姿を留めています。

家老詰所の縁側に差し込む西日

日本100名城スタンプの設置場所と押印方法

パンフレットと入場チケット

川越城本丸御殿は、日本100名城にも選定されています。来館者向けに、スタンプラリー用のスタンプが設置されています。

通常、スタンプは川越城本丸御殿の館内に設置されており、開館時間中(9:00〜17:00)であれば、誰でも押印することができます。

ただし、入館受付は 16:30 までとなっているため、スタンプを押したい場合は時間に余裕を持って訪れるのがおすすめです。

なお、本丸御殿が休館日(月曜・第4金曜日など)にあたる場合は、本丸御殿の隣りにある初雁公園休憩所にスタンプが移設され、同じく 9:00〜17:00 の間に押印が可能です。

また、年末年始(12月29日〜1月3日)に限り、本丸御殿と初雁公園休憩所がいずれも休館となるため、スタンプは 川越市役所当直室(本庁舎地下1階)に設置されます。

参考: 日本100名城スタンプ(19 川越城)設置場所|川越市

東日本唯一の本丸御殿へ、その歴史を体感しよう

本丸御殿正面

川越城本丸御殿には、格式高い武家建築の美と、藩政を支えた実務空間の緊張感が、今もなお息づいています。玄関の大唐破風、大広間の静謐な空気、家老詰所に残された往時の面影。それぞれが今もなお、往時の面影を静かに伝えています。

家老詰所に入る光

東日本で唯一現存する本丸御殿という貴重な存在は、江戸時代の武家文化と建築技術を体感できる格好の機会です。歴史の重みと静かな気配に包まれながら、川越城本丸御殿の内部を歩くことで、過去と現在をつなぐかけがえのない時間を過ごしてみてください。

本丸御殿外観

川越城本丸御殿 基本情報

営業時間
9:00〜17:00(最終入館 16:30)
定休日
月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始(12/29〜1/3)、毎月第四金曜日(館内整理日、祝日除く)
電話番号
049-222-5399(川越市立博物館)
公式サイト
https://www.city.kawagoe.saitama.jp/museum/honmaru/1011573.html
駐車場
無料駐車場有り
所在地
埼玉県川越市郭町 2-13-1
川越城本丸御殿 入館料
区分 料金
一般 100円
大学生・高校生 50円

川越城本丸御殿パンフレット [PDF]


川越城本丸御殿に関する以下の記事もぜひご覧ください。

▼▼▼ 川越城本丸御殿へのアクセス方法について詳しく見る ▼▼▼

www.ritocamp.com

▼▼▼ 川越城本丸御殿の見どころについて詳しく見る ▼▼▼

www.ritocamp.com

▼▼▼ 川越城本丸御殿内部について詳しく見る ▼▼▼

www.ritocamp.com

▼▼▼ 川越城の史跡・遺構について詳しく見る ▼▼▼

www.ritocamp.com


あわせて読みたい:

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

歴史も絶景も街歩きも!見どころ想像以上の松山城観光ガイド

歴史も絶景も街歩きも!見どころ想像以上の松山城観光ガイド

“城”の枠を超える!松山城の見どころを徹底紹介

松山市と松山城

愛媛県松山市の中心にそびえる松山城は、現存 12 天守のひとつとして知られ、歴史的価値だけでなく、その圧倒的な存在感と眺望で多くの人を魅了しています。標高 132m の山頂に築かれたその姿は、市内のあらゆる場所から見上げることができ、まさに街のシンボルといえる存在です。

そんな松山城の魅力は、連立式天守や美しい石垣、本丸からの絶景はもちろんのこと、麓の庭園や公園、商店街、さらには夜のライトアップまで、お城そのもの以外にも見どころが数多く点在しています。

この記事では、初めて松山城を訪れる方にもわかりやすく、松山城観光の見どころを紹介していきます。

松山城

本丸広場から見た松山城

松山城は、日本に 12 個しか現存していない天守の一つであり、また連立式天守を持つ極めて希少な城郭建築として知られています。築城は 1602 年、加藤嘉明によるもので、その後松平氏により江戸時代を通じて守られてきました。

営業時間
2-7月, 9-11月 9:00 〜 17:00
8月 9:00 〜 17:30
12-1月 9:00 〜 16:30
定休日
12月第3水曜日
電話番号
089-921-4873
公式サイト
https://www.matsuyamajo.jp/
駐車場
松山城駐車場(有料・ロープウェー駅まで徒歩2分)
アクセス
ロープウェイ・リフトのりば 山麓駅『東雲口』から山上へ。
登山道「松山城ウォーキングコース」より徒歩で山上へ。
所在地
〒790-0008 愛媛県松山市丸之内1
天守観覧料金
区分 料金
大人 ¥520
小人(小学生) ¥160
ロープウェイ・リフト料金
区分 往復券 片道券
大人 520円 270円
小人 260円 140円
松山城パンフレット(PDF)
日本語
English
繁體中文
简体中文
한국어

連なる櫓に圧倒!現存天守が語る、松山城の迫力と美しさ

松山城の中心にそびえるのが、現存12天守のひとつである本壇(ほんだん)です。その堂々たる姿は、築城から400年以上の時を経てなお、訪れる人々を圧倒し続けています。

松山城本壇

内部に入ると、太い梁や柱が支える木造建築の力強さが目に飛び込み、石落としや狭間(はざま)といった戦いのための構造にも触れることができます。博物館ではなく、「戦うための城」そのものに足を踏み入れている感覚が味わえるのは、現存天守ならではの体験です。

また、天守内では松山城の築城や歴史に関する展示から、刀剣、甲冑などの展示もあり、当時の武将たちの息遣いを感じるようなひとときが過ごせます。松山城を訪れるなら、この本壇こそが観光の核心。歴史と緊張感、そして建築美を一身に体感できる場所です。

松山城一帯は基本的に無料ですが、この天守を含む本壇へのアクセスのみ有料となっています。

▼▼▼ 松山城天守について詳しく見る ▼▼▼

www.ritocamp.com

天守最上階から感動が広がる!松山の街と海を一望する絶景スポット

天守の最上階に登ると、そこには松山城ならではのご褒美が待っています。 ぐるりと視界が開けた展望スペースからは、遮るもののない360度の大パノラマ。松山市街や瀬戸内海、そして天気の良い日には遠く石鎚山系までをも望む大パノラマが広がります。

天守最上階からの眺望

天守最上階からの眺望

特に、眼下に勝山の頂上である本丸広場、そこからさらにひろがる都市絶景の連なりは、松山城が山上の城であることを実感させてくれる、松山城ならでは景色です。

天守最上階からの眺望

本丸広場:本丸の特等席でひと休み!絶景と名物を楽しむ休憩ポイント

本丸広場

天守のすぐ足元に広がる本丸広場は、松山城観光の中でもとくに開放感を感じられる場所です。標高 132m の高台にあるこの広場は、眼下に松山市街、視線を上げれば瀬戸内海や石鎚山系が見渡せる絶好のビュースポット。天守からの眺望とはまた異なる、“広がり”のある風景を楽しむことができます。

本丸広場からの眺望

また、ここでは観光客の楽しみを支える設備も充実しています。名物「みかんジュースが出る蛇口」でちょっとした体験をしたり、軽食やお土産を選んだりと、天守見学の前後に立ち寄ってひと息つくのにぴったりです。

土産・食事処

みかんソフトクリーム

さらに、城を支える高石垣のスケール感や、広場から見上げる天守の威厳ある姿もまた印象的。方角によって景色が全く違いますので、自分だけの「松山城の特等席」を見つけてみてください。

本丸広場断崖絶壁の石垣と櫓

本丸広場からの眺望

進む度に驚きが待つ!巧妙な門構造が語る防御の知恵

松山城の登城ルートで注目すべき見どころのひとつが、巧みに配置された「門」の数々です。特に戸無門(となしもん)、そして隠門(かくれもん)は、それぞれに異なる構造と役割を持ち、敵の侵入を徹底的に阻む工夫が凝らされています。

挟み撃ちで敵を一網打尽!巧みな誘導線

戸無門はその名の通り扉を持たない特異な構造で、敵の動線をコントロールするための仕掛けとなっています。

戸無門 戸無門

敵は門が開いていると思い自然とこの門を通過し侵入します。そしてその直後に、立派な筒井門が現れます。これによって敵は、この先に天守があると思い込み、筒井門を通過します。筒井門にはもちろん、兵士の抵抗がありますが、ここで機能するのが次の隠門です。

隠門は、その存在に気づかれにくいよう配置された「見えにくい門」。不意打ちを仕掛けるための隠し通路のような役割も果たしていました。

隠門 隠門

戸無門から敵を誘い込み、筒井門へ誘導、筒井門の先で兵士と戦っているところを、筒井門の奥にある隠門から兵士が出てきて背後から挟み撃ちにする。という防御戦略の元、構築されています。

戸無門・筒井門・隠門を使った防御戦略

こうした門を実際に歩きながら体感すると、城が「見せる建築」だけでなく、「戦うための要塞」であったことが実感できます。松山城の防御思想と築城技術の奥深さを感じながら、門をくぐるごとに時代の空気を味わってみてください。

筒井門(裏側)

圧巻!石垣と櫓が語る松山城の防御美

高石垣

本丸へと向かう道中、まず目を奪われるのが高さ 17m を誇る「高石垣(たかいしがき)」。その圧倒的な存在感と、自然地形を巧みに活かした造形美は、築城技術の高さと実戦的な防御力を物語っています。石垣の上に立つと、眼下に広がる風景と相まって、まさに“守るための美”を実感できます。

高石垣

その高石垣を抜けた先、本丸を取り囲むように残る乾櫓や艮櫓などの櫓群も必見です。防御の要として配置されたこれらの櫓では、石落としや狭間(さま)といった攻撃用の構造を間近で観察でき、戦国時代の緊迫感を肌で感じることができます。

本丸を囲む石垣と櫓

さらに、足元の石垣には野面積みや打ち込みハギといった多彩な築法が見られ、石の積み方ひとつからも、時代背景や職人たちの技術が伝わってきます。武者走りや井戸跡などの遺構も点在し、歩くほどに新たな発見があるのも松山城ならでは。

“美しさの裏にある、徹底した防御”。その真価を、歩きながら体感してみてください。

二之丸史跡庭園:殿様の御殿跡が、恋人たちの聖地に

二之丸史跡庭園 表御殿跡

二之丸史跡庭園は、本丸のある勝山の麓にある、かつて藩主の御殿が建ち並んでいた二之丸跡に整備された静かな回遊式庭園です。庭園内には池泉や芝生が広がり、歩道も美しく整備されており、松山城の城郭全体の広がりや格式を感じることができます。

二之丸史跡庭園 多聞櫓と山上の松山城

また、二之丸史跡庭園は 2013 年に「恋人の聖地」としても認定されており、カップルに人気のスポットとして知られています。日露戦争にまつわるロマンス(ロシア人捕虜の男性と日本人女性看護師)の逸話や、結婚式の前撮りスポットとして年間700組以上が訪れるなど、歴史的な場所でありながら、現代的な魅力も兼ね備えたスポットとなっています。

金貨出土の大井戸 この大井戸で、日露戦争時のロシア人捕虜男性と日本人女性看護師の名入り金貨が出土した

三之丸・城山公園(堀之内地区):城を見上げて楽しむ、城下の癒しスポット

城山公園

三之丸にあたる堀之内地区には、広大な城山公園が整備され、市民の日常の中に松山城の歴史が自然に息づいています。芝生広場や遊具、野外ステージなどもあり、観光客だけでなく地元の人々の憩いの場としても愛されています。

かつては武家屋敷などが立ち並んでいたこの場所も、いまでは四季折々の自然を楽しめる公園として再整備され、松山城のもうひとつの顔を見せてくれる存在です。特にさくら広場は、春には多くの桜が園内を彩り、松山城と桜の風景を楽しめる名所となっています。

桜

ライトアップ:幻想的な光に包まれる夜の松山城

松山城ライトアップ

松山城はライトアップの美しさでも知られています。連立式天守が闇夜に浮かび上がるその光景は、昼間の堂々とした印象とは異なり、とても幻想的です。

松山城ライトアップ

静かな夜の空気の中で浮かび上がるそのシルエットは、まるで物語の中に登場するような、夢の中に現れたような美しさです。このライトアップは、松山城が「日本夜景遺産」に選定されていることからも、その価値の高さがうかがえます。

松山ロープウェー街:登城前後に立ち寄りたい、情緒あふれる街歩きスポット

松山ロープウェー街

松山ロープウェー街は、松山城ロープウェイ乗り場へと続く道沿いに広がる、雰囲気のある商店街です。全長約500mにわたって、地元の老舗店やこだわりの雑貨店、カフェ、飲食店などが軒を連ねています。

松山ロープウェー街

ここでは、愛媛らしいお土産を扱う店や、郷土料理を味わえる飲食店が充実しており、観光前後の食事やショッピングにも最適です。店内でゆっくりと食事が楽しめるスタイルが中心で、落ち着いた雰囲気の中、観光気分をさらに盛り上げてくれます。

みかんショップ

鯛めし屋

なお、松山ロープウェー街でランチをするなら、愛媛名物である鯛めしが楽しめる老舗の食事処「丸水本店」がおすすめです。落ち着いた和の雰囲気の中で、絶品の宇和島鯛めしを堪能できます。

▼▼▼ 丸水本店について詳しく見る ▼▼▼

www.ritocamp.com

食事もショッピングも楽しめるのが松山ロープウェー街。リフトで降りてきたらそこがすぐ商店街ですので、松山城で歴史も楽しんだ後は、美味しく楽しんでみてください。

登城の選択肢も観光の一部!ロープウェイ・リフト・徒歩で楽しむアクセス体験

松山城へ向かう道のりも、実は観光の楽しみのひとつです。城が建つ勝山(かつやま)は標高132m 。ふもとから本丸までのアクセスには、ロープウェイ・リフト・徒歩という3つのルートが整備されており、訪れる人のスタイルに合わせて選べます。

ロープウェイ乗り場

なかでも人気なのが、ロープウェイやリフトを使った登城ルート。ロープウェイ乗り場は大街道から徒歩圏内、松山ロープウェー商店街にあります。ロープウェイは約 3 分、リフトは約 6 分で頂上駅に到着します。特にリフトは開放感があり、下り方面は松山市街地の風景も楽しめるため、下りではリフトに乗るのがおすすめです。

下りリフトからの眺望

ロープウェーやリフトの到着駅から天守のある本丸広場までは徒歩で向かいますが、緩やかな坂道や整備された石段が続き、道中には前述した17mの美しい石垣や防御構造が見られる門・経路構造が次々と現れます。まるで城の歴史を一歩一歩体験しているような気分になれる道のりです。

さらに、自然の中をしっかり歩きたい方には、ふもとからの徒歩ルートもおすすめ。ゆっくりと登るにつれて木々の間から天守が姿を現し、到着したときの感動もひとしおです。

登山道から見える松山城

登城そのものが「松山城の魅力」の一部でもあります。どのルートを選んでも、それぞれに違った楽しみと風景が待っています。

松山城上りロープウェーからの眺望

松山城下りリフトからの眺望

松山城の見どころを効率よく巡る!おすすめ観光モデルコース

ここまでで松山城の見どころをたくさん紹介してきました。これらのスポットの位置関係を踏まえた、おすすめの観光モデルコースをご紹介します。歴史、眺望、街歩きといった松山城の魅力をバランスよく体験できるルートです。

松山城観光モデルコースマップ

  1. ロープウェイまたはリフトで山頂へアクセス

    • 大街道駅、もしくは大街道バス停から徒歩約 5 分、松山ロープウェー街にある乗り場、山麓駅「東雲口(しののめぐち)」からロープウェイまたはリフトで松山城本丸まで向かいます。ロープウェイは約 3 分、リフトは約 6 分で山頂近くに到着。ロープウェイは快適、リフトは開放感と眺望が楽しめます。
  2. 本丸広場まで徒歩で移動。高石垣などの防御構造を体感

    • ロープウェイ・リフトの終点である頂上駅「長者ヶ平(ちょうがなる)」から天守のある本丸広場までは、ゆっくり歩いて約 15 分。道中には、高石垣、戸無門&隠門や太鼓門などの防御建築が次々に現れ、松山城の防御戦略を実際に体感しながら向かえます。お城のハイライトは天守になりがちですが、この道中もなかなか侮れません。おすすめの楽しみポイント!
  3. 現存12天守である貴重な連立式天守・最上階からの絶景

    • 天守では、松山城の築城史や甲冑・刀剣などの展示を見学できます。最上階からは松山市街や瀬戸内海、天候次第で石鎚山系まで望める大パノラマが広がり、まさに「山城ならではの絶景」です。
  4. 下山後は松山ロープウェー街でご当地グルメやショッピング

    • ふもとへ戻ったら、松山ロープウェー街をゆっくり散策。鯛めし、みかんジュースなど愛媛らしいグルメを味わいながら、お腹も満たしましょう。
  5. 二之丸史跡庭園・城山公園で自然と歴史を感じて締めくくり

    • 最後は、城のふもとに広がる二之丸史跡庭園や三之丸(城山公園)を散策。庭園の静けさや四季折々の自然にふれながら、ゆっくりとした時間を過ごせます。

なお、本記事で紹介した本丸エリアの順路と見どころは以下のような位置関係になっています。

本丸観光ルートマップ

天守についてもっと知りたい場合は、以下の記事で詳しく紹介していますのでご覧ください。

▼▼▼ 松山城の連立式天守について詳しく見る ▼▼▼

www.ritocamp.com

本丸エリアの、実際のおすすめ観光コースの様子を知りたい場合、以下の記事で紹介しています。

▼▼▼ 松山城散策について詳しく見る ▼▼▼

www.ritocamp.com

歴史 × 絶景 × 街歩き。"城"の域を超えた、見どころ想像以上の松山城

四百年の時を経てなお、勝山の頂に威風堂々と佇む松山城。その姿は、築城当時から変わらず松山の街を見守り続けています。

本丸広場からの眺望

天守最上階から眺める絶景、本丸広場で味わう愛媛名物のみかんソフトクリーム、石垣に刻まれた職人たちの技術、そして夜闇に浮かび上がる幻想的なライトアップ。松山城は、歴史的価値と現代の観光体験の両者を併せ持っています。

戸無門から隠門へと続く巧妙な防御ルートを歩けば、戦国武将たちの息遣いを感じられ、二之丸史跡庭園では「恋人の聖地」として現代のロマンスも育まれています。城下に広がる松山ロープウェー街では、地元の人々が大切に守り続けてきた愛媛の文化に触れることができます。

連立式天守

現存12天守の希少性、連立式天守の美しさ、そして「城の枠を超えた」多彩な魅力。松山城は、歴史ファンはもちろん、絶景を求める人、街歩きを楽しみたい人、カップルや家族連れまで、あらゆる旅行者に満足のいく体験を約束します。

松山城の特徴として、アクセスの良さも挙げられます。山頂にありながらも、松山市の中心に位置しています。松山市最大の観光地、道後温泉からも近く、松山駅と道後温泉の中間地点に位置しているため、道後温泉とセットで訪問できアクセスが良いです。

愛媛県を代表する観光地として、また日本の貴重な文化遺産として、松山城は訪れる価値のある場所です。瀬戸内の温暖な気候に包まれながら、時代を超えた日本の美しさと愛媛ならではのおもてなしを、ぜひ体験してみてください。

松山城


あわせて読みたい:

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

【2025年版】二条城まるわかりガイド|18年ぶり公開の本丸御殿と世界遺産の見どころを徹底解説!

【2025年版】二条城まるわかりガイド|18年ぶり公開の本丸御殿と世界遺産の見どころを徹底解説!

二条城はなぜ特別なのか。世界遺産の見どころ徹底紹介!

徳川家康が築いた二条城は、江戸幕府の始まりと終わりという日本の大きな転換点を見届けた、歴史の舞台そのものです。現在は国宝や特別名勝に指定された建造物や庭園が点在し、その価値は世界遺産としても認められています。

本記事では、そんな二条城の魅力をわかりやすくご紹介します。見どころとなる御殿や庭園をはじめ、アクセス情報や歴史背景など、二条城観光を検討している方のお役に立てれる幸いです。

二条城

二条城

二条城は、京都市中京区に位置する、江戸時代初期に築かれた徳川将軍家の城です。国宝や重要文化財に指定された建物が点在し、日本100名城に選出されている他、世界遺産として高く評価されています。御殿や庭園といった見どころが凝縮され、歴史と美を一度に味わえるスポットとして国内外から多くの観光客が訪れる京都でも人気のスポットとなっています。敷地内には豪華な御殿や庭園が点在し、歴史と美が共存する空間が広がっています。

営業時間
8:45 〜 17:00
定休日
12月29日~31日
所要時間
1時間半〜2時間程度
電話番号
075-841-0096
公式サイト
https://nijo-jocastle.city.kyoto.lg.jp/
駐車場
第一駐車場
第三駐車場
アクセス
地下鉄東西線「二条城前」駅下車すぐ(2番出口から徒歩約1分)
市バス「二条城前」バス停から徒歩すぐ
所在地
〒604-8301 京都府京都市中京区二条城町 541

唐門|豪華絢爛な彫刻が迎える御殿の正面入口

唐門

唐門(からもん)は、二の丸御殿の正面に位置する格式高い門で、唐破風造(からはふづくり)の屋根を特徴とする建築様式です。江戸時代初期に建てられた現存の門は、将軍の威厳と城の格式を象徴する存在であり、御殿の正面入口として訪れる人々を迎え入れます。

唐門の装飾

唐門の装飾

金箔や極彩色で豪華に装飾された門には、正面に鶴、側面に唐獅子、背面に松竹梅など、縁起の良い動植物が彫刻されており、それぞれに平和・長寿・繁栄といった意味が込められています。訪れる人を圧倒するその華やかさは、まさに二条城の“顔”と呼ぶにふさわしい存在です。

二の丸御殿|大政奉還の舞台となった、豪華絢爛な国宝御殿

二の丸御殿

二の丸御殿は、江戸時代において将軍が京都滞在中に政務や儀式を執り行うための正規の居館で、主に謁見や儀礼の場として用いられていました。将軍と朝廷、あるいは諸大名との関係を象徴する空間でもあり、城の中核的な存在として重要な役割を担っていました。御殿は六棟から成り、それぞれの棟が明確な機能分担に基づいて配置されています。

二の丸御殿

現在の建物は国宝に指定されており、二条城の中でもとりわけ見応えのある見どころのひとつです。格式ある書院造の様式を今に伝える建築で、内部には狩野派による絢爛な障壁画がふんだんに描かれ、訪れる人の目を奪います。障壁画は空間ごとにテーマや技法が異なり、建築と一体となった芸術表現としての価値も高く評価されています。

なかでも「大広間」は、1867年に徳川慶喜が大政奉還を表明した、まさに歴史の大舞台。将軍が正座し、重臣たちが控える姿を想像するだけで、その空間に漂う緊張感と歴史の重みを肌で感じることができます。

さらに、御殿をつなぐ廊下には“うぐいす張り”と呼ばれる仕掛けが施されており、歩くたびに音が響きます。これは侵入者を察知するための防犯装置ともされており、見た目の美しさだけでなく、実用性と緊張感を兼ね備えた構造になっています。

二の丸御殿は、政治・文化・安全といったさまざまな役割が交錯する空間。まさに二条城の核心をなす場所です。

二の丸御殿

二の丸庭園|特別名勝にふさわしい、静と格の池泉庭園

二の丸御殿の東側に広がる二の丸庭園は、江戸時代初期に作庭された池泉回遊式庭園で、国の特別名勝にも指定されています。池を中心に石組や松、橋などが配置され、歩くたびに異なる景観を楽しめるよう計算された構成美は、まさに庭園芸術の結晶です。

二の丸庭園

この庭園は、将軍と天皇が実際に対面したという歴史の舞台でもあり、格式ある空間に漂う張りつめた静けさが印象的です。二条城の中でも、特に“整えられた美”を感じられる場所です。

実際にこの庭園は、1626年、徳川秀忠・家光親子が後水尾天皇を迎えた際の舞台にもなりました。天皇が城に足を踏み入れること自体が異例であり、この対面は、幕府と朝廷というふたつの最高権威が向き合った象徴的な出来事です。歴史の静かな緊張感を感じさせるこの庭園は、そうした特別な背景を持つ場所でもあります。

二の丸庭園

本丸御殿|18年ぶりに一般公開!ついに甦った二条城の中心御殿

本丸御殿

二条城の中心に位置する本丸御殿は、かつて火災で焼失した後、明治時代に京都御苑から移築された建物です。歴史的には将軍の私的空間や緊急時の拠点として使われ、近代では皇族の滞在施設としても利用されてきました。

2007年から始まった大規模修理を経て、2024年9月、ついに18年ぶりとなる一般公開が再開。長く閉ざされていた空間が蘇り、その威容を間近に体感できる貴重な機会として注目を集めています。

洋風のガラス窓や洋間の意匠など、明治期の西洋化を感じさせる意匠も特徴のひとつ。御殿の建築としては異色ながら、時代の移ろいを映す“二条城のもうひとつの顔”として、歴史好きにも建築好きにも見応えのある場所です。

本丸庭園|御殿の風格を引き立てる、静穏と美しさの庭園

本丸庭園

本丸御殿を取り囲むように広がる本丸庭園は、芝生と池がゆるやかに調和した、開放的で穏やかな景観が魅力です。明治時代に整備された庭園でありながら、御殿の風格を引き立てる静かな存在感を放っています。

本丸庭園

二の丸庭園のような華やかな演出こそありませんが、その控えめな美しさこそが本丸庭園の持ち味。広々とした芝生に身を置けば、かつてこの場所にあった本丸天守の威容にも想いを馳せたくなるような、ゆったりとした時間が流れます。

本丸庭園

本丸庭園

本丸御殿は、御殿と庭園がつくり出す静けさのなかで、心を落ち着けることができる場所でもあります。賑やかな二の丸エリアを巡ったあとに、少し足を止めて過ごしてみたい空間です。

天守閣跡|今はなき天守が語る、二条城の記憶と風景

天守閣跡

本丸の南西には、天守閣跡があります。かつて二条城の中心にそびえていた五重の天守は、1750年に落雷によって焼失し、以降再建されることはありませんでした。現在は石垣だけが残されており、天守のあった記憶を静かに伝えています。

天守閣跡 天守台

天守台に登ると、城内を見渡せる広がりある景色が広がり、城全体の構造や配置を直感的に感じ取ることができます。石垣に刻まれた風合いや、そこに立つ風の音は、今も往時の面影をとどめています。

天守閣跡からの眺望

天守という壮麗な建築を失ったからこそ、この場所には想像の余白が残されています。眼下に広がる空間を眺めながら、築城の意図や城の営みを思い描くことで、失われた天守が心の中に立ち現れてくるような、静かで味わい深い時間が流れます。

清流園|和と洋、ふたつの表情をもつ唯一無二の庭園

清流園

昭和期に整備された清流園は、二条城の中でも異色の存在感を放つ庭園です。西側には石組や飛び石、滝が配された伝統的な日本庭園が、東側には芝生が広がる洋風庭園があり、ひとつの空間でまったく異なる趣が味わえます。

清流園

和風と洋風の二つの様式が共存しているのは、清流園が昭和8年(1933年)に皇族の迎賓施設として再整備された背景によるものです。当時の趣向を反映し、伝統と近代が調和する空間が意図的に設計されました。そのため、どこかモダンな印象を与える庭園として独自の魅力を放っています。

特に春には園内に植えられた桜が一斉に咲き誇り、和の石組と洋の芝庭を優しく彩ります。見頃の時期には、庭園全体が淡い光に包まれ、訪れる人々の目を楽しませてくれます。

清流園の桜

清流園の桜

また、茶室「和楽庵」や書院「香雲亭」などの建物も庭内に点在し、和楽庵では抹茶や和菓子を味わいながら静かなひとときを過ごすことができます。華やかさよりも静けさと余白が際立つ清流園は、大人の観光客に特におすすめしたいスポットです。

二条城障壁画 展示収蔵館|御殿から移された本物を間近で鑑賞

二条城障壁画 展示収蔵館 外観

二条城障壁画 展示収蔵館は、二の丸御殿に飾られていた本物の障壁画を保護・展示するために設けられた施設です。二の丸御殿内の障壁画は保存の都合上すべて複製となっており、ここでは国の重要文化財にも指定された“本物”を、保存環境の整った空間で鑑賞することができます。

展示されているのは、狩野派による絢爛な花鳥図や松の絵など、豪華さと繊細さを兼ね備えた作品群です。金箔や絵具の発色、筆致の細やかさなど、複製では味わえない質感を間近で体感できるのが大きな魅力です。

展示内容はテーマごとに入れ替えられており、訪れるたびに新たな作品と出会えるのもこの施設ならでは。二条城の芸術的価値に触れたい方には、ぜひ立ち寄っていただきたいスポットです。

二条城の歴史と背景|江戸幕府の始まりと終わりを見届けた城

東大手門

二条城は、1603年に徳川家康が築城した城郭で、将軍が京都に滞在するための拠点として建てられました。政治の中心を江戸に移しながらも、朝廷との関係維持を重視していた家康にとって、京都に構える城は権威の象徴であり、戦略的な意味を持つ存在でした。

二条城は、その後も将軍上洛時の宿所や儀式の場として使用され、ときには天皇との対面が行われるなど、幕府と朝廷の関係を示す舞台となります。そして1867年、15代将軍徳川慶喜がここで大政奉還を宣言。260年続いた江戸幕府の幕を下ろす、その歴史的瞬間を二条城が見届けました。

明治維新後は皇室の別邸として活用され、戦後は京都市に移管。1994年にはユネスコ世界遺産に登録され、今ではその建築・美術・政治史的価値が世界的にも認められています。二条城は時代の転換点ごとに役割を果たしてきた、まさに“語り継ぐべき歴史の舞台”です。

二条城の主な歴史年表
徳川家康が二条城を築城
後水尾天皇が二条城に行幸、二の丸庭園などを整備
天守閣が落雷により焼失
徳川慶喜が大政奉還を宣言
皇室の離宮となる
京都市に下賜され、一般公開が開始される
ユネスコ世界遺産に登録される

電車でもバスでも行ける!二条城の行き方

二条城へのアクセスは非常に良好で、京都市内の主要エリアからの移動もスムーズです。

最寄りは地下鉄東西線「二条城前(にじょうじょうまえ)」駅で、2 番出口を出ればすぐ目の前に城壁が現れます。京都駅からは、地下鉄烏丸線で「烏丸御池」駅まで行き、東西線に乗り換えて「二条城前」駅下車がスムーズです。所要時間は約15〜20分ほどで、電車を利用するならこれが最短ルートです。

二条城前駅2番出口

また、京都駅からは市バスを利用するのも便利です。京都市バス 9 系統や 50 系統に乗車し、「二条城前」バス停で下車すれば、東大手門のすぐ前に到着します。地下鉄が混雑している時間帯や、乗り換えに不安がある方にもおすすめのアクセス方法です。

市バス

事前に調べよう!休城日と各御殿の観覧休止日

唐門と城壁

二条城は、年末年始は営業していません。また、二の丸御殿・本丸御殿それぞれで観覧休止日が設けられていますので、訪問前に確認しましょう。

  • 休城日:12月29日~12月31日
  • 観覧休止日
    • 二の丸御殿・本丸御殿共通:12月26日~28日、1月1日~3日
    • 本丸御殿:毎月第 3 月曜日とその翌日 ※祝日の場合は観覧可能
    • 二の丸御殿:1 月・7 月・8 月・12 月の毎週火曜日 ※祝日の場合は観覧可能

本丸御殿へは事前予約が必要!

本丸御殿

本丸御殿観覧には、事前に WEB チケットの購入、及び時間指定の予約が必要です。

本丸御殿を観覧するには、事前予約が必要です。二の丸御殿と異なり、当日受付での入場はできませんのでご注意ください。予約はインターネットで受け付けており、公式サイトからアクセスできます。(本丸御殿観覧予約・WEBチケット

予約枠には上限があるため、特に観光シーズンや週末は早めの手配がおすすめです。なお、予約がない場合でも、外観や庭園の観覧は可能です。

WEBチケットがおすすめ!並ばずにスムーズに入城しよう

入場券、および二の丸御殿観覧券については、現地のチケットセンターでも購入できますが、事前に WEBチケットを購入すれば、チケット購入の順番待ちに並ばずに入場できるためおすすめです。

チケットは 3 種類あり、入場券は購入必須です。二の丸御殿、本丸御殿も観覧したい場合は追加のチケット購入が必要になります。

  • 入城券:二条城の敷地に入るためのチケット
  • 二の丸御殿観覧券:二の丸御殿を観覧するためのチケット
  • 本丸御殿観覧券:本丸御殿を観覧するためのチケット
入城券
区分 料金
一般 800円
入城券+二の丸御殿観覧券
区分 料金
一般 1,300円
中学・高校生 400円
小学生 300円
6歳未満 無料
本丸御殿観覧券
区分 料金
一般 1,000円
中学・高校生 300円
小学生 200円
6歳未満 無料

二条城 WEBチケット購入ページ

※ WEBチケットは来城日の 30 日前から購入できます。

豪華絢爛と静寂が共存する世界遺産、二条城

東大手門

二条城は、数百年にわたり日本の歴史を見届けてきた、いわば“語る城”です。徳川家康が築き、慶喜が大政奉還を表明したこの場所は、歴史の中で重要な転換点の舞台となってきました。

その一方で、御殿に並ぶ狩野派の障壁画や、計算され尽くした庭園の構成美は、政治の舞台であると同時に、文化と芸術の粋が集まった空間であることを教えてくれます。

二の丸御殿

近年の修復により、長く非公開だった本丸御殿の一般公開が再開され、二条城は今、新たな魅力をまとっています。時代の変遷を経てなお進化を続ける姿には、訪れる季節や視点によってさまざまな表情が垣間見えます。

広々とした庭園で静けさを感じるもよし、展示収蔵館で本物の美術に触れるもよし。歴史の重みとともに、自分だけの時間を過ごせるのも二条城の大きな魅力です。

あなたもぜひこの特別な場所を訪れて、歩きながら、見ながら、耳を澄ませながら、二条城が語りかけてくる“歴史と美”を感じてみてください。

唐門


あわせて読みたい:

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

これで迷わない!八王子城攻略ガイド|見どころやアクセス手段など徹底解説!

これで迷わない!八王子城攻略ガイド|見どころやアクセス手段など徹底解説!

標高約400mの山頂に築かれた難攻不落の城、その全貌に迫る

東京都八王子市の山間部に、かつて威容を誇った山城がありました。その名は八王子城。戦国時代、北条氏の重臣・北条氏照が築いた要塞は、関東屈指の規模を誇り、その堅牢さから「難攻不落」と称えられていました。

高低差200メートルを超える山の斜面に築かれた城郭には、本丸、御主殿、曳橋など、数々の見どころが今も残されています。山城ならではのスリリングな地形と、悲劇的な最期を遂げた歴史が織りなす独特の雰囲気は、訪れる人の心を強く惹きつけます。

さらに八王子城は、ハイキングスポットとしても人気を集めています。春には山桜が咲き誇り、初夏には新緑が目に鮮やか。秋には紅葉が山々を彩り、四季折々の自然を楽しめる魅力的な場所です。

今回は、この八王子城の魅力を徹底的に解説していきます。アクセス方法から見どころ、おすすめの過ごし方まで、これを読めば八王子城のことがすべてわかる。そんな完全ガイドをお届けします。

無料の駐車場も完備され、ボランティアガイドによる案内も利用できる八王子城。都心から2時間もかからずに、本格的な山城跡でタイムスリップ体験ができる貴重なスポットへ、一緒に出かけてみましょう。

八王子城

東京都八王子市にある、戦国時代に北条氏照が築いた関東屈指の山城です。豊臣秀吉の小田原征伐によって落城し、悲劇的な歴史を持つこの城跡は、現在では国指定史跡となり、日本100名城にも選出され、ハイキングや歴史探訪のスポットとして人気を集めています。

八王子城

営業時間
公園内 24 時間開放
ガイダンス施設 9:00 〜 17:00
城跡茶屋 10:00 〜 16:00
定休日
ガイダンス施設: 年末年始(12月29日から1月3日まで)
城跡茶屋: 月曜日・金曜日
電話番号
042-620-7265
公式サイト
https://www.city.hachioji.tokyo.jp/kurashi/kyoiku/005/bunkazaikanrenshisetsu/p005201.html
駐車場
無料駐車場あり
アクセス
JR 高尾駅よりバスで約 10 分
所在地
〒193-0826 東京都八王子市元八王子町 3-2664-2

八王子城の歴史:北条氏の要塞、小田原征伐での落城

八王子城は、戦国時代に北条氏の家臣である北条氏照によって築かれました。関東の防衛拠点として堅牢な山城であり、「難攻不落」とも称されていました。

しかし 1590 年、豊臣秀吉が小田原城を攻める際、前田利家・上杉景勝らの軍勢が八王子城を包囲しました。わずか一日で城は陥落し、多くの武士や城兵、婦女子が命を落としました。

落城の際、多くの女性が敵の手に落ちるのを避けるため、御主殿の滝に身を投げたと言われています。この悲劇的な出来事から、現在でも心霊スポットとして語られることがあります。

八王子城跡の見どころ

御主殿跡(おもとのしんでんあと)

かつて八王子城の中心地であった場所で、石垣や庭園の跡が残っています。

御主殿跡

案内板

御主殿跡

御主殿跡

曳橋(ひきばし)

御主殿跡と登山道をつなぐ橋で、かつては城の防御のために使われていました。現在の曳橋は復元されたものですが、戦国時代の雰囲気を感じながら歩くことができます。

曳橋

曳橋

曳橋

曳橋

本丸跡(ほんまるあと)

本丸跡には社と記念碑があります。山頂まで上る必要があるため難易度は高いですが、どこか神秘な光景が広がります。

本丸跡

そしてここまで登ると、関東平野を一望できる絶景が広がります。晴れた日には富士山が見えることもありますよ。

山頂からの眺望

御主殿の滝

落城の際、多くの人々が命を落としたとされる場所。滝の周辺は静寂に包まれ、歴史の重みを感じることができます。

御主殿の滝

御主殿の滝

御主殿の滝

自然がいっぱい!御主殿跡までの古道

八王子城は山城であるため、城跡全体がハイキングコースになっています。初心者向けから上級者向けまでルートがあり、戦国時代の遺構を感じながら散策できます。

八王子城の入口から曳橋、御主殿跡の道中も、山中を歩くため、とても気持ちが良いですよ。

ハイキングコース

ハイキングコース

ハイキングコース

八王子城 管理棟

八王子城の入口には管理棟があります。

管理棟

ここはボランティアガイドさんが常駐している場所です。実は八王子城では、無料ガイドを申し込めて案内してもらるんです。

無料ガイド

ガイドは、御主殿跡をめぐるコースと、八王子城跡ガイダンス施設です。所要時間は 60 〜 90 分程度です。

八王子城のことや城主の北条氏照のことなど、わかりやすく案内してもらいながら八王子城跡内を散策できますので楽しいですよ。

なお、ガイドは事前に予約が必要です。訪問日の 10 日前くらいから電話で予約が可能です。

  • 無料ガイド時間: 9:00 〜 16:00(最終受付 15:00)
  • 予約・お問い合わせ: 042-620-7265(八王子市教育委員会文化財課)

お茶もお酒も軽食も!城跡茶屋で休憩しよう

管理棟の隣には、カフェ「城跡茶屋」が営業しています。

城跡茶屋

店内

店内はとってもシンプルですが、ここでは竹炭製品など工芸品を購入できるほか、ドリンクや軽食が購入できます。

炭製品

炭製品

ドリンク・食事メニュー

ドリンク・食事メニュー

この中でも是非食べてみてほしいのが「山菜おこわ」。昔ながらの蒸籠でふかす昔ながらのおこわがとっても懐かしい味わいでおいしいですよ。

山菜おこわ

専用の無料駐車場もすぐそこ!

管理棟

管理棟のあるところが八王子城の入口にあたりますが、その目の前に見学者専用駐車場があるため、車でのアクセスもしやすいです。

八王子城見学者専用駐車場

駐車場は無料で、利用可能時間は 9:00 〜 17:00 です。この時間帯以外は施錠されます。

駐車場利用案内板

八王子城跡ガイダンス施設

八王子城入口より少し手前に、八王子城跡ガイダンス施設があります。

八王子城跡ガイダンス施設

ここは八王子城跡の歴史や発掘調査の成果を紹介する展示施設です。八王子城の歴史から、鎧や当時の出土品を見学することができ、八王子城の歴史をより深く学べます。また、八王子城のパンフレットなども入手できるため、訪問前にここで情報を得ると、より充実した城跡巡りが楽しめます。百名城スタンプもここで押せますよ。

館内

館内

映像コンテンツ

鎧

八王子城のパンフレット

百名城スタンプ

八王子城跡ガイダンス施設 - 八王子市

JR 高尾駅からバスでのアクセスが基本、ただし土日祝のみ。

八王子城に行くための最寄り駅は、JR 高尾駅です。

JR 高尾駅

高尾駅北口を出ると目の前にバスロータリーがありますので、1 番乗り場から発車するバスに乗ると八王子城へ行けます(180円)。

1 番乗り場

降りるバス停は「八王子城跡」バス停です。八王子城跡ガイダンス施設にバスロータリーがあり、そこに停車します。帰りのバスも同じ場所から乗車できます。

八王子城跡ガイダンス施設のバス乗り場

ただし、八王子城行バスは土日祝日のみの運行となっています。平日はバスを利用できません。

京王バス・西東京バス 八王子城跡行き 時刻表

そんなときは、タクシーを利用しましょう。同じく高尾駅北口を出るとすぐタクシー乗り場もあります。

タクシー乗り場

JR 高尾駅から八王子城跡ガイダンス施設までは、タクシーで約 10 〜 15 分程度。料金も 1,500 円で行けました。

タクシー領収書

駅から徒歩で向かうのは遠すぎるためオススメできませんが、それでもタクシー料金はさほど高額にならないため、バスの時間が合わない、もしくは平日であれば、積極的にタクシーを利用するのがオススメです。

タクシー

現代における「攻略」しやすい観光スポット「八王子城」

八王子城入口

八王子城には、北条氏の威光を今に伝える遺構が随所に残されています。500年の時を超えて、私たちの目の前に姿を見せる石垣や空堀。かつて武将たちが歩いた山道を、現代に生きる私たちも同じように歩けることに、不思途な魅力を感じます。

古道入口

ハイキングコースを進み、曳橋を渡り、御主殿跡へ。そして登山道を経て本丸跡に至る道のりは、まさに歴史の追体験といえるでしょう。特に、ボランティアガイドさんの案内を受けながら歩くことを強くおすすめします。ガイドさんの解説によって、目の前の光景がより鮮やかに、より立体的に浮かび上がってきます。

ハイキングコース

また、ハイキングコースとしても八王子城は絶好のスポット。春の山桜、初夏の新緑、秋の紅葉と、季節ごとに表情を変える自然の中を歩くことができます。本丸跡からの眺望は特に素晴らしく、関東平野を一望できる景色は、山城ならではの特権といえます。

桜

初心者から上級者まで楽しめる複数のコース、無料駐車場の完備、そして城跡茶屋での一服。これだけの施設が整っている山城跡は、都内でも稀少な存在です。土日祝日限定とはいえ、高尾駅からバスも運行しており、アクセスも良好。気軽に訪れやすい環境が整っています。

古道

かつて難攻不落と謳われ、わずか一日で落城した八王子城。その劇的な歴史を持ちつつも、四季折々の自然が楽しめる古道は気軽に歩けるハイキングコースとして整備され、御主殿跡のある広場にはテーブルやベンチも設置され、ピクニック気分でランチを楽しむこともできます。ガイダンス施設では歴史を知り、資料を入手できます。カフェ「城跡茶屋」では軽食も楽しめ、城跡めぐり後に飲むビールは格別です。

このように八王子城は、まさに現代における「攻略」しやすい城となっています。

(ただし本丸のある山頂に行く場合は、登山の準備が必要です。下調べを入念に行ってください)

ぜひ一度、この八王子城を訪れてみてください。戦国時代を偲びながらのハイキング、山頂からの絶景、そして山菜おこわに舌鼓を打つ贅沢な一日が、きっとあなたを待っています。

御主殿跡


あわせて読みたい:

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

大阪城 西の丸庭園〜静寂に描かれる色彩豊かな日本の美。

大阪城 西の丸庭園〜静寂に描かれる色彩豊かな日本の美。

西の丸庭園

西の丸庭園

大阪城の西の丸庭園は、大阪城の西側にある約 2 万坪の広大な芝生庭園です。大阪城の天守閣を美しく眺めることのできる庭園で、春には約 300 本の桜が咲き誇り、花見の名所としても有名です。 豊臣秀吉の正室である北政所(寧々)の住居も、この西の丸にありました。

西の丸庭園

開園時間
[3 月 ~ 10 月] 9:00 ~ 17:00
[11 月 ~ 2 月] 9:00 ~ 16:30
定休日
月曜日(月曜が祝日の場合は翌日)
12 月 28 日~ 1 月 4 日
入園料
大人: 200 円

大阪城の天守閣を美しく眺めることのできる庭園

西の丸庭園からは、大阪城の天守閣を美しく眺めることができます。

大阪城

大阪城

大阪城

大坂城代屋敷跡

西の丸庭園の南側には江戸時代、幕府重職で大坂城の防衛や維持管理の最高責任者である大坂城代の屋敷(官邸)がありました。

西の丸庭園

明治維新の際の火災で焼失してしまい、現在は芝生の広場となっています。東向きの玄関は着心造りで、公務を行う広間や書院だけでなく、城の妻子が居住する建物も備えており、本丸倒殿に次ぐ規模の殿でした。

豊松庵

豊松庵

西の丸庭園には、松下幸之助氏から寄贈された茶室「豊松庵」があります。

豊松庵

豊松庵の庭に作られた枯山水(日本庭園)越しに見る大阪城天守閣は、最も美しい姿であると言われています。

現在、豊松庵は一般公開はされておらず、主に結婚式の新郎新婦や家族の控室になっています。時々、特別公開でレストランとして予約制で入ることができる場合もあります。

大阪迎賓館

大阪迎賓館

大阪迎賓館は、1995 年の APEC 大阪開催に際し、各国首脳をもてなすために建てられました。京都二条城白書院を模した格式高い建築様式で知られています。その後、2019 年の G20 大阪サミットでは晩餐会会場として使用され、世界中の注目を集めました。

現在は主に結婚式、パーティで使用されています。期間限定でレストランとして利用できる場合があります。

大阪迎賓館

焔碵蔵(えんしょうぐら)

焔碵蔵

大阪城西の丸庭園にある焔硝蔵は、江戸時代に徳川幕府が火薬を保管していた石造りの蔵です。1685 年に建造され、その特徴的な石造りは耐火性や耐久性、防水性を重視しています。

焔碵蔵

石造りの火薬庫は全国的にも珍しいです。大坂城は西日本の幕府の軍事拠点であり、この蔵はその一部として機能していました。焔硝蔵は花崗岩で作られ、壁や床、天井、梁はすべてこの丈夫な素材で覆われています。厚さ約2.4メートルの石壁と土で固められた屋根の下には、火薬を安全に保管するための工夫が施されています。

焔碵蔵

静寂の中に描かれる、色彩豊かな風景の数々。

大阪城西の丸庭園。その静謐な雰囲気は、訪れる者の心を穏やかな旅に誘います。

西の丸庭園

静かな園内でありながらも、季節ごとに移り変わる自然の鮮やかな色彩が、まるで詩情豊かな絵巻物をめくるような感動を与えてくれます。桜の花が咲き誇る春、緑の繁茂する夏、紅葉が彩る秋、そして雪景色が広がる冬―四季折々の美しさが魅力的に広がります。

西の丸庭園

緑豊かな芝生の上をそよぐ風を感じながら、歴史を感じさせる石垣や大阪城を眺めれば、まるでタイムスリップしたかのような感覚を味わえるでしょう。

大阪城

都会の喧騒を忘れて、静寂の中で自分と向き合いたいとき。大切な人とロマンチックな時間を過ごしたいとき。大阪城西の丸庭園は、そんな願いを叶えてくれる特別な場所です。

大阪城天守閣の威厳と西の丸庭園の優美さが織りなす、至福の空間をぜひ感じてみてください。

大阪城


www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com

www.ritocamp.com